今、海外では日本茶ブーム。
お茶会なども参加する方も多いそうです。
自分も一度は参加してみたいけど、着物でないとダメ?
NGな服装ってあるの?
結論から申し上げると着物でなくても問題ありません。
ただし、そこはマナーもあります。
お茶会に参加したいけど、何を着て行ったらいいのか分らないという方、マナーなんてなんにも知らないという方。
日本人なら知っておきたいお茶会のマナーについて。
参加するお茶会をチェック
お茶会というとちょっと格式ばったイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、意外とカジュアルなイベント感覚で様々なところで開催されています。
一方でもちろん各流派通例のお茶会や記念茶会など、少し格式高い茶会など形式は様々。
当然服装の幅も変わってきます。
カジュアルな茶会はさほどマナーも重視されませんが、ある程度格式あるものは当然最低限のマナーが問われます。
まったく初心者という方は、招待された茶会がどういったものなのかまずは誘っていただいた方に確認しましょう。
そのとき、持ち物や服装なども聞いておくと安心です。
イベントで行われる呈茶などはもちろんカジュアルでOK。
寺院やミュージアムなどでもたまに行われますが、そこはちょっと注意が必要です。
もし、決められた招待制の茶会なら服装は気を付けてください。
誰でも参加OKなら、普段着でもOKです。
ですが、茶室での裸足はタブーなので、カジュアルOKといってもそこは気を付けてください。
女性のストッキングも裸足同様とみなされますので、かならず白い靴下を持っていき、茶室ではかならず履くようにしてください。
お茶会の服装
基本的お茶会の服装マナーをおさえておきます。
着物であってもなんでもいいわけではないですのでポイントは抑えておいてください。
着物の場合
着物なら間違いないと思われがちですが、やはりそこはお茶会の格に合わせて着物も変わってきます。
【女性の場合】
流派による月ぎめの茶会、月釜や初釜などは当然格式が高いので、着物は訪問着または付け下げが基本です。帯も織の袋帯で二重太鼓。未婚の方なら振袖などもOKです。
大寄せの茶会などならもう少しカジュアルでも大丈夫です。
一つ紋付きの色無地や同じく一つ紋付きの江戸小紋(三役)など。できれば袋帯で二重太鼓が望ましいですが格の高い名古屋帯で一重太鼓でもOKです。
稽古場の茶会などなら小紋でも問題ありません。
帯留めや根付は茶碗に当たる可能性があるので、茶会では避けます。
【男性の場合】
男性の場合はどんなにカジュアルなお茶会でも必ず袴が基本です。
長襦袢も必ず着用してください。
お召に仙台平の袴や茶袴が理想的ですが、簡単なお茶会やお稽古の際には、紬でもかまいません。
ただし男女とも半襟と足袋は白。
足袋は茶室に入る前に履き替えるか、足袋カバーを履いておいて茶室に入る前に脱ぐかどちらかが基本マナーです。
洋服の場合
ある意味洋服のほうが色々と制約があるかもしれません。
【女性の場合】
スカートでもパンツでもどちらでもかまいませんが、基本的にスカートのほうが好ましいと言われています。
ただしスカート丈は正座をして膝が見えないくらいの長さであること。
肌の露出は最低限にします。
胸元のあいたものや、ノースリーブはNG。
着物は派手なものでもかまわないのですが、なぜか洋服は派手なデザイン・色のものは嫌煙されます。
派手なネイルもNGで、アクセサリーも最低限にすることがマナーです。
特にネックレスは長いものは絶対NGです。
前傾になったとき、茶碗などに当たる可能性があるためです。
指輪・ブレスレット・時計ははずします。
【男性の場合】
スーツ・ネクタイが基本です。
カジュアルな茶会でも、カラー付きジャケットは羽織ったほうがいいでしょう。
行き帰りは色付きでも茶室に入る前には必ず白い靴下に履き替えてください。
以上、結局は清楚ある服装が基本です。
清潔感があり、カジュアルすぎないよう注意してください。
絶対NG服装
お茶会における服装のNGポイントをもう一度まとめておきます。
服装以外のこともピックアップしておきますので、チェック事項として使ってください。
特に女性は服装以外にメイクなども注意してください。
【女性の場合】
- 派手な洋服
- 紬などのカジュアルな着物と帯
- 帯留めや硬い材質の根付
- 丈の短いスカート
- 露出の高い服装
- 素足または白い靴下を履かないままのストッキング
- 派手なネイル
- 長いネックレス
- 指輪・ブレスレット・時計
- 香水
- グロス(口紅は茶碗に付かないよう抑えておく)
【男性の場合】
- 裸足・色柄ものの靴下
- ハーフパンツなどのショート丈のズボン
- ノージャケット
- 指輪・ブレスレット・時計
- 香水
性別関係なく、髪の長い方は後ろでしっかり束ねます。
お茶は前傾姿勢になることが多いので髪が垂れてこないようにするためです。
お茶会のマナー
お茶の作法は流派によっても異なるので、色々な流派が参加される大寄せの茶会などではあまり作法にこだわらなくても問題ありません。
ですが、どの流派でも共通のマナーはありますので、そこは抑えておきましょう。
マナーとして持っていくもの
・懐紙(1帖)
・菓子切り
・扇子
懐紙は着物の場合はたもとに差し込んで置きます。
洋服の場合は、できれば懐紙入れに入れて準備しておきます。
懐紙はお菓子をとるときや茶碗の口を清めるときなどに使います。
カジュアルな茶会などでは持参されていないお客さんのために、小皿でお菓子が出されそのままお召し上がりくださいという流れになることも多いですが、持参することがマナーです。
扇子は結界。
床などの設えを拝見するときは膝前に扇子を置き、一礼して拝見。
見終えたらまた一礼します。
お茶をいただくマナー
ケースバイケースですが、基本的なマナーをお伝えしておきます。
席入りはその場の流れにしたがってください。
席につくと、まずお菓子が出されます。
大抵は煉り切りと言われる和菓子です。
大皿に複数入っていれば自身の懐紙に取り、隣の席の方に大皿を送ります。
もし取るための長い箸が付いていれば、自身の懐紙に取り出したあと、軽く箸の先を懐紙の角で拭き取ります。
お茶が出されます。
大寄せの茶会の場合、ほとんどが薄茶です。
一椀ずつ出されます。
自身の前に茶碗が置かれたら軽く一礼します。
一椀ずつ亭主が点て、出される場合、必ず次客に「お先に」と亭主に「お点前頂戴いたします。」の一言を忘れずに。
お茶碗を右手で取りあげ、左手のひらにのせます。右手でしっかりと抑えてください。
お茶碗の正面を向けて出されているので、その正面をはずす意味で2回廻し、正面の位置が9時の位置に来るようにします。
少し茶碗を前に差出し3口目安でいただきます。
薄茶の場合、最後泡っぽく残りますが、これは音を立ててズッと吸い込んでください。
最後音を立てることにより、最後まで美味しくいただきましたという意思の現れとなります。
お茶会は細かいルールがありますが、前提は人とのコミュニケーションであり、おもてなしされ、応える時間です。
難しく考えずもし招待されたら「無作法で恐縮ですが」と断りを入れて、あとは十分楽しんでください。
抹茶の飲み方はこちらでも詳しくご紹介しています。
きっと特別な時間になることでしょう。
こちらもぜひご参考ください。
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