2025年5月、尾上菊之助が八代目菊五郎、その息子丑之助が六代目菊之助を襲名することとなりました。
尾上菊五郎といえば歌舞伎界でも市川團十郎に並ぶ大名跡。
連日公演は大入りとなっています。
チケット取れればぜひ行きたいと思っている方にぜひ足を運んでほしい、特別公演です。
八代目菊五郎・六代目菊之助襲名は歴史的イベント
本来、襲名というのは前代の名が何らかの理由で空いた際、その子息が襲名することがこれまでの習わしでした。
現在の人間国宝でもある七代目菊五郎さんはご存命。現時点で引退予定もありません。
そう、同じ名跡を同時期に存在することとなるのです。
これは長い歌舞伎の歴史史上初めてのこと。
一方、そのご子息新菊之助さんは丑之助を襲名してわずか6年で襲名する運びとなりました。
これもかなり異例。
ちなみに父八代目菊五郎さん(前菊之助さん)が丑之助から菊之助を襲名するまで12年かかっています。
襲名公演演目と料金
【昼の部の演目と配役】
寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
五穀豊穣を祈るおめでたいひと幕。襲名披露の幕開きに相応しい演目です。
【配役】
三番叟 松也
三番叟 歌昇
三番叟 萬太郎
三番叟 尾上右近
三番叟 種之助
附千歳 米吉
千歳 雀右衛門
翁 又五郎
歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
歌舞伎ではお馴染みの演目。
弁慶を團十郎、富樫を新菊五郎が演じます。
二人の掛け合いが見どころの演目。
【配役】
武蔵坊弁慶 團十郎
富樫左衛門 八代目菊五郎
亀井六郎 松也
片岡八郎 尾上右近
駿河次郎 鷹之資
常陸坊海尊 男女蔵
源義経 梅玉
後見 右團次
三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)
名作中の名作。
河竹黙阿弥作の演目で、五七五の台詞がなんとも耳に心地よいです。
一幕だけでも楽しめる演目。
【配役】
お嬢吉三 時蔵
お坊吉三 彦三郎
夜鷹おとせ 莟玉
和尚吉三 錦之助
京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)
こちらもお馴染みの演目。
最大の見どころは新菊五郎・新菊之助に加え、玉三郎がはいった三人花子というところ。
この襲名披露でしか見られない構成です。
【配役】
白拍子花子 八代目菊五郎
白拍子花子 丑之助改め菊之助
所化 友右衛門
同 萬次郎
同 権十郎
同 門之助
同 彦三郎
同 坂東亀蔵
同 竹松
同 新悟
同 廣太郎
同 児太郎
同 廣松
同 光
同 男寅
同 玉太郎
同 歌女之丞
同 吉之丞
白拍子花子 玉三郎
【夜の部の演目と配役】
義経腰越状(よしつねこしごえじょう)
江戸幕府の話を鎌倉時代に置き換えた話。
実在のモデルは徳川将軍や真田幸村。
誰が誰に置き換わっているかは、イヤフォンガイドで案内してくれます。
【配役】
五斗兵衛盛次 松緑
錦戸太郎 坂東亀蔵
伊達次郎 種之助
亀井六郎 左近
泉三郎忠衡 権十郎
九郎判官義経 萬壽
襲名披露 口上(こうじょう)
襲名披露最大の一幕。
六年前、丑之助襲名の時は公演中に一時中断して口上を述べる「演目口上」でした。
菊之助改め八代目菊五郎
丑之助改め菊之助
七代目菊五郎
梅玉
玉三郎
楽善
松緑
團十郎
弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)
音羽屋の代表演目といってもいいでしょう。
七代目菊五郎の弁天小僧菊之助は定番中の定番。
何度見てもしびれます。
今回は新菊五郎がその役を努めます。
〈浜松屋見世先〉
弁天小僧菊之助 八代目菊五郎
日本駄右衛門 團十郎
南郷力丸 松也
浜松屋倅宗之助 萬太郎
番頭与九郎 橘太郎
狼の悪次郎 片岡亀蔵
鳶頭清次 松緑
浜松屋幸兵衛 歌六
〈稲瀬川勢揃い〉
弁天小僧菊之助 丑之助改め菊之助
忠信利平 亀三郎
赤星十三郎 梅枝
南郷力丸 眞秀
日本駄右衛門 新之助
〈極楽寺屋根・滑川土橋〉
弁天小僧菊之助/伊皿子七郎 八代目菊五郎
日本駄右衛門 團十郎
狼の悪次郎 片岡亀蔵
関戸の吾助実は大須賀五郎 九團次
岩淵の三次実は川越三郎 市蔵
青砥左衛門藤綱 七代目菊五郎
1階桟敷席 25,000円
1等席 23,000円
2等席 18,000円
3階A席 8,000円
3階B席 6,000円
團菊祭五月大歌舞伎最大のおススメと見どころ
冒頭でもお伝えしましたが、なんといっても同じ名跡を同時期に名乗るのは400年続く歌舞伎の歴史でも初めてのこと。
おススメ演目は玉三郎さんを含めた「三人娘道成寺」。
美しい3人花子が舞台を彩ります。
そしてなんといっても口上。
丑之助改め菊之助くんの口上の立派!音羽屋の今後が楽しみですw
玉三郎さんの口上も見ものです。
弁天娘女男白浪は絶対はずせない演目です。
稲瀬川勢揃いの場では、その前の幕とは配役が異なります。
これは一旦菊之助にもスポットをあて、そこに年齢を揃えるため。
最少年齢9歳という、可愛くありながら頼もしい小さな悪党の五七五のせりふ回しをお楽しみください。
今回の襲名披露は厳かながらどこかなごみ、ワクワクします。
イヤフォンガイドは必須ですよ。
まだ若干席があるようなので気になる方はぜひお運びください。
ちなみに6月も襲名披露公演は続きますが、演目は変わります。
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