石のお皿って使ったことありますか?
今日ご紹介したいのが、雄勝硯(おがつすずり)の石皿。
硯ってあの書道で墨をするときに使う硯?
そうです!
同じ材料で作った食器が、最近ではグッドデザイン賞を受賞したものもあるほど美しく、また食材をひきたたせるのです。
贈りものとしても、自宅用としてもおススメのイッピン。
その使い勝手とは。
雄勝硯の皿とは?
宮城県石巻市の国指定伝統工芸品でもある雄勝硯(おがつすずり)。
玄昌石(げんしょうせき)という宮城県石巻で採取される硯の原料となる石から作られます。
この石から作られた石器(?)がモダンで美しくけっこう普段使いできるんです。
雄勝硯の歴史は古く、室町時代から生産され、かつては日本製の硯の90%のシェアに栄えたそうです。
600年以上にわたり作られてきた硯の生産地も、2011年3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けました。
しかしながらその伝統はこうした生活に取り入れる製品として、生まれ変わり復興の歩みを確実にすすめています。
被災復興のための製品
硯作り中心で長年やってきた雄勝ですが、東日本大震災で資料館、職人さんの工房、製品の倉庫すべて津波に流されてしまいました。
当然硯職人さんも被災され、これを機に硯作りを辞めた方もいらっしゃると聞いています。
そこで立ち上がったのが雄勝硯生産販売協同組合。
この硯の原石を利用しててテーブルウエアの商品企画にふみきりました。
重厚な風合いに加え、石ならではの保温効果の高さから、冷たいものはいつまでも冷たく、温かいものは冷めにくい器ができました。
今では県外の食器メーカーも生産に加わり、グッドデザイン受賞を取ったものもあります。
和食・洋食・スイーツから水菓子まで用途が広いのも人気の理由のひとつです。
雄勝硯の石プレートの使い勝手
オードブルやスイーツはもちろん「映え」るので、家でのちょっとした集まりなどでは重宝します。
そんなホームパーティなどしないというご家庭でも、日常的にけっこう使えるんです。
【刺身皿として】
お皿を予め冷蔵庫に入れ、お皿を冷やしておけば、刺身の鮮度も長持ちします。
ツマも映えるプレートですね。
18センチ以上の角皿が適しています。
【スイーツ皿として】
黒のシンプルなお皿なら彩キレイなスイーツを盛ってもとても映えますね。
丸皿や10センチくらいの角皿が適しています。
【パン皿として】
トーストをオーブンから出して温かいお皿の上に盛ると、余分な水分が抜けて表面がさくっとするため美味しくなるんだそうです。
雄勝硯の皿はレンジには対応していませんが、熱伝導がいいのでお湯をかけるでも温まります。
沸騰したお湯をかけると水切れもよく、パンをすぐに載せられます。
器全体温まるので火傷に注意してください。
【フルーツの盛り合わせに】
冷やしたお皿に、2~3種類の果物を盛りつけるとほどよい冷たさの果物がいただけます。
メリットとデメリット
ここで、雄勝硯の皿のメリットとデメリットをまとめてみます。
・デザインがシンプルなため料理が映える
・保温性が高い
・破損したら修理がきく
・食洗機が使える
・重い
・電子レンジが使えない
私は陶器が大好きなので普段も使っています。
陶器は磁器に比べると重いので、多少の食器の重さには慣れています。
それでもやはりこの雄勝硯の石皿は重いと感じますね。
面倒なメンテナンスも要りません。
最近は雄勝硯生産販売協同組合以外でも様々なメーカーから販売されています。
プレートの裏側はメーカーによって異なりますが、大抵テーブルが傷つかないような加工が施されています。
東日本大震災で津波被害を受けた雄勝地区
雄勝硯の皿をご紹介するにあたり、どうしても伝えたいことがあり、後記させていただきます。
雄勝硯は硯だけでなく、屋根の瓦などにも使用されています。
震災当時、東京では「東京駅」の丸ノ内駅舎修復工事が行われていて、その屋根には天然スレートを使う計画でした。
既存の屋根のスレートをできるだけ再利用し、そのほかは雄勝の石(玄昌石)が使われる予定でした。
半分くらいが東京へ納品されたころ、震災がおこり、保管していた倉庫も流されました。
それでも業者、関係者は必至にがれき、土砂の中から回収をし、なんとか東京駅の改修は成功できたという話があります。
ある意味復興への願いのシンボルとも言えそうです。
雄勝の硯は今でも作られています。
津波によって失ったものも多くありますが、これからも職人の手で確実に伝統の技がこれからも受け継がれていくとともに一日も早い完全復興を願っています。
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