「起き上がり小法師」は誰もが一度は目にしたことはありますよね。
倒しても倒しても笑顔で起き上がる小法師は愛らしいですね。
実は福島県会津若松市に伝わる伝統民芸であり「会津三縁起」でもあります。
その由来と本来の小法師って?
さらに買うときのポイントもチェックしてください。
起き上がり小法師とは
「おきあがりこぼし」「おきあがりこぼうし」など呼ばれますが一般的には「おきあがりこぼし」と呼ばれます。別名「起き姫」とも言われ、養蚕のお守りとされてきました。
(蚕が脱皮することを「起きる」といったそうです)
「小法師」とはこどものこと。
大きさは高さ3センチくらい、胴回りは7センチ程度のものが一般的です。
「風車 」「初音 (はつね) 」と並び「会津三縁起」に数えられている縁起物。
「七転八起」の意味が転じ、災いから抜けられるということから「無病息災」「家内安全」などの意味があるとされています。
災いが起こると身代わりになってくれるという意味もあります。
2013年、ファッションデザイナーの高田健三氏の発案で世界のアーティストによる「起き上りこぼし」絵付けプロジェクトも開始されました。
縁起物なので正月に買った起き上がり小法師を神棚に1年間飾るのが会津などの風習となっています。
会津ではお守りなので、1年飾ったら新しいものに買い替えます。
1年飾った小法師は神社などでお炊き上げしてもらいます。
まさにお札やしめ縄と同じ扱いなのです。
ただし。お札などと違い。必ずしも1年で買い替える必要はありません。
会津の風習なので、気に入った小法師ならずっと飾ってもまったく問題ありません。
起き上がり小法師の歴史
江戸時代、会津藩主が藩士らの内職として作らせたのが始まりで、その歴史は今日まで400年以上たちます。
藩士らは正月に作り販売したのが、今の十日市の始まりとも言われています。
最近は型に流し込んだ量産物が増えていますが、中には張り子で職人さんの手で一体一体作られているところも。それぞれ顔は微妙に異なるのが愛らしいですね。
お正月 会津三縁起
先にもちょっと記載しましたが「風車 」「初音」「起き上がり小法師」は会津三縁起とされています。
風車は一般的な形でなく、8本の細い竹の先に華やかな紙飾りがついたもの。商売繁盛を表す縁起物とされています。
初音は竹笛で、ウグイスの鳴き声に似た音がでます。
会津では昔、正月に買い求め、三が日神棚に飾った後に子供の遊び道具として楽しまれていたようです。
起き上がり小法師の選び方
起き上がり小法師の本体は型づくりのものが増えましたが、顔はまだ職人の手によって描かれているものが多いです。
まずは好みの顔を選んでください。
女性の職人さんによって描かれた顔は優しいと言われています。
あとは色。
起き上がり小法師の色は一般的には赤です。
ですが縁起物として最近は願い事別に色が分れています。
どんな願いを託すかによって選んでみてはどうでしょうか。
願い事による色は以下の通りです。
赤:魔除け・家内安全
黄色:幸運
青色:健康運
金色:金運
ピンク:愛情運
などなど。
個人的にはお好きな色で一番愛着のわいた顔の小法師を購入することをおススメします。
ただし起き上がり小法師としてちゃんと起き上がるかはチェックしてくださいね。
最近は「願い玉」として顔のない少し大き目な小法師も色々出てきます。
次は会津での起き上がり小法師の買い方をご紹介します。
十日市ではこう買う
先ほども記載しましたが、本来会津ではお正月に起き上がり小法師を購入し、それまで飾っていた小法師はお滝上げに出します。
買う場所は毎年1月10日に開催される初市(十日市)。
最近はお土産用に一体一体パックされているものもみますが、小法師は大抵カゴなどに山盛りになって販売されています。
正月の初売りなどでもそうですが、お盆などが近くに置かれているので、山積みの小法師を片手でつかめるだけつかみ、お盆の上に転がします。
早く起き上がったものから選び、基本的には家族の人数+1体買うのが主流です。
これが見ているとなかなか選ぶのが難しい。。。
要は直観で選んでいいと思います。
価格は安く一体150円くらいから。
数に決まりはないので、気に入ったものがあれば何体買ってもまったく問題ありませんよ。
会津十日市に行こう
会津初市こと、十日市は400年以上も前から続く、伝統的な行事。
ちょっと寒い時期ですが会津の縁起物など数々のものが売られます。
正月明け、会津に福をいただきに行ってみては。
もちろん、2022年新型コロナウィルスの感染状況によって開催されるかどうかはまだ不明です。
行く場合は一度実行員会などに問い合わせてくださいね。
城下町で400年続く初売り。
福をいただきに行きたいですね。
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