昔は芝居小屋から始まった歌舞伎。
江戸を中心に庶民の人気の娯楽でした。
そんな歌舞伎もいつからかどこか高尚なものとされ、敬遠する人も多くなりました。
「歌舞伎って行ってみたいけど、どうすればいいのかわからない」
「歌舞伎って敷居が高い。そもそも気軽に行けるもの?」
そんな質問をよくされます。
分かります。実は私もそうでした。
でも、そんなの最初だけです。要は舞台観賞なのですから。
初めての方もカンタンにチケットは取れます。
ただ、事前にチェックしなくてはいけないこともありますね。
「歌舞伎に行ってみたい!」
そんな方に参考になればうれしいです。
最初の一歩、チケットの取り方と、初心者が楽しめるおススメの席のご紹介です。
歌舞伎はいつどこでやっている?
歌舞伎は東京歌舞伎座、京都南座など歌舞伎専門の劇場のほか、日本全国巡業含めてさまざまな劇場で公演されています。
松竹のホームページをチェックすればその公演内容と劇場が掲載されています。
巡業公演などを除く、いわゆる「○月大歌舞伎」というのは大体その月の2日前後が初日で28日前後が千秋楽となります。
それもその月によって異なりますので松竹のホームページで確認してください。
基本的に大歌舞伎に公演期間中の休演日はありません。
それなのに意外と平日もガラガラということはないんですよね。
とくに歌舞伎座などは地方からも歌舞伎ファンが来場するので、平日でも常に満席に近い状態なのです。
良い席は満席に近い状態なので、チケットは発売されたら早めに取ることをおススメします。
歌舞伎のおもな劇場
亡き18代中村勘三郎が起案した「平成中村座」は昔の芝居小屋を再現した簡易劇場。
折りたたみ式なので、外の飛行機の音など聞こえてくるのですが、舞台との近さと劇場内が一体となった臨場感は他の劇場では味わえません。
ぜひ開催されるときは足を運んでください。
期間限定なのでかなりチケット入手は困難ですが。。。
定番劇場は以下の通りです。
【東京・歌舞伎座】
歌舞伎を観るならここで、という人も少なくありません。
現在の歌舞伎座は5代目。
エントランスより敷き詰められた赤じゅうたん。一歩入ったその瞬間テンションがアップします。
【東京・新橋演舞場】
歌舞伎座のほど近くの新橋演舞場は松竹専用の劇場。
歌舞伎は不定期ですが、市川猿之助や市川海老蔵などの新歌舞伎などの公演が多いです。
【東京・国立劇場】
1.3.10.11.12月に行われます。
また、6月と7月には初心者向けの歌舞伎教室も開催。
親子で楽しめる教室もあります。
【京都・南座】
歌舞伎発祥の地、鴨川沿いに建つ劇場。
最近修復工事が完成され、歌舞伎役者のお練りが話題になりました。
【大阪・大阪松竹座】
歌舞伎公演は不定期です。
道頓堀川から歌舞伎役者が「船乗り込み」が有名ですね。
他、東京浅草公会堂、福岡博多座など日本全国数々の劇場で上演されています。
歌舞伎のチケットの取り方
チケットは主にインターネット・電話・劇場で購入できます。
手順は以下の通りです。
何を観る?まずは演目を決める
ほとんどの公演は「昼の部」と「夜の部」と分かれています。
大体2カ月先までの演目は松竹のホームページで公開されています。
演目名みただけではよく分かりませんよね。
出演する役者で決めるのも手です。
私は最初、というか今でも出演する役者さんで決めることも多いですね。
あとはあらすじや見どころも紹介されているのでそれを目安にしてください。
インターネットで取る
支払いはクレジットカードなので、カードを手元に用意してくださいね。
1.WEB松竹へアクセス
2.ユーザー登録(チケットを購入からでも初めての方へからでもどちらでもOKです)
とりあえず「一般ユーザー登録」でいいと思います。
3.劇場と公演を選ぶ。
4.ログインする。
5.日時を選びます。
11:00が昼の部で16:00が夜の部です。
6.席の等級を選ぶ。
初心者におススメの席はこの後にご紹介しますね。
7.座席を選ぶ。
