赤坂歌舞伎2020「怪談牡丹燈籠」あらすじと見どころ

2019年NHKのドラマでも話題となった「怪談牡丹燈籠」が歌舞伎の舞台にかえってきます。
3年ぶりのTBS赤坂ACTシアターで上演される「牡丹灯篭」とは。
怪談噺の傑作として名高いこの作品。

あらすじを知ればもっと観たくなることまちがいなしです。
あらすじとみどころのご紹介です。

※2020年赤坂歌舞伎は新型コロナ感染予防のため全公演中止となりました。
 しかし本演目は歌舞伎演目として残るので、ご興味ある方はぜひ一読ください。

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「怪談牡丹燈籠」とは

歌舞伎でも何時間、ドラマでも数回に分けての放映になるほど長編の話ですが、元は明治時代に三遊亭圓朝が25歳の時に作った落語の怪談噺です。

長~い話で、話すと30時間くらいになるとか。

口演筆録である速記本では22章に分かれているらしいです。
作るのもスゴいですが、覚えるものスゴいですよね。

その長い噺が、その後三代目河竹新七により、歌舞伎の狂言としてアレンジされ上演されました。
最近では歌舞伎上演も少なくなりましたが、当時は上演されるやいなや大盛況だったと言います。

現在「四谷怪談」や「皿屋敷」に並ぶ日本三大怪談とされています。

「怪談牡丹燈籠」のあらすじ

長い話なので実際通し狂言ではどうまとめられているか私もしらないのですが、メインとなる部分を追っていきます。
登場人物が多く、それぞれの関係が複雑に絡み合うので、途中わからなくなったら下の相関図を参照にしてください。

登場人物

お国
飯島家の奥方付き女中。飯島家の主人平左衞門の側女。

飯島平左衞門
剣術の達人。酒クセの悪い黒川孝藏を殺めるが、その息子、孝助を奉公人として仕えさせる。。

宮邊源次郎
飯島家の隣家の次男。お国と密通し、平左衞門を殺害。

黒川孝助
平左衞門が父親の仇と知らず仕える。

萩原新三郎
浪人。平左衞門の娘お露と恋仲。

お露
飯島平左衞門の娘。新三郎に恋焦がれるあまり死んでしまう。

お米
お露の乳母。お露が亡くなると後を追って死んでしまう。

山本志丈
お露と新三郎を引き合わせた医者

伴蔵(ともぞう)
萩原新三郎の下男

お峰
伴蔵の妻

歌舞伎 怪談牡丹燈籠あらすじ

浮世絵「牡丹灯篭」

国周 怪談牡丹燈籠 出典:原書房

旗本飯島平左衛門の娘、お露は浪人の萩原新三郎に恋焦がれています。
ある日、お露と乳母のお米、医者の山本志丈が舟遊びをしているとき、そのお露の想いを聞いた志丈は二人を引き合わせることを約束します。

実は新三郎のほうもお露が忘れられず、志丈にお露に会わせてくれと頼みます。

その傍らでお露の父の平左衛門の命をねらうのは側女のお国。隣に住む宮邊源次郎と計画し平左衛門を殺害します。

ほとんど上演されることはないですが、原作ではこの平左衛門殺害にも涙の人間模様があります。平左衛門を殺したのは実は黒川孝助という奉公人。これは孝助が隣人源次郎の主殺害の企てを知り、平左衛門を守ろうとしたところあやまって平左衛門を刺してしまいました。孝助は平左衛門を守りたい一心で前から平左衛門より剣術を習っていたのです。
しかしながら平左衛門は昔孝助の父、孝蔵を殺め、いつか孝助に父の仇をとらせるため(つまりは自分を殺させるため)に剣術を教えていたというのです。
その事実を知らない孝助。平左衛門は息絶える前にその事実を告げたというエピソードがあります。
その後、孝助は平左衛門の仇を討つべく逃亡したお国と源次郎を追って旅にでました。

一部ではお国と源次郎が平左衛門を殺し、逃亡となっています。
このあたりは長編ならではの編集がいろいろあるようです。

さて、本編に入ると新三郎に恋焦がれているお露。
その想いが積りに積って身もやつれ、ついには命を落としてしまいます。
さらに乳母のお米もお露の後を追うように死んでしまいました。

お露が亡くなったと聞いた新三郎は悲しみ、毎日念仏を唱えます。

お盆の13日お露の菩提を弔っていたとき、どこからカランコロンと下駄の音。
牡丹灯篭を下げたお露が新三郎の元へやってきます。
そばにはお米もいます。「お露が死んだというのは、二人を別れさせようという作り話」と新三郎に伝えました。

