最初美味しく感じたお茶。
「あれ?なんか風味が落ちてる」
と感じたことありませんか?
もしかすると、茶葉の保存方法に問題があったのかもしれません。
お茶の保存には茶筒に移し、きちんと湿度・温度管理が必要です。
今回はお茶の保存方法と、一つ持っていると便利なおしゃれな茶筒情報のご紹介。
お茶の正しい保存方法
茶葉は実はデリケートなもの。
ちょっとした環境の変化で茶葉は劣化します。
実は店舗で売られている状態も完璧ではないそうです。
お茶の味を変える5つの要因
緑茶の茶葉が劣化する要因は以下5点。
- 湿度
- 温度
- 光
- 匂い
- 酸素
湿度
茶葉は商品としてパッケージされる時点で3~5%の含水量まで乾燥されています。
お茶の袋は当然、外からの湿気を通さないものとなっています。
開封したとたん、外部の湿気を茶葉が吸収しはじめます。
なるべく湿気の少ない場所で、保存時も湿気から守るための対策が必要です。
温度
乾物扱いされている茶葉に温度管理が必要?
と思いますよね。
本来は店頭に並べてあるだけダメなものなのです。
茶葉は酸化が進みやすいため、冷暗所(5~10℃)での保存が適していると言われています。
そう、販売されている状態も実は完璧ではないということです。
酸素
茶葉は酸素に触れると葉緑素やカテキン、ビタミンCなどが酸化し、味が変わります。
淹れた後もそうですが、お茶は酸化しやすいのでなるべく時間をおかない、酸素に触れさせないのがお茶を美味しくいただくポイントです。
最適の保存方法
劣化の要因が分れば、その要因を防ぐことがいつまでも美味しいお茶を飲み続けられるコツです。
まだ未開封なものは、袋のまま常温でも酸化の進行は抑えらえるのですが、一旦開封してしまうとどうしても空気に触れることになります。
なるべく高温にならないところに密閉状態で保存することが大切です。
ただし冷蔵庫は他の食材の匂いを吸収してしまうので、避けたほうが無難。
冷蔵庫なら冷凍庫のほうが適してきます。
ただし飲むときは少しおいて結露に注意してください。
余計な湿気を吸ってしまいます。
茶葉の入った袋のまま保存したい場合は、空気をぬいて口から空気が入らないようにし、ジッパー付き保存袋に入れ、空気をできるだけ抜いてしっかりジッパーを閉めたら冷暗所に保存してください。
長々と記載しましたが、ポイントをまとめます。
- 匂い・光を遮断する
- 茶葉になるべく空気を触れさせない
- 湿度・温度ともに低い場所におく
以上です。
あとは1か月くらいで飲み切ることくらいですね。
そのくらいで飲み切れる量を購入することをおススメします。
茶筒の選び方
茶葉の保存におススメなのは昔からある「茶筒」。
程よい条件で茶葉を保存することができます。
種類も多く、お茶の時間がもっと楽しくなります。
素材
茶筒は金属から木製、さらに磁器まで素材も様々。
それぞれの特徴をみていきます。
ステンレス/スチール/銅
金属の茶筒は遮光性・気密性も高いのでおススメです。
さらに匂いも遮断するので、茶葉を比較的良い状態に保ちます。
ただ、熱伝導率が高いので温度が高くなる場所には置かないようにしてください。
また、中にはブリキ製もありますが、ブリキは錆びやすいので注意が必要です。
木製
伝統工芸品でも多い木製の茶筒。
最近はデザイン性も高く、素材の良さとクオリティの高さが魅力です。
木製でも職人さんの作った茶筒は気密性が高く、茶葉の劣化を防ぐことができます。
比較的周りの温度に影響しにくく、使うほどに味が出てきます。
プラスチックなどは匂いを吸収しやすいので避けたほうがいいでしょう。
構造
茶葉の保存方法が分れば、茶筒の理想の構造も自然分ると思います。
中蓋つきの密閉性の高いもの。
完全に遮光するもの。
