帯締め選びのポイント 種類や格について

帯締めは着物全体からいうとかなり占める面積は少ないですが、実はかなり重要な役目をもっています。差し色として全体を締める役目もありますし、しっかり締まるものでないと着くずれの原因にもなります。

意外と迷う帯締めの選び方や合わせ方。
間違った帯締め選びをしないためのポイントをご紹介します。

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帯締めの役割とぜったい条件

帯締めは組紐(くみひも)と言われる細い絹糸を組んだものから作られている帯の形をキープする大切な役目を果たします。

そのため「しっかり結べること」が絶対条件です。

ではしっかり結べる条件とは何でしょうか。
それは適度な伸縮性
言ってみればある程度伸び縮みする遊びがあることで緩むことなくしっかり結べるのです。

これは手組みと言われる職人が手で組むものにその微妙な遊びができます。
アニメ映画「君の名は。」でヒロインがおばあちゃんと編んでいたシーンを記憶している方もいらっしゃるのでは?

その組み方で帯締めや羽織紐などを編み上げていきます。
組み方は3,500種類以上もあると聞きます。

最近は機械で編んだものも多くなってきていますが、手組みの組紐と比較すると各段に遊びがなく伸縮性が少ないのが特徴です。当然、かなりしっかり締めないと緩みやすくなります。

帯締めが緩みやすいと言う方、力が弱くしっかり結べない方などは一度手組みの帯締めを試してください。

確実に締めやすさが違います。

組紐に関する記事はこちら
海外でも人気 組紐(くみひも)の魅力と用途

帯締めの選び方

帯締めを選ぶ時、安易に帯との組み合わせで決めていませんか?
もちろん、帯と色を合わせることは一番のポイントですが、帯締めにも「格」があります

着物の格と合わない場合もあるので、まずは帯締めの種類と格をしっかりチェックしておきましょう。

帯締めの種類

ここでは多く見られる組み方の種類をご紹介します。

角組(かどくみ)

角組(かどくみ)帯締め

角組(かどくみ)帯締め 出典:都粋

「角打ち」ともいわれます。
その名のとおり角がある形状で、カジュアル着物向け。

代表的なのが冠組(ゆるぎぐみ)と呼ばれるもの。
江戸くみひもの五嶋紐(ごとうひも)もこの角組に入ります。

伸縮性があり、緩みにくいので人気の帯締めです。

平組(ひらくみ)

平組(ひらくみ)帯締め

平組帯締め 出典:Rakuten Kisste(キステ)

「平打ち」とも言います。
一番多い帯締めの組み方です。
カジュアルから正装用まで幅広く種類があります。
角組に比べると伸縮性がないので、しっかりしめる必要があります。

丸組(まるくみ)

「丸打ち」とも呼ばれます。
その名の通り丸く筒状に編まれた帯締めです。

丸ぐしと言われる布を巻いたものもありますがこちらは振袖などで使われるものです。

帯締めの格

一般的ではありますが帯締めの格の高い順から
「平組」>「丸組」>「角組」
となります。

平組の格は金糸の量と幅で決まります。
正装用は金糸の入った1.5センチほどの幅広いもの。中でも白が一番格が高く、おめでたい席などに締めます。

三分紐・二分紐といわれる帯留めを通して使う細いものは格が下がります。
帯留めは三分紐に通して使いますが、たとえ宝石の帯留めであっても礼装には不向きです。
お茶会も茶器を傷つける可能性があることから帯留め、根付けはNGとされています。

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帯締めをキレイに見せるコツ

帯締めをキレイに見せるコツ
帯締めは着姿の中心にくるので、意外とその存在はあります。
ココがキレイにみえていないと、全体的にザンネンな印象になりがちなのでキレイに見せるポイントは抑えておきたいですね。

帯・帯揚げとの合わせ方

実際着て行く着物としめる帯が決まってから帯締め・帯揚げを選ぶ方がほとんどかと思いますが、実際どういった基準で選べばいいのでしょうか。

一つは「格」。
先に書いた通り帯締めにも格があります。

格の高い着物と帯なら、それに合った格の帯締めを合わせるのが最低限のルールです。

もうひとつは「色合わせ」。

これはルールというのはないので、帯に馴染ませるか・ポイントとして際立たせるか。

そこは好みでいいかと思います。

効かせるようにいきなり濃い色をもってくるのでなく、帯の中にある同色系をもってくると浮きません。

反対に馴染ませる時も同色系をもってくるとくすんだ感じにみえず、控えめに帯を締めてくれます。
ただし馴染ませる場合も帯に使っている色よりちょっとだけ濃い目の色を持ってきたほうがキレイにみえるようです。

できれば畳んだままの着物の上に帯を置き、その上に帯締めをおいて全体的なバランスを見て決めてください。
面倒な場合もできれば帯の上にのせて決めたほうが失敗ありません。

面積の少ない帯締めですが、合わせ方を間違えるとなんかしまりがなくなったり、取ってつけたような印象になりがちになってしまうので注意が必要です。

帯締めのキレイに見せるためには

帯締めをキレイに見せるコツは以下の通り。

  • 帯の前のシワを左右にのばす。
  • 長さによって始末を変える。

緩みなく締めることはもちろんですが、ギュウギュウに結ぶだけではキレイに見えません。
結ぶ前にきちんと帯の前のしわを左右に逃がします。

また、意外と帯締めは長さがまちまちです。
長い場合は最後の処理がもたつきます。

その場合は帯締めの真ん中を結んでから締めると、その分短くなります。

キレイに結ぶコツは帯から離さず、その根元をしっかり持ってそこから緩ませないことです。
ねじれなどにも注意してくださいね。

帯締めの手入れ

着物を脱いだらすべて湿気を飛ばすために最低1日干します。
これは帯締めも同じことです。

しまう時は房に癖がつかないように。
専用のキャップもあるので、こういったものも利用してください。

帯締めの房カバー

帯締めの房カバー

ぼさぼさになっていまった場合はやかんにお湯をわかし沸騰してからやかんの口から吹き出す湯気に5~10秒あてて整えます。

意外と安易に選びがちな帯締めですが、着物に精通した方こそ都度慎重に選ぶそうです。
それだけ着姿全体に影響が出てくるんですね。

店頭でずらりと並んでいるとキレイでついつい色々欲しくなってきてしまいます。ですが本数を多くそろえるのはなかなか難しいですよね。その場合は使いまわしのできるものを持っておくと、重宝しそうです。

格と色を見極めてください。

まずは自身のもっている帯に使っている色をしっかり把握しておくことですね。
帯締めも年末年始、シーズンの変わり目などに呉服店や百貨店でセールがありますので、そんなときは狙い目です。

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