シネマ歌舞伎であの感動をもう一度!玉三郎「鷺娘」

シネマ歌舞伎

歌舞伎に限らず、舞台が大好きな私ですが、どんなに面白かった舞台でもそのDVDなどを買うことはほとんどありません。

生ならではの臨場感、場の空気も含めてその舞台の面白さと感じているので、それを二次元の映像で観ることはむしろタブー視していました。

ただ、そんな私がシネマ歌舞伎デビューしました

どうしてももう一度観たいと願いつつ、再演がかないそうにない坂東玉三郎の「鷺娘」

その感動をもう一度味わえ、スクリーンで観るのもアリと思うようになってしまいました。

公演期間が短いシネマ歌舞伎。
「観たい!」と思ったら即行動を。

シネマ歌舞伎とは

HDカメラで撮影した歌舞伎の舞台を松竹の映画館で月イチ上映しているものです
松竹ならではの手法で、歌舞伎の舞台の臨場感をなるべくリアルに再現されています。

「舞台を撮影したものをそのまま流している」という感覚はまったくありませんでした。

上映劇場

実は日本全国で上映されています。

歌舞伎公演している劇場と比較しても多いので、歌舞伎はなかなか観られないという方におススメです。
東京では歌舞伎座や新橋演舞場に近い、晴海通り沿いの「東劇」などで観られます。

東劇は一見、映画館には見えないので意外と知られていないそうですが。。。

ここでは松竹系の映画が上映されているので、もちろん歌舞伎だけではありません。

シネマ歌舞伎は「月イチ歌舞伎」と言われ、ひと月に一度二週間だけ上映されます

チケット

通常の映画と同じく、ネットと当日窓口にて購入できます。
ネットの場合はムビチケやプレイガイドの前売りがお得です
全席指定なのですが、ムビチケなら座席指定もできます。

詳しくは各ホームページで確認してください。

東劇の場合は1階晴海通り沿いにチケット売場があります。
その場で座席指定できます。

シネマ歌舞伎は公開期間が2週間で短いうえ、1日の上映回数も3回ほどです。
事前に時間をチェックしてくださいね。

玉三郎の鷺娘の感動を再び

今回シネマ歌舞伎でみた「鷺娘(さぎむすめ)」。
実は私が初めて歌舞伎座で本歌舞伎を観た時に、すっかり歌舞伎のとりこになった演目のひとつ。

その時は亡くなった勘三郎の襲名披露だったのですが、その襲名披露公演の一幕がこの玉三郎演じる「鷺娘」でした。

踊りの演目にはあまり興味なかった私ですが、その妖艶な舞台と美しさ、あっという間に衣装が変わる早変わりのすごさに、すぐに釘付けになってしまったのを覚えています。

もう一度玉三郎の鷺娘が観たくて、高いチケットをなんとかキャンセル待ちでおさえ、もう一度観に行ったくらいです。

その後私は一度もこの演目を観ていません。

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海外公演でも大絶賛を浴びたこの鷺娘。公演を重ねるたびにその美しさ、妖艶さを追求していったそうです。
ただしかなり踊りは高度なうえ、早変わりのため重ねた衣装は10キロもの重さになるといいます。
体力的にもそのクオリティを維持できない理由から、2009年の公演を最後に全編を踊ることをやめたとか。

それでも、私はずっと
「もう一度観たい。」

と思っていました。
そして今回私のシネマ歌舞伎デビューとなった次第です。

鷺娘の見どころ

人間の姿に変わり、恋に悩む白鷺の精の一生を玉三郎ひとりで演じます。
磨き上げられた至高の舞に圧巻されます。

加えて衣装の早変わりが見事。
まるで舞台全体が動く絵画のようです。

今回、映像により細部まで見られました。
鷺らしい足の運び、細かい首の動きなど、実際客席では分からなかったことも発見。

舞台とはまた違った感動がありました。

日高川入相花王の見どころ

鷺娘と同時上映の一幕、「日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)」

人形浄瑠璃を歌舞伎舞踊化したもの
なんと、玉三郎が人形行瑠璃の人形を演じます。その人形を操るのは尾上菊之助。

本当に浄瑠璃の人形の動きのようであり、美しい可憐な動きが見どころ。
最後、流れの荒い日高川を渡る様子、美しい姫の姿はいつのまに大蛇の姿に。
向こう岸に渡りきり、観得が決まり幕となります。

歌舞伎ではなかなか珍しい構成の一幕です。

2019年のシネマ歌舞伎ははずせない

今年は玉三郎ファンにはたまらない、月イチ歌舞伎。
これからの上演予定のもののなかから、玉三郎主演のものをご紹介します。

2019年7月5日~7月11日「天守物語」
泉鏡花の戯曲の中でも屈指の名作と言われています。
白鷺城(姫路城)の最上階に異形の者たちが住むという伝説に由来となっています。
玉三郎・海老蔵がたっぷりに魅せます。

料金は2,100円(一般)、ムビチケ特別鑑賞ムビチケカード3枚セット5,400円。

2019年8月23日~8月29日「日本橋」
これも泉鏡花の作品。玉三郎本人の演出です。
新派の作品で、こちらの映像化にも玉三郎本人が監修。
あくなき探究で至高の美を作り上げた坂東玉三郎ならではの『日本橋』。

料金は2,100円(一般)、ムビチケ特別鑑賞ムビチケカード3枚セット5,400円。

2019年9月27日~10月17日「幽幻」
世界的に活躍する太鼓芸能集団 鼓童とのコラボで迫力たっぷりの演目。

玉三郎は実は演出など手広く手掛けていて、この「幽幻」もそのひとつ。

響く太鼓の音に玉三郎が美しく舞う姿が想像できますね。
これは行きたい!

料金は2,100円(一般)、ムビチケなら1,800円。

鷺娘は必見!

さて、玉三郎さんが「もう踊れない」と語る鷺娘。

このスクリーンでの上演も苦渋の決断だったようです。
歌舞伎の舞台にこだわりつくす玉三郎さんにとって、それを映像として上映するのは不本意なこと。

この映像を作成するにあたり、玉三郎さん自ら監修・編集に携わっています
最新の技術によって、舞台さながらの臨場感と美しさを再現されました。

もう生では観られないあの感動

もう一度観に行こうかな。と思っている私です。
興味ある方はお早目に!

 

2020年歌舞伎座9月大歌舞伎で「鷺娘」がスクリーンで観れます!
玉三郎特別口上あり!「一度観たい」という方は必見ですよ。
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