赤べこで疫病除け 歴史と選び方

赤べこで疫病除け 選び方ってある?

ゆらゆらと首をふる姿が愛らしい「赤べこ」。
その姿はだれもがご存知かと思います。
その愛嬌ある姿から海外みやげとしても人気があります。
最近はマツコデラックスさんがコレクションしているということでも知られていますね。

実は赤べこは福島の会津で、疫病除けの願いが込められて作られた郷土玩具です。
福を運んでくる牛と言われています。

さらにその起源は疫病から身を守るお守りと伝わります。

この時代だからこそ見直される赤べこ。
その背景と選び方のポイントをご紹介。

赤べこは福を呼ぶ縁起物

赤べこは単に首振りを楽しむ玩具ではなく、疫病退散・福を呼ぶ縁起物として作られたものなのです。
「会津張り子」という、福島県の会津地方にさかんな工芸技術からできました。

赤べこの作りかた

会津張り子の技法を使ったものは赤べこのほか「起き上がり小法師」などが知られています。

張り子とは木で作った型に和紙を何枚も重ねて貼りつけて作ったもの。

赤べこもこの方法で作られていて、和紙が乾いたところで切りこみを入れて中の型を取り出し、またつなぎ合わせ胡粉(ごふん)という顔料で白く下塗りし、その後赤く塗装します。
詳しくはページ最後に掲載した動画をご覧ください。

首と身体部分は別々に作られ、最後に首に重りをとりつけ、バランスがとれるように胴体部に糸で取りつけます。

仕掛け自体は単純ですが、首の振り方や本体の光沢の美しさは、職人さんが作ったものは違います。
また、職人さんによって牛の表情も異なるのが面白いですね。

会津で赤べこが生まれた理由

この張り子技術でなぜ赤べこが作られるようになったのでしょうか。
発祥は福島県柳津町(やないづちょう)とされています。柳津町の圓蔵寺(えんぞうじ)には赤べこのモデルとなったなで牛と呼ばれる牛の像があり、開運をもたらすと伝えられます。

 円蔵寺 福満寺 開運撫牛

赤べこ伝説となった開運撫牛 出典:極上の会津

赤べこ信仰は約400年ほど前にさかのぼります。
会津地方で起こった大地震がおこり、復興には多くの木材が必要でした。
大きな木材を川岸より崖上へ運ぶのに、人の手ではなかなかあげることができずにいたところ、どこからかやってきた赤牛が木材を運ぶのを手伝ったとのことで、その感謝の意を込めて「赤べこ」と名付けられ、張り子人形ができました。「べこ」とは東北の方言で「牛」の意味です。

赤べこの赤は赤牛を模したことから赤色にしたとも言われていますが、赤色は元々悪い病気を退散させるという言い伝えからそうなったともされています。

これは福島だけでなく、東北地方で赤は疫病退散に効くと信じられているためです。

その裏付けとなったのが会津で流行った疱瘡(ほうそう)。
その病にかかった子どもに赤べこを贈ったところたちまち回復に向かったということから、今では疫病の身代わりになってくる縁起物とされるようになりました。

赤べこのお尻あたりに描かれている黒丸。
これは疱瘡の後を模したとされています。

こうした経緯から赤べこは疫病退散・さらに福を招く玩具として人気がでました。

新型コロナウィルスが蔓延し、2020年は世界中が大変な年となりました。
日本もしかりです。
福島県会津若松市役所前には、マスクをした特大赤べこが登場し話題となりました。

きっと市民の身代わりとなってくれていることでしょうね。

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赤べこの選び方

さて、今や会津地方のお土産ものとしても人気の赤べこですが、今では色々種類も出てきます。
もはや赤でなく、ピンクべこや青べこまで。

そこは個人のお好みで選んでいいと思います。
実際、私の持っている赤べこは金色です。
(お金を運んで来てくれそうですw)

お土産品には注意

お土産用に種類も豊富に売られている赤べこですが購入の際は要注意。
お土産用に作られたものは作りが粗雑なものもあり、首ふりもなんか大雑把。

ちょんと首をつつくとガタガタと首をふるものもあります。
職人さんによって作られたものは動きも絶妙で、愛らしさも格別です。

赤べこを買う時はここをチェック

赤べこを買う時はできればネットでなく実物を触って選ぶことをおススメします。
先に述べたとおり、職人さんが作った赤べこは絶妙なバランスにより首の振り方が優雅でどこかユーモラスさがあります。

この首の作りが雑の場合、動きますがなんとなく動きも単調でガタガタと激しく動くだけです。

必ず張り子の制作で作られたものを購入してください。

また、職人さんが作った赤べこは塗りも美しく、独特の光沢があります。

たかが郷土玩具と侮らずに品質の確かなものを選んでください。

野沢民藝
住所:福島県耶麻郡西会津町野沢上原下乙2704-2
問合わせ:info@nozawa-mingei.com
オンラインサイト:https://nozawa-mingei.com/shop/products/list.php?category_id=11

野沢工藝さん作成の動画です。赤べこの制作工程がよく分かります。
本当に一体、一体丁寧に作られているんですよね。
こちらもご参考に。

わずかな風に当たるだけでもゆらゆらとコミカルな動きをしてくれる赤べこ。
疫病退治のお守りとしておうちにどうでしょうか。

癒されますよ~。

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