最近、その見た目の良さと年月が経つとともに味わい深まる竹素材のアイテムが人気。
竹で作るかごやざるは夏は特に涼しげで、通気性がよいため様々な用途に使えます。
いざ買おうと思ったら「意外と高い?」
そう思う方も多いはず。
その理由や竹ざる・竹かごの使い方と選び方のご紹介です。
竹ざる・竹かごがおススメの理由
近年、アジア雑貨店に並ぶかごなどの収納アイテム。
安価でおしゃれなものも多いので、ついつい買ってしまう方も多いのでは。
でも、衛生面からみたら日本製の竹製品が断然おススメ。
竹そのものに抗菌作用があるだけでなく、水はけよく、通気性に富んだ利点も。
さらに国産は余計な薬品など使用していません。
日本では昔からその道の職人さんがいます。
「竹工品」は日本の伝統工芸品でもあり、今もその技術が継承されているんです。
竹で作られる工芸品は数多くありますが、一番身近なのはなんといってもざるやかごといったもの。
安い竹ざる・竹かごと高い竹ざるの違いとは
近年、100均ショップでも手に入る竹ザルやかごですが、職人さんがつくる竹ざるやかごは数千円します。
しっかりした籠になるとさらに桁が増えます。
なぜそんなに値段に違いがあるのでしょうか。
素材の下処理から仕上げの美しさまでのこだわり
竹ざるや竹かごの編み方は実にさまざまで、その網目は幾何学的な美しさになります。
また、竹そのもののこだわりもあり、長く使えます。
安いものは竹そのものが早く育った節のないものだったりするため、耐久性がありません。
竹ざるの製造工程をみても、実際編む前の下準備に時間をかけていることがわかります。
以下は竹ざる・竹かご生産日本一の大分の別府竹細工製造工程です。
1.伐採・油抜き
伐採する竹は3年から4年たったものを選ぶといいます。
それを苛性ソーダを入れた水に浸し、煮沸し油分を抜きます。
2.天日乾燥
煮沸した竹を天日乾燥します。
これを「晒竹(さらしだけ)」といって、ほとんどはこの状態の竹を職人さんは購入します。
3.切断加工・荒割り
必要な長さに切断し、節をなめらかにします。
そしてここから実際編む太さになるまで縦に裂いていきます。
すべて均等の太さになるように竹を割っていく作業ですが、この作業だけで習得するまで3年かかるといわれているそうです。
4.剥ぎ
「荒剥ぎ」→「小割り」→「薄剥ぎ」と徐々に薄くしていきます。
5.竹ひご作り
厚みを均等に、製品にあった薄さの竹ひごを作っていきます。
1本1本面取りするなど、その表面の仕上げもここで行います。
ここまでが製品を制作する前の準備段階。
6.編み工程
底から順に編んでいきます。
別府竹細工の基本の編み方は四つ目編み・六つ目編み・八つ目編み・網代編み・ござ目編み・松葉編み・菊底編み・輪弧編みの8つ。
その組みあわせなどで様々なデザインの製品が作られます。
7.塗装
塗装しないモノもありますが、塗装するのは染料や漆で塗装します。
その工程をみると、値段の高さも納得と思いませんか。
海外生産のモノはここまでの工程はふみません。
手作業も少ないため、コストも安くなりますが、耐久性には欠けます。
竹ざる・竹かごのいろいろな使い方
形状や編み方によって竹ざるや竹かごは色々な用途に使えます。
意外と幅の広い使い方のご紹介です。
竹ざるをワンプレート皿として
ペーパーを敷いたり、小皿や小鉢をうまく活用すればワンプレート用の皿に。涼しげなので、特に夏にはぴったり。
おにぎりなど並べるだけでも映えますよね。
ただし油分を吸ってしまうので、天ぷらなど揚げものを盛るときは懐紙や紙ナプキンなど油を吸ってくれるものを一枚敷いてください。
竹ざるをパン皿として
焼きたてやトーストなどは湿気でべたっとなりがちです。
ざるに盛れば余分な水分が逃げるので美味しくいただけます。
竹かごを野菜ストックとして
竹ざる・竹かごは風通しの良いので野菜などの保存にも適しています。
常温で保存する野菜をまとめていれるのもいいですね。
水切りかごとして
水切りかごとして竹ざるや竹かごを利用している方もいます。
私は一旦ステンレス製の水切りかごである程度の水を切り、その後かごに移します。
理由はかごを長持ちさせたいのと水切りかごでは不十分な器の乾燥を竹かごでするためです。
水切りかごから取り出した器はまだ水分を含んでいるのでそれをいくら表面的にふきんでふいてもまだ湿気がとりきれません。
食器棚でのカビ発生の原因にもなるため、二段階乾燥を行っています。
一時的な小物収納
竹ざるや竹かごはキッチンツールとしてだけではありません。
ソファなどの横に読みかけの雑誌や新聞、テレビのリモコンなどすぐ使うけどばらばらと置きなくないものをまとめるにも使えます。
インテリアとしても野暮ったくならないのがうれしいですね。
竹ざる・竹かごの選び方
選び方といっても用途にあわせてその形状や大きさを見極めればいいと思いますが、目安になる点だけ。
お菓子や丸ざるでいえば、おにぎりなどを盛り付けるにはには、19センチくらい(6寸)がちょうどよさそうです。
また、蕎麦やワンプレートなどの料理の盛り付けには、21センチ(7寸)、23センチ(8寸)程度。29センチ(9寸)以上のものは、野菜を干したり、お鍋の具材を並べるのに適しています。
野菜を干したり梅干しを作るときに便利なのは「盆ざる」。底がカーブになっていなく、縁だけ少したちあがりがあるものです。
米とぎざるは米を洗う時用のざるで、米をこわさず効率よく洗えるのが特徴。
水切りかごとして使うなら便利な足つきのものがおすすめです。
足つきのものは、野菜を洗ったあとの水切り用などにも使えます。
様々な網目
網目により、通気性や水切れが異なってきます。
好みと用途で選んでください。
【ござ目編み】
丸ざるなど一般的なざるの編み方。
目が細かいので、水だけを切りたいときなどにはこの網目がてきしています。
しっかり隙間なく編まれているので、強度があります。
ただ、目がつまっている分、湿気をそのままにしておくとカビが発生しますので注意してください。
【四つ目編み】
竹細工では基本的な編み方ですが、丈夫で見た目も美しいですね。
籠などに多く用いられている技法です。
【六つ目編み】
隙間がしっかり見えるので、野菜の保存などにいいですね。
一見華奢に見えますが、見た目よりかなり頑丈だそうです。
負荷のかかりやすい竹かごなどにもよく使われるとか。
【八つ目編み】
おしゃれなので、小物入れの籠やかごバッグなどによく用いられる編み方。
編み方ひとつで見え方も全然違います。
おススメは作りも素材も安心の日本制。
伝統工芸に指定されている産地は限られていますが、日本全国で制作されています。
竹ざるや竹かごは使い方次第で生活のあらゆる場面で利用できます。
壊れやすい安いものでなく、長く使える品質のよい見た目に美しいものを選んでくださいね。
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