一言に「緑茶」と言ってもその種類は多く、店頭には様々な種類がズラリと並んでいますね。
どの種類を見て、すぐにどんなお茶か分かりますか?
よほどお茶好きでないと、なかなか区別つきにくいですよね。
今回は「深蒸し茶」の特徴についてです。
深蒸し茶の製法と特徴
近年「深蒸し茶」は健康面でも注目されているようです。
では普通の煎茶と何が違うのか?
まずはその違いから。
深蒸し茶と普通の煎茶の違い
摘まれた茶葉は一度蒸されます。
この工程で、普通の煎茶は30~40秒に対し、深蒸し・上蒸しは40~120秒蒸します。
「深蒸し」とはこの工程から名付けられています。
普通の煎茶よりコクがあり、まろやか。
普通煎茶より緑色も濃いです。濁ったように見えますが、これが深蒸し茶の特徴。
一見渋そうに見えますが、コクと同時に強い甘味もあります。
そのため、来客用に使う人も多いですね。
蒸し時間が長い分、茶葉は均一でなく、ちょっと粉っぽいのですが、
お湯に成分が溶け出しやすく抽出時間も短くても美味しく淹れられるので初心者でも安心の茶葉です。
産地と歴史
1970年代に静岡県の牧之原台地で作られたのが始まりと言われています。
かなり最近ですね。
今や全国で作られていますが、やはり静岡が一番生産量が多いようです。
牧之原台地は徳川慶喜が隠居した際の警備役「新番組」の武士たちにより茶畑の開拓が行われたという歴史があります。
当時荒れ地だった牧之原台地。今や「牧之原茶」というくらいのブランドに発展しました。
深蒸し茶の美味しい淹れ方
深蒸し茶は茶葉が細かく、粉状になっている部分もあります。その分、含有成分が溶け出しやすいので浸出時間は短めでOKです。
【淹れ方】(1人分)
茶葉2g お湯70ml 温度80℃
1. 沸騰させたお湯を予め湯のみに入れる。(湯ざましに注いでもOK)
2. 茶葉を急須に入れ、1のお湯を注ぐ。
3. 30秒蒸らし、湯のみ注ぎ、最後の一滴まで注ぐ。
その際、40秒くらいまで抽出時間をのばしてください。
また、深蒸し茶は水出しも甘さが際立って美味しくいただけます。
【水出しの場合】
水1リットルに対して茶葉を10~15g。
お茶パックに茶葉を入れ、水を入れたポットにポン。
冷蔵庫で一晩おきます。
お茶の水出しは冷たい水からのほうが美味しくなりますよ。
抽出時間が短く、比較的誰でも美味しく淹れられると言われている深蒸し茶。
自分の好みの温度と抽出時間を見つけ出してください。
淹れた後、茶葉は湿気が入らないよう密閉缶などで保存してくださいね。
深蒸し茶の注目される効能
最近、メディアでも注目の深蒸し茶。
これは静岡県掛川でがんの死亡率が全国的にも低いことから研究されたことがきっかけです。
この地区で主に飲まれているのが深蒸し茶。
緑茶の健康パワーは様々な観点から紹介されていて、今や外国にまでその人気が広まっています。
緑茶にはカテキンというポリフェノールのほか、アミノ酸や食物繊維・ビタミン・ミネラルなどが豊富なのですが、そのほとんどが茶葉に残ってしまっているのです。
茶葉が細く一部粉状になっている深蒸し茶は、本来茶葉に残ってしまうミネラルやビタミンE、βカロテンなどがそのまま摂取できるため、煎茶より健康パワーが強いとも言われています。
βカロテンは抗酸化作用があり、ビタミンEは血行促進や免疫機能の改善、クロロフィルは腸内環境の改善に期待できるとか。
深蒸し茶はまさに生活習慣病予防にも期待できそうですね。
深蒸し茶は濁っているので、少々見た目は良くないのですが、その味と健康効果はお墨付き。
湯のみの底にたまった粉の茶葉は栄養のかたまりなので、すべていただいてください。
普通の煎茶より割高ですが、健康のためにも日常に取り入れたいお茶ですね。
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