今、若手の歌舞伎俳優が注目を浴びています。テレビドラマなどでも大活躍。
ベテラン役者の高齢化に伴い、次世代の歌舞伎界の担い手となる若手歌舞伎役者。
芸もまだまだ伸び盛り。
若手による若手のための歌舞伎舞台。
年明けはパワーあふれる新春浅草歌舞伎へ!
新春浅草歌舞伎とは
毎年、年明けに浅草公会堂で開催される若手歌舞伎役者中心で行われる歌舞伎公演。
今や若手歌舞伎役者の登竜門と言われています。
元々は歌舞伎座公演などはベテラン役者がメインで行われます。
特に1月は歌舞伎座や南座はじめ、ベテラン役者が各劇場で年はじめの舞台をふみます。
そこで若手役者活躍の場が設けられました。
若手にもスポットライトを、と花形歌舞伎として立ち上げたのが始まりとされています。
客層も若く、推し目当ての人気公演となっています。
近年はもうベテラン役者となった尾上松也が中心となって行われています。
(松也は今年で卒業する予定)
【新春浅草歌舞伎公演情報】
会場:台東区立浅草公会堂
期間:2024年1月2日(火)~26日(金)
時間:第1部11:00~ /第2部 15:00~
料金:
1等席(1階席、2階席7列まで) 9,500円
2等席(2階席8・9列) 6,000円
3等席(3階席) 3,000円
【休演】8日(月・祝)、19日(金)
住所:台東区浅草1-38-6
電話:03-3844-7491
アクセス:
東京メトロ銀座線 浅草駅 1番・3番出口 徒歩5分
都営浅草線 浅草駅 A4出口 徒歩7分
東武鉄道浅草駅 北口 徒歩5分
つくばエクスプレス 浅草駅 A1出口 徒歩3分
第一部演目
第一部の演目と配役はこちら。
昨年2幕制だったですが、今年は3幕制になりました。
お年玉〈年始ご挨拶〉
毎日日替わりで役者が挨拶に口上を述べます。
一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
十種香
武田信玄の子で盲目の勝頼は敵対する越後の長尾謙信の娘、娘八重垣姫(やえがきひめ)と婚姻の約束をする。
これは両家の和睦の誓いでもありました。そんな折、室町幕府の将軍足利義晴が暗殺されます。暗殺の犯人探しの命が勝頼に下されます。義晴三回忌までに見つけないと、武田家・長尾家両家の子息の首を渡すことに。
結局勝頼は犯人を見つけることができずに切腹。その訃報を聞いた八重垣姫はひたすら供養を続けますが、その姫のもとに・・・
愛する恋人となんとしても会いたいと、姫は大胆な行動にでます。
特に人気の十種香(じゅしゅこう)の幕が上演されます。
【配役】
八重垣姫 中村 米吉
武田勝頼 中村 橋之助
腰元濡衣 坂東 新悟
白須賀六郎 中村 種之助
原小文治 坂東 巳之助
長尾謙信 中村 歌昇
二、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
源氏店
美男美女がふと目を合わせた瞬間、恋が始まるドラマチックな場面。
歌舞伎でも人気の演目で、詳しいあらすじと見どころはこちらから。
> 歌舞伎「与話情浮名横櫛」(切られ与三)見どころとあらすじ
【配役】
切られ与三郎 中村 隼人
妾お富 中村 米吉
番頭藤八 市村 橘太郎
蝙蝠の安五郎 尾上 松也
和泉屋多左衛門 中村 歌六
三、神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)
どんつく
舞踊。出演者が勢ぞろいで、華やかな舞台となります。
【配役】
荷持どんつく 坂東 巳之助
親方鶴太夫 中村 歌昇
太鼓打 中村 種之助
大工 中村 隼人
