秋摘み茶と口切り茶の特徴

秋摘み茶と蔵出し茶

「秋摘み茶」って聞いたことがありますか?
「秋番茶」とも呼ばれる、秋に摘まれるお茶です。

「春の新茶の方が美味しいのでは?」
と思いますか?

これが春のお茶とは栄養素も味もまったく違い、独特の楽しみ方があるんです。

秋のお茶のお話です。

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秋摘茶と口切り茶の違い

秋のお茶には2種あります。

秋に収穫する「秋摘茶」(秋番茶と言われます)と春に摘んだお茶を熟成させた「秋の壺出し茶」です。
「蔵出し茶」「口切り茶」などとも言われます。

秋摘みのお茶は希少価値がある?

一番茶は4月~5月の間に摘まれ、そのあと6月~7月に摘まれるお茶を二番茶、夏の間に摘まれるお茶を三番茶と言います。

四番茶は秋番茶、秋冬番茶とよばれ、9月下旬~10月に摘まれます。

秋摘み茶と言われるのはこの四番茶。一年で一番最後に摘まれるお茶です。

この四番茶、収穫量が少ないため市場に出回る量も少ないのです。
知らない方も多いかもしれませんね。

家康も愛した口切り茶

「蔵出し茶」「口切り茶」ともよばれる秋のお茶は春に摘んだお茶を壺などに入れ、低温で熟成させたもの。
発酵させるわけでなく、低温で寝かすのです。

これは春の新茶より角がとれ、マイルドな味が楽しめます。

徳川家康もこの秋茶を愛飲していたと言われています。

茶の湯では11月が新年とされます。
新年の茶事では、春の新茶を入れた茶壷の口の和紙を切り開き、取り出した茶葉を石臼で挽きます。
挽きたての茶葉と昨年の茶葉を混ぜてお茶を点てるのですが、これが「口切りの茶事」です。

希少な秋摘みか、熟成させた蔵出しか、好みは分かれるところですが、ぜひ味比べしてみてください。

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秋摘み茶は春のお茶と何が違う?秋茶の特徴

夏の日差しをたっぷり浴びた秋摘み茶はカテキンやカフェインが豊富に含まれています。
葉は春茶に比べると若干固め、さっぱりとしていながら、渋味もしっかりしています。

カテキンは余分な活性酸素を除去してくれる働きもあるので、夏の紫外線を浴びた身体には嬉しいですね。
生活習慣病の予防やアンチエイジングを強力にサポートしてくれます。
そのほか、カテキンは心筋梗塞やコレステロールにも効くと言われています。

さっぱりとした味わいの中に、しっかりとした渋味のある秋摘み茶は「深蒸し茶」がおススメ。

深蒸し茶とは、お茶を作る工程で40秒から1分ほど蒸すのですが、深蒸し茶はさらに長い2分ほどの時間蒸します。
これにより、コクがでてきます。

お茶を作る工程により深蒸し茶は茶葉の先端や、端の柔らかく味の濃い部分がちぎれて細かくなり、小さく丸まってきます。

ただ、お湯に旨みが抽出されやすく、また粉状になるものも多いため、茶葉に本来含まれるビタミンEやAも摂取できます。

お茶好きにはファンも多い深蒸し茶。
秋摘み茶でぜひ飲んでみてください。

秋のお茶の美味しい淹れ方

秋摘み茶でも、蔵出し茶でも基本春のお茶の淹れ方と同じです。

沸騰してから70~80℃くらいまでに冷ましてから淹れてください。

ただ、蔵出し茶の方が少し熱めのお湯の方が香りも立つそうです。

また、涼しくなるころですが、茶葉が固めなので冷水で淹れるとさっぱりとした旨みのお茶になります。
冷水で淹れると血糖値を下げる効果のある、ポリサッカライドという成分が多く摂取できます。

秋番茶に多く含まれる成分で、冷水で淹れると特に効率的に取れるそうです。

緑茶は冷水で淹れると本当に美味しいです。
まだやったことがないという方、自信持っておススメしますので、ぜひ一度お試しください!

秋摘み茶の楽しみ方

希少な秋摘み茶。
いつものお茶と飲み比べすると、その違いがはっきり分かると思います。

夏前に収穫されたお茶は香りも甘味も強いですが、多少青臭い強さもあります。

春の一番茶、二番茶と比較すると、夏の日差しを浴びた秋摘み茶は確実に味が変わっています。

夏の暑さに疲れた身体を癒すために、秋のひととき、本を読みながら一服のお茶を楽しむ時間もいいですね。

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