亡くなったと言うのはデマだったと聞いて喜ぶ新三郎。
二人は固く抱き合います。

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その様子を遠目に眺めていたのは新三郎の下男、伴蔵。
しかしホタルが飛び交う蚊帳の中で新三郎が抱いていたのは骸骨でした。

*********

驚いた伴蔵は一目散に家へと逃げ戻ります。

新三郎はお露の霊にとりつかれ、日にやつれていきます。
自分が霊にとりつかれていると知った新三郎は家じゅうにお札を貼り、海音如来を祀ります。その結果お露の霊は新三郎に近付けなくなってしまいました。

お露(の霊)は新三郎の心変わりに悲しみます。
それを不憫に思ったお米(の霊)はなんとかお札をはがしお露を新三郎に会わせられないかと伴蔵に頼みます。

伴蔵と妻お峰は新三郎が死んでは生活できない、また一方で霊にとりつかれても困るといってお米(の霊)に百両を条件に承諾します。

伴蔵とお峰は新三郎の家に行き、金無垢の海音如来も不動明王像とすり替えます。
盗んだ海音如来を土中へ埋めると天井から百両の小判が降ってきました。

再び伴蔵は新三郎の家に行きお札をはがすと牡丹燈籠が新三郎の家へすーっと入っていきました。
お札がはがされたとは知らない新三郎、目の前に現れたお露をみて「やはり生きていたのか」と喜びます。
しかしお露(の霊)は一度は自分から離れた新三郎を許せず、殺してしまいました。

*********

お国と源次郎は飯島平左衞門宅から金品を盗み江戸を離れ、野州栗橋の宿のはずれに住んでいます。
しかしその金品も底をつき、平左衞門と争った際にうけた傷により体も不自由になってしまいました。お国は生活費を稼ぐため酌婦として勤めに出ています。

その店に通う伴蔵。酌婦のお国を気に入ってしまいます。

二人の仲を知った伴蔵の妻、お峰は伴蔵に詰めより、さらに幽霊からもらった百両のことも奉公人のいるところで話してしまいます。

*********

一方お国は同僚が源次郎が平左衞門殺害の際、あやまって殺してしまった女中の妹と知ります。
そのことを本人に告げると悔いる源次郎。いつしか二人の周りにはホタルが飛び交います。

源次郎は、斬ってしまった女中のことを悔やみながら刀で宙を切ります。
その瞬間足をとられ、転んでしまい自らを刺してしまいました。
そこへ知らずに抱きついたお国も刀が刺さり、二人とも絶命してしまいます。

*********

伴蔵とお峰は奉公人のお六が二人の会話を聞いたことを周りに話していることから、役人に知られることを恐れ逃げることを決意。伴蔵は金無垢の如来像を江戸から持ってきて埋めてあるので、それを掘り起こしたいとお峰に見張を頼みます。

しかし、そのとき。
あたりを見張っているお峰を伴蔵は刺殺し、川に沈めてしまいます。
その場を立ち去ろうとしたとき、何かに引っ張られ、川の中からお峰の手が出てきて水の中へ伴蔵を引きずりこんでしまいます。

いつしか辺りはホタルが舞っていました。

牡丹灯篭相関図

怪談牡丹燈籠の見どころ

上演時間の関係で短編やかなり部分が省かれることが多いうえ、複雑な人間関係もあいまって理解しにくいところもあるかもしれません。

最大の見どころはお題になっている牡丹灯籠。
お露の霊が新三郎の元へ向かう「カラ~ンコロン」という下駄の音がこの演目の最大のキーとなっています。

怪談として受け継がれている演目ではありますが、根源は人間の嫉妬や欲、情愛が複雑に絡まり合う人情噺といってもいいかもしれません。

注目の赤坂歌舞伎2020年

赤坂歌舞伎「牡丹灯篭」

3年ぶりに開催される赤坂歌舞伎。
もともとは18世勘三郎が芸術の街赤坂で歌舞伎をやりたいという思いから始まりました。

勘三郎亡きあとはなかなか開催されなくなりましたが、2020年3年ぶりに開催が決定。

「牡丹灯篭」の新作となります。
出演者は中村獅童・中村勘九郎・中村七之助の三人のみ。
獅童は宮辺源次郎と伴蔵、勘九郎は黒川孝助と新三郎の2役を勤め、七之助はお露、お国、お峰の3役を勤めます。

ドラマの脚本も手がけた源孝志氏が今回の脚本・演出も務めます。

新作歌舞伎として生まれ変わる牡丹灯篭、今から楽しみです。

赤坂歌舞伎
日程:
2020年5月5日(火・祝)~24日(日)
劇場:TBS赤坂ACTシアター
出演:中村獅童・中村勘九郎・中村七之助
料金:S席13,500円 A席8,000円 B席4,000円
詳しくはこちら 歌舞伎美人(かぶきびと)
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