子守 中村 莟玉
若旦那 中村 橋之助
芸者 中村 米吉
白酒売 坂東 新悟
田舎侍 尾上 松也
第二部演目
第二部の演目と配役はこちら。
こちらも今年から3幕制になっています。
お年玉〈年始ご挨拶〉
毎日日替わりで役者が挨拶に口上を述べます。
一、熊谷陣屋(くまがいじんや)
源平合戦のさなか、源義経の家来熊谷次郎直実は敵の平敦盛の命を助けるように命をうけます。
身代わりにしたのは息子。その息子の身を案じるのはその妻。
熊谷直実の苦悩をまざまざと描く戦国の物語です。
【配役】
熊谷直実 中村 歌昇
相模 坂東 新悟
藤の方 中村 莟玉
梶原平次景高 中村 吉之丞
堤軍次 中村 橋之助
源義経 坂東 巳之助
白毫弥陀六 中村 歌六
二、流星(りゅうせい)
雷夫婦とその子、姑の騒動を一人で踊り分ける舞踊。
三代目中村又五郎の息子、種之助の一人舞台です。
【配役】
流星 中村 種之助
三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
妹が無実の罪で手討ちになったと知った魚屋宗五郎は禁酒を破り酒をあおります。
その勢いのまま妹を殺した殿様の屋敷へと向かいます。
宗五郎の酒乱ぶりが役者の見せ所と言われているこの演目。
浅草歌舞伎の卒業を公言しているもうベテラン役者となった尾上松也の演技が楽しみです。
【配役】
魚屋宗五郎 尾上 松也
女房おはま 坂東 新悟
小奴三吉 中村 種之助
磯部主計之助 中村 隼人
菊茶屋娘おしげ 中村 莟玉
菊茶屋女房おみつ 中村 歌女之丞
父太兵衛 市村 橘太郎
鳶吉五郎 中村 橋之助
召使おなぎ 中村 米吉
岩上典蔵 坂東 巳之助
浦戸十左衛門 中村 歌昇
演者紹介
若手出演者の簡単な紹介です。2023年12月時点の情報です。
【尾上 松也】
二代目。屋号:音羽屋
テレビドラマにも多々出演。活躍の場は広く、世間の知名度も高い役者です。
父は六代目尾上松助。
【中村 米吉】
五代目。 屋号:播磨屋
父は五代目中村歌六。
若手女形として活躍中。最近はテレビのバラエティ出演により「少女漫画からそのまま抜け出してきたみたいな人。」と話題になったことも。
【中村 橋之助】
四代目。屋号:成駒屋
父は中村芝翫、母は三田寛子。
三人兄弟の長男。
大河ドラマはじめ、テレビドラマ、ミュージカルなど活躍の幅の広い役者です。
【坂東 新悟】
屋号:大和屋
父は2022年大河ドラマでも話題となった坂東彌十郎。
長身ながら女形メインで古典から新作までこなします。
【中村 種之助】
初代。屋号:播磨屋
立役と女方の両方を勤めます。兄は中村歌昇、父は三代目 中村又五郎。
30歳になった今、今後の益々の活躍が楽しみな役者です。
【坂東 巳之助】
二代目。屋号:大和屋
父は十代目坂東三津五郎。
早くに父を亡くしましたが、今となっては若手代表ともいえる存在に。
テレビドラマでは仮面ライダーから大河ドラマまで幅広く活躍。
【中村 歌昇】
四代目。屋号:播磨屋
重要無形文化財「歌舞伎」(総合認定)保持者。
立役として大役も務めます。
弟は種之助。
【中村 隼人】
初代。屋号:萬屋
父は二代目中村錦之助。
歌舞伎界一二を争うイケメンと言われ、歌舞伎に興味のない若い女性にも大人気。
立役として様々な役に挑戦しています。
以上、もうすでにベテランの域に達している役者もいますが、これからがますます楽しみでもあります。
いつ浅草歌舞伎を卒業するかわからないのでぜひ早めに御覧ください。
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