日本の包丁が海外でも人気で、今お土産で購入する方も多いとか。
その額数万は当たりまえ。
日本は元々刀を作っていただけあり、刃物生産の技術は世界でもトップクラス。
でも実際どんな包丁を選べばいいのでしょうか。
日本人として知っておきたい包丁の選び方。
包丁の選び方
最近では100円均一でも販売されている包丁。
一方1本数万する包丁もあります。
種類も多く、一体どれが一番いいのか迷います。
ズバリ、一番の包丁選びのポイントは自分の生活に合わせること。
高い包丁を購入しても使いこなせなかったら無駄になるだけです。
包丁を使う頻度・切る素材・体格など自分にあったものを選びます。
では詳細ポイントを抑えておきましょう。
包丁の種類を知る
包丁はプロ仕様も入れるとその種類は数十でおさまらないかもしれません。
一般家庭で使われるのは三徳包丁か、牛刀包丁、出刃包丁など。
当然それぞれ一長一短特徴があります。
まずはその特徴を理解して自分の用途に合う種類を選ぶことが包丁選びに失敗しないコツです。
今回家庭で使われる包丁を4種ピックアップします。
【三徳包丁】
一般家庭に一番使われている包丁。
食材を選ばない、いわば万能包丁(文化包丁ともいいます)。
牛刀包丁に菜切包丁の特徴を加え、日本の家庭に使いやすいようにした包丁と言われています。
刃渡りはおよそ 15~18cmくらいのものが一般的です。
刃の素材はステンレスが多く、柄の部分は木や刃と一体型のものなどがあります。
【牛刀包丁】
刺身や大きい肉を切り分けるときに適しています。
刃渡りは 18~24cmくらいのものが多いですが、長いものは30cmくらいのものもあります。
プロの料理人にもよく使われる、機能性の高い包丁。
もちろん、野菜など食材は選びません。
ただ刃渡りが長く、カーブがほとんどないため、慣れないとなかなか難しい場合もあります。
【ペティナイフ】
果物や野菜の皮むきなどちょっとしたものをカットするのに適した小ぶりの包丁。
刃渡りは13cmくらいが一般的。
小回りがきくので少量の食材を切るにも適しています。
一人暮らしならこれ一本でも事足りますが、丸ごとキャベツやかぼちゃを切るのは難しいので自身の食生活に合わせて選んでください。
【出刃包丁】
魚をさばくときに使う包丁です。
魚を自宅でさばく方はおススメ。
3枚におろすのも、骨を切るのも楽です。
他、日本には驚くほど包丁の種類がありますが、メインは上記のものかと思います。
三徳包丁と牛刀の違いは、野菜などはやはり三徳包丁の方が使いやすく、牛刀は魚や肉をカットするのが得意とされています。
ただ、牛刀のほうが何を切るにも使いやすいという方もいるそうなので、まずは購入時できれば実際手にしてみることをおススメします。
メンテナンスの違い
どんないい包丁もやはりメンテナンスは必要です。
刃こぼれしない包丁はないですね。
そうなると自宅でカンタンにシャープナーなどで砥げるのはステンレス。
もし砥石などで砥げるのであれば鋼(はがね)がおススメです。
切れ味でいえば鋼が一番。
ただ鋼は錆びやすいため、たまには専門店にメンテナンスに出したほうがいいと言われています。
最近はそれらの素材を合わせたものがあり、切れ味・メンテナンスの良さ両方を兼ね備えたものも。
ただし若干値段は高めです。
三徳包丁でセラミック製もありますが、子供なども安心して使えますが、基本メンテナンスはダイヤモンド砥石でしか砥げません。刃が薄い分、刃が欠けやすいのが難点です。
産地による包丁の違い
日本三大刃物の産地。
「大阪府堺市」「新潟県三条市」「岐阜県関市」。
新潟県の三条は近年様々な工業製品において躍進し、ニッパー型爪切りなどはブランドとして確立されてきていますね。
包丁の生産方法には昔ながらの職人による「打刃物」と機械生産とがあります。
大阪堺ではいまだ打刃物が主流。打刃物で作られるのは和包丁がメインです。和包丁は柳刃包丁や薄刃包丁、出刃包丁など。
さらに片刃と言われる片方の側面のみ斜度がついている形状は江戸時代、堺で考案されたと言われています。
それ以降、今でも片刃の包丁がほとんどです。
切ったとき、食材の刃離れがよいのも特徴。
打刃物は鋼(はがね)を素材としているので刃物自体が固く、長持ちします。
近年工業製品で注目を集めている新潟の三条の刃物は、「越後三条打刃物(えちごさんじょううちはもの)」と呼ばれています。
工業製品が人気の三条ですが、包丁は昔ながらの技法、金属を叩いて作る打刃物が主流。
いわゆる鍛冶屋の技法です。
部位によって形状や材質を変化させる、高度な技術によって作られる三条の包丁は切れ味もよく扱いやすい高品質と定評があります。
そして岐阜県の関市。
日本三大刃物の産地でもあり、なんとドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェリンガムと並び「世界三大刃物産地」とも言われています。
芯が強く、とにかくよく切れると定評の関の包丁。
分業体制で10以上の工程をそれぞれの職人が担っているのも関の特徴。
それぞれの技術に卓越した職人が分業によりひとつの包丁を作り上げているということです。
芯は鋼で固く、表面は錆びに強いステンレスを使用するなど、合成による技術も際立っているので一般的に使いやすい高品質な包丁といえます。
もちろん、産地だけは優劣つけられませんし、刃物産地以外で作られた包丁でも品質の良いものは数多く出ています。
産地の刃物はひとつの基準と捉えていただけばと思います。
包丁のチェックポイント
チェックポイントは以下です。
- 切れ味
- 耐久性
- 握りやすさ・重さ
実際購入時に食材を切ることは難しいですが、素材をチェック。
複合素材のものは固いため切れ味がいいと考えられます。
また、なんといっても握りやすいかどうかは重要ポイントです。
最近はパッケージに入って販売されているので、なかなか自分の手になじむのかどうか確認がしにくいのですが、専門店などでは実際握らせてくれます。
また、柄が木の場合刃の付け根がどのくらいしっかり固定されているか、確認してください。
ここの安定感が切れ味に差がでます。
刃渡りの長さも実際店頭で持ったときに一番使いやすいのが分ると思います。
長すぎると扱いにくくなりますし、短すぎると切りにくい場合も。
重さは150g前後が扱いやすいとされていますが、これも実際持った感覚で判断すればいいでしょう。
ちなみに軽すぎるとその分切るときの力も必要となります。
あとはメンテナンスはどうすればいいのか、専門店なら確認できます。
毎日使うものなので、デザインやブランドだけで選ばず、色々店員さんに相談しながら選ぶのが、包丁選びに失敗しないコツです。
切れ味が違うと食材の味まで変わると言われる包丁。
じっくり選んでくださいね。
こちらも合わせてご参考ください。
> 切れ味保つ包丁のお手入れ方法
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