歌舞伎が他の舞台と違うところは「花道」があるところ。
花道はただ役者が登場する道だけでなく、ここで最大の見せ場が繰り広げられることも。
歌舞伎を観に行くからには花道の見える場所で楽しみたい。
でも実は2階以上の階になると花道が見えない席もでてきます。
今回は歌舞伎座の2階席の見え方のご紹介。さらにおススメの席もご案内します。
歌舞伎座の2階席の種類
歌舞伎座のチケット代は、席によって異なりますし、また月ごとの演目によっても多少異なります。
襲名披露などの特別公演となると、かなり高くなりますし普段二等席だった席も一等席扱いになったりします。
2階席は一等席と桟敷席と呼ばれるVIP席、あと少数の二等席があります。
桟敷席は月により異なりますが18,000円~20,000円。
一等席は15,000円~18,000円くらい。
二等席は12,000~16,000円くらい。
※新型コロナ感染予防のため定員規制のある期間はこの価格とは異なります。
3階席は三等席でもっと安くなりますし、幕見席という一幕のみの格安席が4階にあります。
ただし新型コロナ感染予防のため、上演はすべて一幕のみの上演となっているため、席の価格も変わっていますし、幕見席は一時中止となっています。
2階の場合、一番奥2列(最後席2列)以外すべて一等席以上となるので、ほとんどが高い席といってもいいかもしれません。
以下座席図の青い部分が一等席以上、緑の部分が2等席です。
1階席に比べると二等席と一等席の違いがちょっと曖昧です。
実際の席は2階席が黄色い線のラインくらいの位置になるので、席図でみるほど舞台から遠くありません。
席を選べばそれなりに舞台は見やすいといえます。
2階席の取り方は注意が必要
1階席の場合、舞台の見え方のみをチェックして席を選べばよいのですが、2階席の場合はさらに注意すべき点があります。
それは「花道」の見え方。
1等席・桟敷席すべての席から花道が見える訳ではありません。
以下の写真は2階西側桟敷席近くからの見え方。
実際座った位置からではないので、正確ではありませんが花道がほとんど見えないのはおわかりになると思います。
先ほども述べたとおり、花道は単なる役者の通り道でなく、舞台の一部です。
実際勧進帳は最後の弁慶の引き場、花道を颯爽と駆け抜ける飛び六方が最大の見せ場となっています。
そのクライマックスにして最大の見せ場がまるで見えないとなるととても残念ですよね。
2階席以上をとるときの注意ポイントです。
2階席おススメの席
まずは2階席から舞台がどう見えるのか写真を撮ってきましたので比べてください。
実際、前列のお客さんの頭もかかってくるので、桟敷席以外はここまで舞台全体が見えることはありません。
ですが、注目は花道の見え方。
桟敷席でさえ、花道が見えないので、2階席を取るなら東側(舞台にむかって右側)かつ前列がおススメ。
上の席図のピンクで色づけしたエリアです。
たびたび歌舞伎に関する記事で書いていますが、歌舞伎の面白さは観賞する位置によって異なります。
ツウの方であればどの席でもそれなりの楽しみ方が分かっているので問題ではないとは思いますが、歌舞伎初心者の方はぜひ花道の見える良い席で観てください。
定員規制中おススメの席
2020年の春の間、しばらく新型コロナ感染のため歌舞伎座公演も休演が続いていましたが、今はひと席空けての客入り、一幕のみで一日4公演というイレギュラーな上演となっています。
「○○屋!」などの歌舞伎の醍醐味でもある大向こうの掛け声もなく、幕間のお弁当タイムもないちょっと物足りなさもありますが、良いこともあります。
まずは一幕のみなので、席の値段が安いこと。桟敷席も一等席と同額。1万円以下で取れます。普段なかなか高くて手が出ないと言う方もこの機会に一度ご覧になってみては。
また、他の席もひと席空けで、前後の列で交互となるため、前の人の頭が邪魔になりにくくなっています。
先日、私は2階の最後列から2列目の二等席で観劇したのですが、花道も少し見え、舞台もほとんど全景が見えました。(前の写真の二枚目、席図Bの位置です)
5,000円ならかなりお得と思えます。
特に私の観た演目はあまり花道での演技がなかったので、大満足でした。
席図で青いエリアが2階の二等席になります。
ただ、この機会だからこそ2階桟敷席はちょっと魅力ですね。
その場合は花道がすべて見える東側を確保してください。
座席数がないのでお早めに。
まだまだ歌舞伎も本格的な上演体制が難しい状況ではありますが、だからこそ楽しめることもあります。
これを機会にこれまで二の足を踏んでいた方も歌舞伎座へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
ぜひこちらもご参考ください。
> 歌舞伎座1階席の見え方選び方
> 歌舞伎を観に行こう!チケットの取り方と初心者におススメの席
コメント