有松絞りとは?特徴と有松絞り祭り情報など

有松絞りとは?特徴と有松絞り祭り情報など

「有松絞り」というとあまり馴染みがないと思われる方も、「豆絞りの手ぬぐい」などこれまで一度は目にしたことがあるはずです。

昔から知らずと身近にあった有松絞りとは?。
その魅力や特徴について。

また、ここに行けばあらゆる有松絞りが見られる、有松絞り祭り情報など。

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有松絞りとは

木綿地に糸をきつく巻きつけ、染めると糸が巻いてあった部分のみ染色されません。
その糸のくくり方を計算し、職人が一点一点仕上げていく技法です。

とは言ってもすべて分業制。
豆絞りなど型染の場合は型を作る職人・絞り加工、染色、仕上げそれぞれに専門の職人さんがいます。

中にはもうこの絞りをできる職人は2人しかいないという貴重な模様も。

絞り染の特にできる生地の凹凸も風合いのひとつ。
肌さわりもよく、有松絞りの浴衣などは人気です。

同じように糸のくくりをしても色の入り方やぼかし部分は個体差があります。
よってプリントのように一つとして同じものはありません。

反物一点一点がすべて独自の個性があるのも絞り染めならでは魅力。

有松絞りの種類

有松絞りといってもその種類は驚くほど多く、それぞれの絞りの職人さんがいるというのも驚きです。

主に「縫う」「括る」「畳む」という3つの手法があります。

様々な手法の掛け合わせで多種多様な文様が出来上がり、100以上の模様があると言われています。

縫い絞り(ぬいしぼり)

一定の間隔で絵付けされた布の線に従って平縫いをし、固く締める杢目縫い絞りや円やひし形の線に沿って5ミリ間隔で平縫いし、糸を引っ張り、生地ギュッと寄せ集め染め上げる唐松絞りなど、7種類ほどの技法があります。

括り絞り(くくりしぼり)

括り絞り(くくりしぼり)

有名なのは麻の葉文様に似た巻き上げ絞りや均等な凹凸が特徴の突き出し鹿子絞りなどがあります。
中には高齢の職人さん1人しかできない技法もあるとか。

蜘蛛の巣に似ていることからその名がついた手蜘蛛絞りは有松絞りの最初の模様とも言われています。

昔は農家の女性の副業として広く行われたこともあり、今でも女性の職人さんが多いのも伝統工芸の世界でも珍しい分野かもしれません。

一反で10万以上のくくりがあり、染色後糸ぬきには3日ほどかかるとも言われています。

板締め絞り(いたじめしぼり)

生地を均等に畳み、板をはさんでその畳みの辺を染料に浸けて染めていくやり方です。
実は誰もが知る「豆絞り」もこの技法で染められています。

そのため、豆の大きさはばらつきがあり、さらにちゃんとした円ではありません。
それゆえ単なるドット柄でも表情があり、愛らしい風合いができるのです。

有松絞りの歴史

重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている旧東海道沿いに位置する愛知県名古屋市緑区の有松・鳴海地域。
有田絞りはここで江戸時代から始まりました。

元々は東海道を歩く旅人への土産品としてこの地に移り住んだ竹田庄九郎らが豆絞りの手ぬぐいなどを作ったのが始まりとされています。

尾張藩が藩の特産品として保護したことあり、絞り染め反物の生産はどんどん発展していきました。

人気の出た絞り染めはやがて有松以外でも作られるようになりましたが、中には品質の悪いものもあったため、有松以外での生産に制御がかかったほど。
結局残ったのは有松と鳴海。そのため有松・鳴海絞り染めと一緒にカテゴライズされることもあります。

江戸時代、東海道を行き交う人々が土産物として購入した有松絞りの手ぬぐいや反物は瞬く間に江戸や大阪などでも知られ、その人気を高めていきました。

歌川広重などの浮世絵にも描かれるほど、誰もが「有松の染物」と認識されていたようです。

そして1975年、国の伝統的工芸品に指定され、今でも浴衣や着物などの反物が職人の手で作られています。
絞り染めのシェア90%を占めています。

豆絞りの歴史

誰もが一度は目にしたことのある豆絞りは有松絞りの原点でもあるのですが一度その生産は廃れました。
昭和30年くらいになり、「張正(はりしょう)」の職人によって復刻されたとされています。

最近はプリント物も増えましたが、本来の豆絞りは一つ一つのドットが異なった形をしており、それらが整列されていることにより、なんとも愛らしい表情が生まれます。

馴染みのある柄ではありますが、生産されるところは限定されており、大変貴重なものとなっています。

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有松絞り人気アイテム

有松絞りで人気のアイテムをご紹介。
浴衣や着物を着ないという方もちょっと気になるアイテムがあるかもしれませんよ。

浴衣

有松絞りの定番アイテム。
女性用だけでなく、メンズの浴衣用反物も多く作られています。
藍染だけでないので、色と柄との掛け合わせるとその種類は未知数。

普通のプレタ浴衣より少々値段は高めですが、前に書いた通り絞り染の工程はかなりかかるもの。
絞りの名残りの生地の凹凸も涼やかで浴衣には最適です。

着物

安価な木綿着物から総絞りの訪問着までニーズに合わせた着物があります。
絞りの着物なんてちょっと粋ですよね。

夏用の単衣着物との相性がよさそうです。

ブラウス・シャツ

和服だけでなく、絞り染は洋服との相性も良いですね。
私もTシャツを持っていますが、さらりとしてとても肌さわりよく夏は愛用しています。

有松絞り祭り情報

2020年は中止となりましが、2021年は開催予定。

毎年10万人以上の来場者があります。

重要伝統的建造物群保存地区の有松の街並みにズラリと着物や染物が並びます。
目移りしてしまいそうな反物や先にかいたようなアイテムがそろいます。

2021年で37回目となる有松絞り祭り。
感染対策を万全にお出かけください。

有松絞りまつり(ありまつしぼりまつり)
場所:愛知県名古屋市緑区有松3008
期間:2021年6月5日~6日  9:00~17:00
アクセス:名鉄名古屋本線「有松駅」から徒歩3分
問い合わせ:有松・鳴海絞会館 052-621-0111
公式サイト:https://shibori-kaikan.com/
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