桃の節句が近づくにつれ、
「娘も大きくなったけど、今年も雛人形飾る?」
「そろそろ処分してもいいのでは」
などの思いが頭をよぎる家庭も多いのではないでしょうか。
でもいざお別れするとなるとその方法も分らない。
そもそも雛人形とお別れする時期っていつ?
雛人形の処分方法とは。
雛人形はいつまで飾る?
雛人形とは娘が生まれて、その成長を願うお守り。
娘に降りかかる災いを、身代わりになってうけてくれる存在として昔から大事にされてきました。
では娘が成長したら、いつまで飾るものなのでしょうか。
基準などはないそうですが、基本的考えは「娘が自立したら」飾らないとされています。
例えば娘が実家を出て独立したとき、就職したとき、結婚した時など、個人によってそこは変わってくるかもしれませんね。
しかしながら近年結婚しても、嫁入り道具のひとつとして嫁ぎ先に持っていく方もいるとか。
結婚したら手離すのが本来ですが、嫁入り道具にするのも間違いではありません。
結婚しようとすまいと、もう親を頼らないと本人の覚悟ができたときでいいのではないでしょうか。
ただし、あくまで雛人形は自身の身代わり・お守りなので、結婚してからも持ち続け、そのまま娘が生まれたからとそれを譲渡というのは違うかと思われます。
雛人形とのお別れのタイミングは女性が自立するとき。
ただ、結婚しても必ずしも手放す必要はありません。
大切な思い出の雛人形ならずっと飾っておくのもアリです。
雛人形供養必要?
基本的に開眼供養の「魂入れ」を行ったものを手放す場合、供養が必要と言われています。
そういった観点からみれば、雛人形を手放すときに供養は必要ありません。
ただ、手足のついた人形などをゴミとして捨てるのを日本人は嫌いますね。
ましてや娘の成長を願い、娘の厄を身代わりになってくれた雛人形を粗大ごみに出すのは心苦しいもの。
お守りをお焚き上げするように、きちんと礼をつくして手放したいという方は、後ほど説明しますが、雛人形を供養して処分してくれるところもあります。
供養せずに捨てるか、供養してから捨てるかは個人の判断でかまわないようです。
繰り返しになりますが、供養せずに処分したところでバチが当たるということはありません。
雛人形処分方法
ではいざ雛人形を手放すとき、どうすればいいのでしょうか。
選択肢はいくつかあります。
ゴミとして雛人形を処分する
雛人形は処分する際にとくに供養は必要ありません。
家庭ごみに出せます。
1体の大きさはさほど大きくないので、粗大ごみでなくても普通の可燃ごみにだせますが、金属部などの分別はしたほうがいいでしょう。飾り物も同様です。自治体の分別にしたがって処分してください。
また、ガラスケースなどはお住まいの自治体によって異なりますが、概ね30cmを超えるので粗大ごみになるようです。
そのまま捨てるのは忍びないという場合は自宅で供養できるキットを購入できることもあります。
茨城県の結城諏訪神社は遺骨、違法物以外は概ねのものの供養を受け付けてくれる神社ですが、なかなか送るのが難しいという場合は自宅でてきるキットを送付してくれます。
詳しくはこちらです。
> 結城諏訪神社もの供養キット
雛人形を供養してから処分する
やはり専門のところに供養として出したいという場合、受け付けてくれる寺社などをご紹介します。
費用の相場は3,000~10,000円程度です。
【結城諏訪神社】
供養キットも送ってくれますが、もちろん人形を送れば供養してくれます。
「『もの』に感謝し供養することは、過去を供養することと同じであり、より良い人生を歩むために必要なこと」
という考えの元、人形を大切に供養してくれる神社です。
【長福寿寺】
持ち主の「感謝の気持ち」を大事にし、3ヶ月もの間、真心を込めて読経供養されます。「日本唯一の人形専用の火葬炉」でお焚き上げをしてくれます。
【一般社団法人 日本人形協会】
毎年10月頃の東京大神宮の「人形感謝祭」の供養に送り出してくれます。
申し込みすると専用のキットが送られてくるので、一方的に送りつけず段階をおってください。
電話:0120-25-5942
供養料:5,000円(1箱)
公式サイト:https://www.ningyo-kyokai.or.jp/kuyou/
寄付する
イベントや日本文化に興味ある外国の方などに譲渡する団体があります。
あくまで本来の雛人形の役目というわけでなく、ひとつの工芸品として譲渡するので気軽にできるのではないでしょうか。
【セカンドライフ】
不用品を引き取り、必要な人に寄付する活動している団体です。寄付の見える化をモットーに手放したものがどんな人の手に渡ったのか見える化しています。どうしても節句人形を買えない、日本の人形が欲しいなどといった要望に応え、不要になった人形を寄付する活動を行っている団体です。
問い合わせ、雛人形の寄付はこちらから。
公式サイト:https://www.ehaiki.jp/second/
避けたい雛人形処分方法
所縁のない団体や、企業に寄付することはあっても、できれば身内への譲渡は避けたほうがいいでしょう。
理由は雛人形の役割。
雛人形はその対象者(娘)にふりかかる災いを身代わりになって、厄から守ってくれる役割があります。
つまり、その娘が自立したらその役目を終えたことになります。
役目を終えた雛人形を、そのまた娘や妹などに譲るのは本来の意味ではタブーです。
飾る場所の問題など様々あるかと思いますが、本来避けたほうがよいということだけは認識しておいてください。
また、リサイクルショップやフリマ・オークションでの販売も身代わりとなっていた人形を不用品としてお金にかえるという意味であまり好ましくありません。
雛人形は専門の職人さんが一体一体時間をかけ、丁寧に作り上げた日本が誇れる工芸品です。
どうぞ最後まで丁寧に扱ってあげてくださいね。
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