若狭塗とは 買うなら若狭塗箸

若狭塗(わかさぬり)は他の漆産地とはちょっと異なる特徴があります。

いわゆる漆器の産地ではあるのですが、汁椀などの器は作られていません。

きっと誰もが一度は手にしたことがある若狭塗の特徴とは。
若狭塗のお箸が良い理由もお伝えします。

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若狭塗とは

若狭塗(わかさぬり)は福井県の若狭地方、小浜市で作られている漆器。
ちょっと前になりますがNHK連続テレビ小説でもその職人さんが登場したことにより再度注目が集まりました。

小浜市はアメリカ大統領がオバマさんになったときにも話題になりましたね。

江戸時代、小浜藩の塗師松浦三十郎氏が海底の様子を図案化したものを作成したのが始まりとされています。
菊塵塗(きくじんぬり)と呼ばれていました。
日本三景天橋立のある若狭湾、最初のモチーフはこの美しい海だったんですね。

今や作られるアイテムのほとんどは箸ですが、当時は盆や弁当箱(重箱)などが作られていました
長崎県出島のオランダ商館医のシーボルトも使用していたという話もあります。

若狭塗代表のアイテム、若狭塗箸の製造工程は60以上。
その工程のほとんどを一人の職人が担うそうです。
(中には販売まで行う職人さんもいらっしゃいます)

製造には数カ月から1年かかるとか。
下漆を塗った後、模様付けと呼ばれる作業に入ります。
漆を塗った後、乾く前に松葉や貝殻などをつけて模様をつけますが、漆の乾燥が早いとうまくいかないそうです。

漆はある程度の湿度がないと乾かない特性があるため、湿度の低い冬場にこの模様付けが行われることが多いと言います。

その後はひたすら漆を重ね塗り。
「若狭の馬鹿塗り」という言葉が生まれるほど漆を何層にも塗り重ねます。

箸一本・一膳に込められた職人さんの思いがあの美しさを生み出しているんですね。

歴史

小浜藩の塗師松浦三十郎氏により1596~1615年、中国の漆器を参照し作成したのが始まり。
当時「菊塵塗(きくじんぬり)」と呼ばれていた若狭塗はその弟子により「磯草塗(いそくさぬり)」という技法が編みだされました。

その後、小浜藩主が若狭塗と名付け、下級の武士の内職にし、その技術は継承されていきました。

皇女和宮が嫁入り道具として徳川の家に持ち込んだのも若狭塗の箪笥だったそうです。
皇族や武家の一部でしか扱えない、大変高級な漆器でした。

ただ、装飾の華やかな若狭塗は質素な生活を強いられた江戸時代には、身分の高い一部の武家でしか使用されず、日用品としての代表漆器である汁椀などは作られなくなりました。

それが今も続き、若狭塗のほとんどは塗箸。
他産地のような汁椀などは作られていません。

若狭塗は1978年に経済産業大臣指定伝統工芸品に指定されました。

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若狭塗の特徴

若狭塗の特徴は卵の殻やアワビの貝殻、マツの葉などで模様を作り、漆を厚塗りして乾かしてから研いでその模様を浮きだたせる「研ぎだし技法」と呼ばれるもの。

漆は塗り重ねること十数回。
石や炭を使って研ぎ出します。

自然のものを使うのでそれぞれ表情が異なります。

近年では環境問題の観点から、海洋プラスチックを砕いたものをちりばめて、漆でコーティングし研ぎだしする取り組みなども行われているそうです。

若狭塗はそのバリエーション豊かなデザイン性に加え、漆を厚塗りすることにより耐久性に富んでいることも特徴のひとつ。

日常使いには欠かせない漆器といってもいいでしょう。

分業制でないことから、職人さんによって様々な個性が際立ちます。
若狭塗の箸はデザイン性も高いことから国内外で人気です。

日本シェアNo1の若狭塗の箸

若狭塗の箸は日本全国のシェア80%と言われています。
その分、デザインや形状も豊富。
繰り返しになりますが、耐久性にも優れています。

若狭塗箸の箸先は細くとがっているものが多く、その形状から「鶴のくちばし」とも呼ばれ、縁起の良い長命長寿の箸として贈呈品としても人気が高まっています。

食卓で自分の箸(カトラリー含む)を使うのは日本独自の文化です。

滑りにくい加工しているものや握りやすい形状のもの、使っているだけで楽しくなるキラキラと光を放つような装飾物など、きっと好みの自分に合った箸が見つかるはず。
日替わりで使っても楽しいですね。

若狭塗箸、ぜひ一度手に取ってみてはどうでしょうか。
できればオンラインでの購入でなく、百貨店などで開催される伝統工芸展や、専門店などで実際手に取って選ぶことをおススメします。

使用の際のお手入れは漆器なので食器洗浄機は避け、柔らかいスポンジなどで食器洗い用の中性洗剤で洗ってください。
水に浸けっぱなしもNGです。

使うほどに艶もでてきます。
購入したら大事に使ってくださいね。

こちらもぜひご参考ください。

> お箸の選び方と手入れ方法

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