帯締めは組紐(くみひも)のアイテムのひとつので着物を着る女性にとっては身近なものですね。
あまり馴染みのない方もあの大ヒットした映画「君の名は。」で主人公の三葉と瀧とを結ぶ紐というとおわかりになる方も多いのではないでしょうか。
三葉が髪を束ねるのに使っていた紐で電車で瀧と別れる時に渡す紐、あれが組紐です。
組紐の歴史は古く、今は伝統工芸として指定されている技術です。
そんな組紐、今や海外土産にも人気だそうです。
組紐の魅力と使い方のご紹介です。
組紐(くみひも)とは
また映画の話になりますが、「君の名は。」で三葉がおばあちゃんと組んでいるシーン覚えていますか?
「組み台」という木の土台に複数の色の絹糸を垂らし、垂らした糸を移動させることにより組んでいくのです。
一見単純な作業に思えますが、その色の組み方でデザインが決まってきてしまううえ、なぜか素人がやると適度な「しまり」がなくなるそうです。
帯締めなどは伸縮性があり、適度にしまらないと帯が固定できません。初心者が組んだ帯締めはなぜかその伸び幅が大きすぎてあまり締まらなく、帯締めとして使えないとよく聞きます。
糸を移動させているだけにみえて、どうして職人さんの作ったものとでそんなに差がでるんでしょうね。不思議です。
そんな奥深い組紐。
今となっては映画の影響もあり、人気となっているようですが日本では古くから使われてる伝統工芸のひとつでもあります。
組紐(くみひも)の歴史
中国から日本へ伝わったのは奈良時代。
仏具や経典、法衣などの飾り紐として伝わったと言われています。
平安時代になるとさらに日本独自の技術が盛り込まれ、多彩で美しい組紐が作られるようになります。
美しいながら強度の高い組紐は鎧兜・刀などの武具や巻物の紐などに使用されました。
江戸時代、さらに技術が拡大し刀の下緒や羽織の紐などに使われるようになります。
明治になって廃刀令が執行されると、女性の着物の帯締めなど日用品に取り入れられるようになります。
主な組紐の産地
今や組紐は日本の伝統工芸となっています。
組紐の産地であり、今やブランドともなっているのは以下の産地です。
東京くみひも
実は組紐の生産は、武士の生業だったことから江戸が一番の組紐の生産地だったそうです。
ただし武士の時代も終わると一気に衰退。
一時はその技術も断たれる危機に直面しましたが、その窮地を救ったのが芸者といいます。
それが現代定番した着物の帯の結び方「お太鼓結び」です。
組紐による帯締めや羽織紐の需要はたちまち増えました。
現在台東区、杉並区、北区などで生産され、「東京くみひも」として東京都指定の伝統工芸となっています。
※経済産業省指定伝統的工芸品には入っていません。
伊賀くみひも
三重県伊賀市で生産されています。
戦国時代の武士の時代から生産されていましが、江戸と同じく明治の廃刀令により一度は衰退しました。
それが江戸より伝わった着物のお太鼓結びにより復活。
京くみひもの産地、京都と近いことから急成長。一時は全国生産額の大半を占めるまでになりました。
一度は衰退しますが1976年、経済産業省指定伝統的工芸品に指定されたことにより復活。
現在に至ります。
一度、職人さんとお話させていただいたことがあるのですが、「伊賀くみひもって言ってもブランド力なくて、中には京くみひもとして販売している人もいる。」とのこと。
なんの、この歴史をたどればくみひものブランドとして確立されていると思います。
私はこの伊賀くみひものネックストラップをIDカード用のストラップに使っています。
革ストラップより肌へのあたりも柔らかいのでおススメです。
京くみひも
京都市、宇治市周辺で生産されています。
複雑に組み上げられた繊細な編み目と優美な光沢が特徴とされ、江戸くみひもと比較すると鮮やかな印象があります。
着物の帯締めが組紐の主流アイテムとなった今、着物の一大産地の京都では当然組紐の生産も盛んです。
海外でも人気!組紐(くみひも)アイテム
美しい色に染め上げられた絹糸をちみつな計算のもと何色もの組み合わせにより織りなす組紐は強度もありながらしなやかで肌あたりも良いのが特徴。
最近では海外みやげなどにも人気のようです。
ですが着物を着ない人にとって帯締めは不要でしかないですよね。
いえいえ、組紐のアイテムは今やこんなに多くでているんです。
ネックストラップ
会社などでもう必須アイテムとなったIDカードや社員証。
セキュリティ観点から首に下げることがマストという企業がほとんどでは?
