汁椀の選び方 漆椀はこれがおススメ

温かいものが恋しくなる季節になりました。

おうち時間が増えた昨今、家での食卓の器、どんなものを使っていますか。

「漆なんてなんか地味に見えて、、、」
と言う方も多いかもしれませんが、これほど食事をキレイに見せる器はありません。

和食だけでなく、最近では洋食を盛る器も多く出回っています。

中でも汁椀は毎日使うもの。
使う幅も意外と広い漆の汁椀の選び方のご紹介です。

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漆の汁椀の特徴

漆の汁椀というとお正月や料亭などで使用される蓋付の美しい蒔絵が施されているものをイメージしがちですが、漆のお椀の種類は意外と種類が多く、普段使いの汁椀もどれにしようか迷うくらいです。

漆の塗り方一つで見え方も全然違いますし、形・大きさもまちまちです。

そこから自分にあった汁椀を見つけるというのはかなり至難の業かもしれません。

なぜ漆?漆の魅力

洋食用のプレートやボウルも最近は人気ですが、定番は何と言ってもお椀。

お椀はなぜ漆の椀が定番なのでしょうか。

陶磁器でお味噌汁を飲んだことのある方は当然おわかりになりますね。

そう、汁椀は基本的には熱いものを入れる器です。
しかも和食は手に持って食べるので熱伝導率の低い木の器が適しているのです。

また、飯椀と違い直接口をつける汁椀にとって、口当たりのよい漆は最適の器とされてきました。

軽くて口当たり良く、手に持っても熱くなくて滑りにくさもあります。
そういった意味でも小さな子どもにとっても安心の器と言えます。

漆の産地の小学校では、小さいころから本物の漆の良さを知ってもらうために給食の汁椀は本漆のものを使用しているところがあるそうです。

お箸もお椀も、直接口に触れるものだからこそ安心なものを使いたいですよね。

漆の汁椀の選び方

漆の汁椀、本漆のものは確かにそれなりに高いですが、毎日使うものと思えばさほどの値段でもないと思います。

選ぶポイントはずばり以下の4つ。

  • 本物であること
  • 手に馴染みやすいもの
  • シンプルなもの
  • 用途

一つずつみていきます。

本物であること

本物と言うのは、漆も土台の素材も両方ということです。

値段の違いは素材と手間。

素材には木をくり抜いたものと木屑を合成樹脂で固めたものがあります。
漆の汁椀はお椀の形に成形された木に、漆を塗っては乾かし、また塗っては乾かすという作業を何度も繰り返します。

漆は最初は木にある程度吸収されるので、耐久性が増しますが、合成樹脂の場合漆を吸収しないため上から塗り重ねるだけになります。

よって合成樹脂の土台の漆器は少しはがれやすくなります。

また、漆も本物でなく化学塗料の場合があります。

値段も安く、場合によっては電子レンジ対応だったりしますが、口当たりは本物の漆とは異なりますね。

漆は自然の接着剤と言われるほど接着力が強く、欠けたりしても補修がききます。
ちょっと高くても、劣化も少なく欠けても補修がきくため半永久的に使えるのも嬉しいですね。

使うほどにツヤの出てくる漆ですが、当然化学塗料の場合はそうはなりません。

手に馴染みやすいもの

漆は一見つるつるしていますが、意外とすべりにくく、しっとりとした質感があります。

それでも漆の塗り方やお椀の形状によっては多少持ちにくいものも。

実際もってみて手にしっくりくる質感・形状のものを選んでください。
高台という底部の立ち上がりの形状も意外と持ちやすさに影響します。

シンプルなもの

蒔絵があったり、最近は色漆などを使って派手なデザインのものもでてきていますが、汁椀はシンプルな方が中身を選びません。

例えば味噌汁のほかにお茶漬けや洋風スープなど、用途を広げるときはシンプルなデザインのモノの方がどれにもあいます。

色は一般的に赤漆は味噌汁用、黒漆はお吸い物用と言われていますがあまり気にしなくてもいいと思います。

用途

メインの用途を決めたほうが使いやすいです。

もちろん普段のお味噌汁用というならそれでもかまいませんが、豚汁やお雑煮など具だくさんの汁ものってどうですか?
もう少し大きめのほうがよかったと思うこともあるはず。

かわいいと買った大きさには注意してください。

ちなみに私は味噌汁用の小ぶりな汁椀と大き目の汁椀、二種類常用しています。

大きめの汁椀では豚汁などのほか、温麺、お茶漬けなどにも使っています。
何かと使える大ぶりの汁椀ですが、さすがに普段の味噌汁には大きすぎますけどね。

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迷ったらこれ!テッパンの汁椀

どれがいいのかわからないし、ちょっと漆器は抵抗あると言う方、初めて使うなら吹き漆の汁椀がおススメです。

吹き漆とは木地の木目を活かし漆を木地に薄く塗り、布でふき取る作業を繰り返す技法。

漆の赤や黒の重厚さはないものの、見た目は美しく傷も目立たないので使いやすさは保証付きです。

木地の木の種類によって色も異なるのでぜひ色々見て選んでくださいね。

漆器は専門店で購入がおススメ

漆器は木地がどういったつくりになっているのか、実際塗りのしあがりはどうかといったことを確認するためにも専門店での購入をおススメします。

実は化学塗料でも最近はあまり見分けることが難しい場合もあります。

実際専門店の方のお話を聞いて、手にとってじっくりみて選んでください。

漆器専門店は東京なら以下のとおり。

日本橋 黒江屋
日本橋に三百年以上店を構える老舗中の老舗。
日常使いの漆器からハレの日用の漆器までバリエーション豊かな品揃い。

住所:中央区日本橋 1-2-6 黒江屋国分ビル2F
電話:03-3272-0948
アクセス:
東京メトロ 銀座・東西線「日本橋駅」出口B9より徒歩1分
東京メトロ 半蔵門線「三越前駅」出口B5より徒歩3分
JR「東京駅」八重洲北口より徒歩8分
営業時間:9:00~18:00
定休日:土曜日・日曜日・祝祭日

輪島キリモト

輪島キリモトは石川県輪島での漆器製造元。
店舗はもっていませんが、日本橋三越などに取扱いがあります。

住所:中央区日本橋室町1-4-1
日本橋三越本店 本館5階 デイリー和食器
電話 :03-3274-8527
営業時間:10:00 – 19:00(三越百貨店の営業に準じます)

山田平安堂

宮内庁御用達の漆器はデザインもモダンで美しい。
直営店は代官山本店ほか、日本橋コレド室町内、GINZA SIX内に取扱いがあります。

本店
住所:渋谷区猿楽町18-12ヒルサイドテラスG
電話:03-3464-5541
営業時間:10:30~19:00(平日)
10:30~18:30(日曜・祝日)

漆は欧米で「japanese」と言われていたことがあるほど日本に馴染み深いものです。
湿度を与えることにより乾くという不思議な性質があり、木でありながらさんずいの漢字が当てられているのも面白いですよね。

手入れは難しくありません。

蒔絵や螺鈿といった装飾がないかぎり、普通の軟らかいスポンジで中性洗剤で洗ってください。
食器洗い洗浄機や電子レンジは使用できませんが、大した手間はかかりません。

食卓にぜひ漆を加えてみてください。

漆器の手入れ法は面倒ではありません。
こちらもぜひご参考ください。
漆器の手入れ カビや欠けはどうする?

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