漆器の手入れ カビや欠けはどうする?

漆器の手入れ

漆の扱い方は基本的に面倒なことはありません。

ただ、漆の産地でトライアルで漆器を使っていただくと、「いったいどう扱えばこうなるの?」というほど傷ついて戻ってきたという話も聞いたことがあります。

食洗機は使えないので普段手洗いしない方は面倒と思えるかもしれませんが、そもそも漆は汚れがつきにくく、落としやすい性質があります。

漆器ってちょっと手が出しにくいと言う方必見!
使えば使うほど良さが出る漆の手入れ法と万一の時の対処法のご紹介です。

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漆器の普段の手入れ

漆器の手入れはぜんぜん難しいことはありません。
ただ、螺鈿や蒔絵といった装飾が施されたものに関しては取扱い説明書などをしっかり確認してください。

漆器の洗い方

漆器を洗う際NGなのが以下。

  • 食器洗浄器の使用
  • 固いスポンジやたわし
  • レンザーや漂白剤の使用

たまに「漆器はガーゼなどで洗いましょう。」などと書かれていますが、そこまですることはありません。

軟らかいスポンジに中性洗剤で洗えばOK。
もしご飯などがこびりついている場合は10~20分水に浸けてから洗います。

堅いものと当たらないように別々に洗ってください。

耐水性の高い漆器ですが、水に付けっぱなしは避けてください。
傷などがあった場合、土台の木が水を含んでしまいカビ発生の原因になります。

洗い終わったらできれば軽く布巾などで拭きとってからしばらく乾燥させるのがおススメ。
拭きとらないまま乾かすと、水道水のカルキ分が白く残ってしまうことがあります。

優しく洗ってしっかり拭く。

漆器の手入れのポイントはこれだけです。

漆器のしまい方

漆器の最も適した手入れは「頻繁につかうこと」。

漆器は乾燥に弱いので、適度に使い水分を与えてあげることが大切。
そのためにも食器棚奥にしまいこむと、出すことが億劫になります。

なるべく取り出しやすいところにしまい、漆器の上に陶磁器などの器を重ねないようにしてください。
傷の原因になります。
ただし日光に当たらないところに置いてください。

漆器は紫外線に弱いため劣化・変色の原因になります。

また、適度な湿気を好む漆器ですが、あまり湿気のたまる場所にしまいっぱなしにしているとカビが発生することがあります。

重箱や蓋付の汁椀などハレの日にしか使わないというものは、半年に一度くらい風を通してください。

漆器を重ねるときは薄紙やガーゼなどを挟むと言われることもありますが、普段使いの漆器においてはその必要はありません。

あまり神経質にならずに気軽に使い、きちんと洗うだけで漆器は驚くほど長持ちします。

漆器の取扱いで気をつけるべきこと

耐水・断熱・抗菌作用の高い、高機能な漆器ですが、弱点もあります。

  • 高温
  • 紫外線
  • 乾燥

沸騰したてのお湯などを漆のお椀などに注ぐと変色する場合がありますので、注意してください。

また、紫外線に弱いので直射日光が当たる場所に置くのもNGです。
お重にご馳走をつめてお花見などで野外に持って行くときも、陽のあたるところは避けてくださいね。

普段使っていれば気にしなくてもいいのですが、しまいっぱなしにしている漆器は乾燥にも注意してください。

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漆器が欠けたら修繕できる?!

漆器は修繕しながら使えばほぼ半永久的に使えます。
もし欠けたらその破片もとっておいておき、修理依頼のときに器と一緒に出してください。

もしかけらのない場合はその欠け具合によって修復方法を提案してくれるようです。

小さい欠けであれば金継ぎのように漆で埋めたり、ヒビであれば布を貼ってその上から漆を塗り重ね、ちょっとしたアクセントのようにするなど、修復法も様々なようです。

漆は乾くまで時間もかかるため、それなりに時間もかかり、修理費も数千円になることもあります。
「そこまでして使いたくない。」という方もいらっしゃるかもしれませんが、それはその漆器に対する思い入れの度合いで決めればいいかもしれません。

本漆の汁椀でも数千円でいいものが買えますからね。
重箱や蓋付の椀汁、盆やお皿など、セットものや元の値段が高いものは修理に出すことをおススメします。

長く使うことによって漆はますます磨きがかかります。
あくまで個人的な見解ですが、安易に買い替えるというのもちょっと残念な気がしますね。

どちらにしても絶対NGなのはヒビ・欠けがあるまま使用を続けること。
この傷口から水が浸入し、土台の木を腐食させたり、カビが発生したりします。

そうなるともう修復は不可能となります。

見た目をきれいにすることはできるかもしれませんが、衛生的にも土台が腐食したものを使い続けることは避けたほうがいいと思います。

漆器にカビが!まずやるべきこと

漆そのものに抗菌作用があるので、カビは生えにくいのですが保存状態によってはカビが発生する場合があります。

カビが発生したら、消毒用アルコールを含ませた柔らかな布で拭きとり、中性洗剤で洗ってください。
黒カビなどは除去が難しい場合があります。
その時は購入した店に相談してみてください。

修理はどこに依頼するか

いざ、修理やカビ取りなど依頼するはときにどこに相談すればいいのでしょうか。
漆の場合、販売元でなくもし製造元がわかるならそこに連絡するのが一番です。

もし分からない場合は購入したお店に相談してみてください。

どちらも分からない、もしくは断られたという場合はネットなどで調べると修理を請け負ってくれるところがあります。

漆器の状態により断られる場合もあるかもしれませんが、諦めずに調べて相談してみてください。
漆の生産者さんは自身の生産した漆器を買ってもらいたいという気持ちはもちろんありますが、日本人がもっと漆器を日常に使って欲しいという願いも同様に強いので、「修理してでも使い続けたい」というあなたの思いを受け入れてくれるところは必ずあります。

漆器は壊れにくく、修復もできるため、長く使えます。
100年かけて固まると言われるほど、使い手の扱い方によってその表情が変わります。

特別な手入れは一切不要!

最低限の手入れでOKですので長く使ってくださいね。

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