「番茶」というのは聞いたことあるけど、実際どういったお茶か意外と知らないのではないでしょうか。
ほうじ茶のことを指す地域もありますが、正確には違います。
そしてこの番茶、近年身体にうれしい効能があるとか。
ぜひとも今年、美味しい番茶を飲んでみたくなりますよ。
夏を過ぎてから楽しめる番茶についての話です。
番茶とは
番茶の定義は一般的にはその年最後に摘んだお茶を指しますが、地方によって異なります。
1. その年最初に摘む一番茶を摘んだ後の遅れ芽を摘んだもの。
2. 三番茶を摘採せずに芽を伸ばし、秋に入ってから摘んだもの。
3. 仕上げのときに大きい葉を選別し切断せずに製品化したもの。
4. 地元消費用として古くから主な生産地とは別に生産され、特別な製法で作られたもの。
摘採期も地域それぞれに異なりますが、「番茶」は「晩茶」からきているとも言われ、いずれにしてもその年の遅い時期に摘んだお茶という意味合いで、下級煎茶一般を指します。
一部はほうじ茶のことを番茶と呼ぶ地域もあります。
地域によってはブランド化しているものもあり、主な番茶は以下の通り。
京番茶
京番茶は大き目の硬い葉をそのまま蒸して乾燥させ、炒ったものです。
緑茶というよりほうじ茶ですね。
香ばしい香りが人気の番茶です。
美作番茶(みまさかばんちゃ)
岡山県で作られる番茶です。
室町時代から作られているお茶で、すっきりと少し甘いお茶。
夏に摘採した葉を鉄鍋で熱し天日干しし、さらに鉄鍋で煮出した煮汁をかけ干した茶葉を焙煎するといった変わった製法で作られた番茶です。焙煎するのでどちらかというとほうじ茶と言っていいかもしれません。
製法は変わっていますが、すっきりとしたくせのない味。
阿波晩茶
その名の通り、徳島に昔から伝わる番茶。
成長した茶葉のみを使用し、重石を乗せて14~30日程度発酵させて作ります。
親子番茶
奈良県産地の番茶。
新茶の残った芽と熟成した親芽を一緒に刈り取って加工したお茶で渋みが少ない番茶。
三年番茶
宮崎県に伝わる、三年以上熟成させたお茶。
じっくり焙煎させるので香ばしく、一方で甘味も十分あるお茶です。
ちなみに北海道、東北、北陸地方は緑茶を焙煎したほうじ茶を一般的に番茶と呼びます。
番茶の身体にうれしい効能
番茶はある程度育った茶葉から作られるため、カテキン、旨味などは一番茶(新茶)と比較すると含有量は少ないです。
ですが、番茶ならではの成分があるのです。
それは「ポリサッカライド」という成分。
ポリサッカライドはこんな身体にうれしい効能が期待できます。
- 血糖値の上昇を抑える
- 体脂肪が燃焼促進
- 疲労回復の効果
インスリンと同じような働きをするため、急激な血糖値の上昇を抑えられるとのことです。
食事と一緒に飲むと効果的ですね。
また、ポリサッカライドを構成するリボースという成分が体内に吸収され筋肉にも効き目が。
運動の後に飲むと疲労回復できます。
カフェインは普通の煎茶より少ないので、お子さんや妊婦さんも安心して飲めます。
番茶の美味しい淹れ方
水だしでも煮出しでも美味しく淹れられる番茶ですが、番茶特有のポリサッカライドは熱に弱いので水出しがおススメです。
【水出し】
ピッチャーに水1リットルにつき、茶葉を15~20g(スプーン約5杯分)を入れ冷蔵庫に入れるだけ。
抽出時間は3~6時間ほど。
【煮出し】
煮出しの場合はやかんにお湯1.8Lを沸かし、そこに茶葉15gくらいを入れ15分ほど弱火で煮出します。
茶こしで茶葉をこしてピッチャーに移し、冷蔵庫で冷やします。
もちろん熱いままでも美味しくいただけます。
【急須】
大体1人前につき茶葉4g程度。80度くらいのお湯と茶葉を急須に入れ、蓋を閉め2~3分蒸らしてから湯呑に注いでください。
番茶は緑茶とは若干成分も異なり身体を温める効果もあるので、秋から冬ほっこりおうちでのお茶時間におススメですよ。
秋のお茶、こちらもぜひご参考ください。
番茶の美味しい飲み方
そのまま飲んでも美味しい番茶ですが、アレンジしても美味しくいただけます。
寒くなる季節、ぜひおうちでのティータイムを楽しんでください。
梅醤番茶(ばいしょうばんちゃ)
カンタンで美味しくいただけます。
【材料】
番茶 200cc
醤油 小さじ1
梅干し 1個
生姜絞り汁 小さじ1
黒糖や蜂蜜 適量(好みで)
【作り方】
1. 種を取った梅干しをカップに入れ少しつぶし、醤油、生姜汁を入れてよく混ぜ合わせます。
2. 1に番茶を注ぎ、かき混ぜます。
すごいカンタンですね。
身体も温まるのでぜひ試してみてください。
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