会津桐下駄履き心地の良い理由

浴衣などに合わせる下駄。
最近は夏、洋服に合わせて履く方も多く見かけるようになりました。

どんな下駄をお持ちですか?
一度履いたらやめられない桐の下駄。

その中でも日本一の桐の産地、福島県会津の桐下駄についてです。

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会津の桐の特徴

福島県の会津は日本一の桐の産地です。
夏は暑く冬は厳しい寒さとなる会津特有の環境が良質の桐を育てます。
そのため、会津の桐は「会津桐」と呼ばれ、一級品扱いされています。

夏が暑く、冬の寒さが厳しい会津は木の成長が遅く、年輪が細かく刻まれると言います。
そのためまっすぐ通った柾目(まさめ)の桐製品ができるそうです。

桐箪笥や下駄、まな板にいたるまで様々な用途で使われる桐。

通気性の良さがあり、防虫効果があるため昔から着物などを収納する桐箪笥は定番でした。
表面が黒ずんできたら削りだしすれば見違えるほどきれいになるので、一生使う方も多いはず。

その他保管箱や米櫃などの食品保存箱など、収納には大変適した素材です。

会津桐の特徴をまとめます。

  • 軽い
  • 防虫効果
  • 湿度を調整する
  • 弾力性がある
  • 水を通しにくい
  • 熱伝導率が低いので一定の温度を保てる

見た目も白くてなめらかで美しいのも特徴かもしれません。

会津桐は1600年頃から植栽されていて、会津地方では女の子が生まれると桐を植える風習があったそうです。

会津桐下駄の魅力

軽くて弾力性もあり、手入れ次第で半永久的に使用できる会津桐製品は様々な製品において昔から愛されています。また木目の美しさにも定評があります。

夏の時期、裸足で履く下駄は、軽くて汗を吸収してくれるので足の裏は常にサラサラ。暑い日も快適です。
また、桐は適度な弾力があるので、桐下駄は歩くときの衝撃を和らげてくれるため疲れにくいのも特徴のひとつです。

そしてなんといっても桐の素朴さがデニムや洋装でも良く合います。

鼻緒次第で表情が変わるので、ある程度履いたら鼻緒を変えるのも楽しいですね。

会津桐下駄は県の伝統的工芸品に指定されています。

会津桐下駄ができるまで

会津下駄ができるまでは驚くほどの期間を要します。

1.木の伐採
伐採は秋から春。葉が落ちて新芽が出るまでに切ります。
木は樹齢30年以上のものを使うそうです。

2.下駄の材料
伐採した木の枝などを落とし、均等の長さの丸太を切りだしていきます。
出来た丸太はその年使わず、丸太の状態のまま1年ほど乾燥させます。

一度乾燥させたあと、あく抜きをし、加工されます。
実際加工できる状態になるまで2年ほどかかります。

3.下駄の土台の原型
乾燥を終えた丸太から下駄が切りだせるくらいの大きさの角材を切りだしていきます。
これを輪積みといって円形に3メートルほどの高さまで積み上げます。
(実際見ると圧巻ですよ)

この状態で屋外に放置。野ざらしです。
雨風にさらし、乾燥をくり返すことであくが抜け、ゆがみなどが出にくくなります。

表面が黒っぽくなると下駄の材料として使えるサインとのこと。

これを削り、下駄の土台を作り出していきます。
ここまでさらに1年ほどかかります。

材料として整ったら後は削りだしていき、下駄の土台になります。

実際ここまで2~3年ほどかかるんですね。
こうしてじっくり乾燥とあく抜きをくり返すことで丈夫な桐下駄ができるのかと思います。

4.仕上げ

土台の表面には「砥粉(とのこ)」と呼ばれる石を細かい粉末状にしたものを塗ります。
これを塗ることにより目止め効果となり、さらに磨くことで独特のツヤがでます。

桐下駄の魅力はその滑らかな質感。
これを出すのも職人の手にかかっています。

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良い桐下駄の見極めかた

桐下駄でもその切りだし方、土台の桐の年輪などによってその価値が変わってきます。

特に枡目と言われる丸太の中心にむかって切り出される下駄は年輪一本いくら、といわれるほど年輪が細かく等間隔に本数も多く入っているものが価値があるとされています。

この下駄は左右合わせると木目がピッタリと合い、「合目(あいめ)」と呼ばれています。この合目は桐下駄も特に高級とされているそうです。

下駄の形状は色々ありますが、そこはお好みで選んでいいと思います。
どれが良いとかはありませんが、安いもので歯が木の板に接着されているものがあります。
これは当然強度がなく、歯が折れやすいので注意してください。

しっかりしたものは一つの木の角材から切り出しているので、歯と土台のつなぎ目がありません。

ちなみに下駄はかかとが1~2cm出るくらいが粋とされています。
ご参考まで。

桐下駄の手入れ法

毎回でなくてもいいですが、夏場けっこう汗をかいたなと思ったら帰宅後硬く絞った布で拭き、陰干しします。
拭かずにそのままにしておくとだんだんと足跡の汚れがついてきて、これが意外と落ちません。

乾かすときは直射日光は避けてください。

少し黒ずみがきになってきたら240番くらいの紙やすりで軽く擦ります。

焼き下駄や塗りの場合はやすりは厳禁。
硬く絞った布で拭き、やはり直射日光を避けて干してください。

あまり湿気のたまるところにしまいっぱなしにするとカビが発生してくるので要注意です。

濡れた場合は乾いた布でよく水分を吸い取り、日光をさけてよく乾かしてください。
汚れた場合は硬く絞った布で拭きます。

白木の下駄は特に水に弱いので、なるべく濡らさないようにしてください。

会津桐下駄は見た目の美しさだけでなくその弾力性による疲れにくさ、さらに冬は暖かさがあり、夏は裸足で履くとサラッと快適。
一度履くとやめられなくなります。

ぜひお試しください。

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