
出典:Travel Book
浅草最大の観光スポット、浅草寺。
国内外の観光客で平日でも賑わっています。
その大きな境内、本堂の横にひっそりと建つ浅草神社。
浅草寺にお参りしてそのまま帰ってはいけません。
実はここ浅草神社こそ東京の重要文化指定ともなっている貴重な神社</span>なのです。
今すぐにでも行きたくなる浅草神社の魅力を総チェックです。
三社さんでお馴染み浅草神社とは
浅草寺の傍らに建つ浅草神社ですが由来は同じです。
というのも明治政府より発せられた神仏分離令により浅草寺と寺・神社に分かれただけです。
つまり、浅草神社の歴史は浅草寺の歴史でもあります。
浅草神社歴史
さかのぼること約1400年前。
628年の3月、檜前浜成(ひのくまのはまなり)と竹成(たけなり)という漁師の兄弟は、いつも通り隅田川へ漁にでます。
その日は不漁で、網にかかったのは一体の仏像。
その仏像を川へ返すも度々その仏像が網にかかります。
これは何かあると浅草の当時の文化人であった土師中知(はじのなかとも)のもとにその仏像を持って行きます。
土師中知はその仏像が聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)ということが分かり、早速祀ることにしました。
自ら僧となり、その尊い仏像を祀るため土師中知は自宅を寺に改築します。
これが浅草寺の始まりです。
土師中知が亡くなったのち、その子が寺を継ぎますが夢で観音様より真中知・浜成・竹成を神として祀るようにと告げられます。
そのお告げに従い、三体の神様を祀るようになりました。
今、地元では「三社さま」「三社さん」といった呼び名で親しまれています。
浅草神社の社殿は重要文化財
東京に、昔からの建造物があまり残っていないのは都市化だけが原因ではありません。
江戸時代の明暦の大火・大正の関東大震災・昭和の東京大空襲など、街そのものが破壊される歴史を幾度となくくり返してきました。
事実、浅草寺も度々火災や震災などで崩壊しそのたびに建て替えられてきています。
ところがその至近距離の浅草神社はそれらの被害もあわず、ほぼ建てられた当時の姿のまま現在に至るそうです。
この社殿、徳川三代将軍の家光公が寄進したもの。
日光東照宮にもみられる権現造りと呼ばれる建築様式で建てられています。
徳川との関わりは家康のころから、浅草寺が祈願所に定められていました。
かの関ヶ原の戦いの際も、浅草寺で祈祷が行われたといいます。
小さいながら内部の装飾などは美しく、細部にまでこだわって作られているのがわかります。
それでも劣化が進み、平成になってから3億円以上かけて修復しました。
お参りするとき、少し中も見えるのでちょっと注意してみてください。
また、奥に3つの扉があるのに気づくと思いますが、これは3体の神様が祀られていることを表します。
拝殿・幣殿・本殿の3つが1951年、国の重要文化財に指定されました。
浅草神社イベント
浅草神社は小さいながら、年間通してさまざまなイベントを開催しています。
三社祭
もう有名なお祭りなのでご存知でしょう。
「三社って浅草寺と浅草神社とあとひとつは?」
と質問される方がいらっしゃいますが、先の歴史で書いた通り浅草神社は三体の神様を祀っている神社のため「三社さま」と呼ばれています。
よって三社祭は浅草神社のお祭りです。
2020年は特別秋口に例年とは異なる形で開催されましたが、例年は5月の第二週の土日に開催されます。
神様が3体いらっしゃるので本殿から一之宮・二之宮・三之宮と三基の御神輿がでます。
この御神輿が立派で、装飾も派手なため重量も重く、「一トン神輿」と呼ばれるほどです。
大きさは鳥越神社の神輿にかなわないものの、東京の町神輿に見なれている方は、その豪華さに驚きます。
三社祭は浅草にとっては特別な日。
街中が大騒ぎになります。
ケンカなども多数発生しますが、これぞ江戸の祭といえるほど活気に満ちたお祭りです。
夏詣(なつもうで)
こちらも寺子屋同様、年の初めだけでなく、夏にも神社に足を運んでほしいという願いから始まったそうです。
境内に数店の屋台が並び、能舞台などでも舞が披露されたりします。
猿回しなどの見世物なども参拝者を楽しませてくれます。
例年 6月30日と7月1日より1週間ほど。
6月30日はそもそも「夏の祓」といって、茅の輪をくぐり半年分の穢れを落とす日でもあります。
寺子屋
毎月1日、もっと神社に足を運んでほしいという願いから「寺子屋」が開催されています。
内容は毎月異なり、ワークショップや体験イベント、トークショーなど老若男女楽しめる内容となっています。
元々は予約なしで月の初めに思い出したら気軽にきてほしいということで人数制限もありませんでしたが、2020年にはいったコロナ禍、要予約で定員なり次第しめきりということになっています。
寺子屋の内容は浅草神社の公式ホームページで告知されますので、興味あったら予約してください。
川柳教室
浅草は川柳発祥の地とされています。
江戸浅草新堀端の名主、柄井八右衛門が初めて万句合 (まんくあわせ) の点者となったことから浅草が発祥となったようです。
その歴史をうけて浅草神社では月に一度(火曜日)講師を招いて川柳を学ぶ会が開催されています。
高校生以上、一回1,000円です。
浅草神社で賜りたいお守り

出典:浅草神社 巫女ブログ
その名も「大丈夫守」。
普通お守りと言うと表に「家内安全」「御守」「交通安全」「縁結び」などと入っていますが、この大丈夫守はその名の通り「大丈夫」と入っています。
「三社様のお力により あらゆる悩みや
心配事が無くなり 心安らかに 過ごせますように」
という祈願のもと作られたそうです。
なんだか、本当にすべてのことが大丈夫に思えてきますね。
紐の色が6色ほどあり、色によってお守りの地模様が異なります。
(ちなみにどれもご利益は一緒)
他ではなかなか見られない大丈夫守。
心配事や悩みが尽きないと言う方はぜひお参りの後求めて帰ってください。
浅草神社は浅草寺に比べるとふと通り過ぎてしまうようなたたずまいですが、実は社殿は重要文化財であったり、境内には様々な碑があったりと、お参りせずに帰ってしまうのはもったいなさすぎる神社です。
観光でいらした方はもちろんのこと、東京近郊にお住まいの方は近くにいらしたら必ずお参りしてください。
東京誇りの神社です。
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