またあまり大きいものは結果酸素を多く含むので小ぶりなもののほうがおススメです。
茶葉一袋買ってきて一度に全部移す必要はありません。
少量ずつ移して残りはしっかり口を閉じて冷凍庫などに保存するなどすると、最後まで茶葉の品質が落ちずにいつまでも美味しいお茶がいただけます。
おススメのおしゃれな茶筒
最近は伝統工芸品の茶筒もスタイリッシュでおしゃれなものが多くなってきました。
また、昔から変わらないデザインも、改めてみると洗練されているなあと感じるものも多いですね。
そんな職人さんの手で生まれる、おしゃれな茶筒を一部ご紹介します。
秋田樺細工の茶筒
白樺の樹皮を加工して作られる、秋田県の角館の伝統工芸のひとつ。一度は樺細工の茶筒見たことはあるのではないでしょうか。
元は江戸時代に武士の手内職として始まったと言われています。
最近は桜皮とくるみ、さくら、かえでなどの樹皮の組み合わせによってスタイリッシュなデザインのものも出てきました。
樺細工の茶筒は樹皮が呼吸するため、防湿、防乾に優れていいます。
気持ち良いほどスッとピッタリ蓋がしまり、その職人技に驚きます。
手になじむ温かみある茶筒は長く使うほど光沢を増します。
2種~4種あわせの茶筒があります。
公式サイト:http://fujikidenshiro.co.jp/
銅・真鍮の茶筒
高い気密性があり、蓋を筒に載せるとス~っとゆっくり落ちていきます。その感触がなんとも快感!
美しいラインとその輝きはまさに最高級の茶筒。
日ごとにその色合いが変化し、独特の風合いが出ると言います。
へこんだり傷ついたりしても修復可能な逸品。
茶筒以外の用途としても親しまれています。
開化堂の茶筒:https://www.kaikado.jp/japanese/
寄木細工の茶筒
神奈川県箱根の伝統工芸寄木細工はその緻密な計算のもと作られた美しい工芸品です。その寄木細工の茶筒も美しい!
お茶の時間がさらに楽しくなること間違いなし!
なんと、中蓋までも寄木作りになっているこだわりよう。
樹脂でコーティング加工されているので、水洗いもできます。
寄木細工の茶筒:https://www.hakonemaruyama.co.jp/shopdetail/000000000057/
錫の茶筒
その重厚な光沢が魅力の錫。密閉性も高いため茶筒には適しています。
ただ、熱伝導率が高いため周りの熱が内部に浸透します。
保管場所には注意してください。
デザインも様々で置いてあるだけで楽しめる茶筒ですね。
薩摩錫器の茶筒:https://www.satsumasuzuki.co.jp/?mode=grp&gid=2345808
漆器 飛騨春慶の茶筒
漆器の中でも柔らかな木目も活かした岐阜県の飛騨高山の伝統工芸、飛騨春慶の茶筒。
檜の木地に丁寧に塗られた漆が見事に現代のスタイルにマッチするスタイリッシュさを醸し出しています。
経年に伴い、琥珀色へ変わってきます。
手になじむ漆器は、除湿性に優れています。
漆器の蓋物は茶道にも使われる茶器の棗に見られるとおり、かなり高度な技術を要します。
まさに木地師と塗師の匠の技の集大成。
長く使いたい逸品ですね。
飛騨春慶の茶筒:https://www.fukuju-sikkiten.com/item/20/
伝統工芸品の茶筒はそれなりに高価なものではありますが、いってみれば一生もの。
茶葉の鮮度を少しでも長く保つため、自身なりのこだわりの一品を探してみてはどうでしょうか。
実物を見るとひとつは欲しくなるものばかりですよ。
お茶を美味しくいただくために茶器選び同様ちょっとこだわってみてください。
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