「自動選択」「ブロック選択」「座席選択」とありますが、おススメは「座席選択」です。
8.その後は画面の案内にそってすすんでください。
一旦申し込みが確定するとキャンセルできません。
また、申し込みしましたの完了メールが送られてきますが、そこに記載されている6桁の「購入番号」は発券に必要になります。
メールは大事にとっておき、番号はきちんと控えておきましょう。
電話で取る
1.ホームページで何を観るかを決める
2.「チケットホン松竹」に電話し、オペレータの案内にそって申し込む。
0570-000-489
※通話料は発生します。
選ぶ席はこのあとの「初心者におススメの席」をご参考にえらんでください。
窓口で取る
歌舞伎座、新橋演舞場、大阪松竹座、南座と、各劇場の切符(チケット)売場でも購入できます。
歌舞伎座はちょっとわかりにくく、地下B2Fの「木挽町広場」にあります。
エスカレーターで下って、Uターンするような形で曲がると左手奥に「歌舞伎座切符売場」の案内が出ています。
チケットの受け取り方
インターネットと電話で申し込んだ場合は、劇場入り口付近に設置されている「切符引取機」で、決済完了時(または申し込み完了メール)に表示される6桁の「購入番号」と、 決済時点で登録されている「電話番号」を入力してください。
チケットが発行されます。
初心者におすすめの席
いざ、申し込みしようと思ってもどこの席がいいのかわかりませんね。
歌舞伎は「等数」によって値段が決まります。
歌舞伎座の場合を例にあげます。
その公演により多少異なりますが、基本的には以下のような設定になっています。
1等席 | 18,000円 |
2等席 | 14,000円 |
3階A席 | 6,000円 |
3階B席 | 4,000円 |
1階桟敷席 | 20,000円 |
桟敷席はいってみればVIP席。
一般の方ももちろんとれますが、桟敷席用のお弁当があるくらい、ちょっと敷居が高い席でもあります。
そのほか、幕見席という一幕のみの座席が歌舞伎座にあります。
ただしこちらは当日券のみ。上演前から並ばなくてはいけません。
とても安く、通常公演では椅子席約90名、立見約60名。(演目によって減ります)
安ければ600円くらい、高いものでも2,000円くらいです。
こちらは外国のかたや観光客の方が多いですね。
では初心者の方にはどの席がおススメかというと
「1等席」または「2等席」の「花道の見える席」です。
花道は舞台から客席のほうに延びる通路。でもそこはただ役者が通るだけではなく、見せ場となる場合も多くあります。
絶対に花道の見える席をとってください。
ただ、「1等席」「2等席」すべて花道が見えるかというと、見切れる席もあるので注意が必要です。
1階席なら間違いなく見えます。
2階席なら正面1番前または「東側」の席をとってください。
2階の1等席を取るなら1階の2等席を、個人的にはおススメします。
ちょっとお試しといって幕見席はおススメしません。
その理由は舞台が遠すぎるため、面白さはまったく分かりません。さらに劇場の中の売店なども立ち寄ることもできないため、歌舞伎座での楽しみも「その料金なみ」となってしまうのです。
ちなみにツウになると3階席くらいに陣取るそうですよ。
せっかく行くのですから、ここは頑張って良い席で観て、それから「面白い」「面白くなかった」の判断してもらえたらと思います。歌舞伎に詳しい人は「初心者こそ良い席で観てほしい」と口ぐちに言います。
決して安い金額ではありませんが、まずは試してもらえたらと思います。
席に関しては以下に詳細書いていますのでこちらも参考にしてください。
歌舞伎はけっして敷居の高いものでも難しいものでもありません。
歌舞伎の面白さのポイントは人それぞれです。
まずは第一歩踏み出して自分なりの愉しみ方を見つけられたらと思います。
この記事が少しでも参考になればうれしいです。
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