このネックストラップはIDケースに取り付けるだけ。
組紐は丈夫な上なめらかなので、直接首に当たっても気になりません。
革や化繊のストラップが苦手と言う方に特におススメです。
くみひもブレスレット
色の組み合わせによりさまざまな表情をみせるのが楽しいブレスレット。
石や飾りのないシンプルなものであればミサンガのように複数つけるのも楽しいですね。
映画「君の名は。」では瀧が三葉からもらった組紐を二重に手首に巻いていましたね。
実際公開後、同じ組紐が欲しいと注文が殺到したメーカーがあるとか。
組紐御朱印帳留め
御朱印を留めるだけでなく、色々使えそう。
ゴムになっていて飾り部分が組紐で作られています。
眼鏡チェーン
眼鏡をかけている人も眼鏡チェーを使用している方は少ないかもしれません。
でも自分の好みの組紐ならちょっと使ってみたくなりませんか?
画像は江戸紐とも呼ばれる八つ組という組み方です。
アクセサリー感覚で使えそうですね。
カメラストラップ
キャノンと江戸くみひもの職人さんとのコラボ作品だそうです。
かっこいいですね。
繰り返しになりますが、組紐は丈夫でしなやかさがあるのでこういった重さのあるもののストラップには向いています。
イヤリング
イヤリングやピアスは様々なデザインがでています。
キラキラ感はないけれど、気品ある存在感があります。
個性あふれるワンポイントアクセサリーとしては組紐は最適です。
組紐体験はここでできる
組紐を自分で作るキットなども最近はでているようですが、専門の方に教えてもらいたいという方は制作をおこなっているメーカーさんなどで体験や教室があります。
中にはかなり老舗メーカーでの教室もあるのでご興味ある方は問合わせしてみては。
私はまだ体験したことないのですが、知り合いが通っていてけっこう素敵な作品を作っていました。けっこう配色など難しいものも、先生に相談しながら楽しくできるようです。
ハクビ京都くみひも学院
本格的な学びの場となっていますが、2時間くらいの体験レッスンもあります。
組紐で作れるアイテムはもはやここまで!というほど多種にわたるアイテムを作りだす習い事。
体験でハマった人はじっくり本格的に習ってみてはいかがでしょうか。
教室は関東中心とした数カ所にあります。
ハクビ京都くみひも学院 体験レッスン詳しくはこちら
道明
江戸組紐のブランドとも言える、道明での体験レッスン。
「帯締め・アクセサリーコース」やストラップ、ブレスレットを作る「初めての組紐コース」があります。
そのほか定期的に習う「道明古式糸組法教処」があります。
桐生堂
浅草の駅から近く、和装小物やお土産アイテムも多数置いているため店舗はいつも観光客でにぎわっています。
店奥には帯締めや羽織紐などさまざまな組紐がびっしり並んでいます。
組紐の切り売りもあります。
この傍らに設置された組み台。
ここが体験場所。
以下ブログを読むとちょっとほっこりしますよ。
以上、たかが紐されど紐のお話です。
紐の組み方が伝統工芸になっているのは日本の美意識の高さゆえと感じます。
組紐の奥深さ。
ぜひ一度手にとってその魅力に触れてみてください。
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