湿気の多い季節になると、クローゼットや浴室の湿気対策に余念がない方も多いのでは?
意外と盲点なのが、食器棚。
気づいたらしばらく使っていない器にカビが!
(実はこれは私自身の体験談。)
食器に発生したカビは洗っただけではダメです。
捨てる前にできるかぎりの対処を。
さらに予防法のご紹介です。
食器棚の食器にカビが生える理由
では、まずはなぜ食器にカビが生えたのかその理由から見て行きましょう。
洗い方が不十分または洗わずしばらく放置
ドキッとした方も多いのでは?
食べカスが食器に付着しているとそこから雑菌が発生。
食器、とくに焼き物は細かい無数の気泡が表面に飽いているため、そこに菌が入り込みます。
表面を軽く洗っても取れなく、そこからカビが発生します。
水などにつけおきするのもNG。
そこからの菌はものすごい勢いで増殖するそうです。
乾燥が不十分
カビの原因はなんといっても湿気。
特に焼き物の器(陶器や磁器)は水分を吸収しやすいため、表面を拭いただけではまだ器が水分を含んでいる状態です。
表面をふきんでふいてすぐ食器棚にしまうと、食器棚に湿気がたまり食器がカビる原因になります。
食器棚にしまいっぱなし
食器棚の奥にしまいっぱなしになっていると、ホコリが付着しそこからカビが発生します。
しまいっぱなしなどホコリと一緒に湿気も含みます。
たまには使ってあげないとだめですね。
食器棚がギュウギュウ
食器棚にギュウギュウに詰められた食器。
空気の流れが悪くなり、結果湿気がこもることに。
食器棚の奥の食器や重ねた一番下の食器、さらに釉薬のかかっていない焼締めの器などはカビやすいので注意が必要です。
食器のカビの対処法
では器にカビが発生していたらどうしますか?
捨てる?洗ってから使う?
カビが発生した食器なんてもう使えないと思うかもしれませんが、それがお気に入りの器だったりしたら捨てたくありませんよね?
できれば長く使いたいもの。
あきらめるのはまだ早いですよ。
ただし、洗っただけでは菌糸と呼ばれる菌の根が残っている場合もあります。
一度カビた食器は完全にカビ菌を死滅させる必要があります。
熱湯でカビ菌を死滅
できればあまり科学用品を使わずにカビを除去できたらいいですよね。
カビは大体60℃以上になると死滅します。
カビが発生した食器を一度洗います。
普段のスポンジは避けるか、洗ったあとにそのスポンジは捨ててください。
大きな鍋にお湯を沸騰させ、沸騰したら火を止め、10分以上そこにつけます。
温度が下がってきたらまた火をつけてください。
ただし、器をグツグツ煮ると、割れる可能性もあるので浸すくらいがいいかと思います。
また、高温のお湯につけたあと、急に水などをかけて冷やすとそれも割れることがあります。
少しずつ乾燥させ、できれば1日~2日くらいは食器棚に入れず、水切りかごとは違った場所で乾燥させてください。
60℃以上のお湯をかけ流す場合はカビた食器より大きなボウルや洗面器に入れてその上からかけます。
どちらの方法にしても火傷に注意してくださいね。
私は備前焼の器をカビさせたとき、科学用品を使いたくなかったので、お鍋にお湯を沸騰させトングで器を挟んで少しずつつける部分をずらしながら煮沸しました。
(その後カビさせていません。)
アルコール消毒
無水エタノールを80%に薄めた「消毒用エタノール」でカビを除去します。
無水エタノールのままでは効果ありません。
ただし、「消毒用エタノール」にはカビの黒い汚れを落とす漂白効果はありません。
ガラスの霧吹き(プラスチック製だとアルコールで溶ける可能性があります)を用意します。
そこに無水エタノール4:精製水1で薄めたものを入れます。
器のカビを拭きとり(洗わない)、薄めた無水エタノールを吹きかけます。
乾燥させてからしまいます。
漂白剤を使う
焼き物は特に自然素材のものなので、個人的にはあまりおススメしませんが、どうしても黒カビが気になるという場合は器に水をいっぱいはり、そこに1~2滴の漂白剤をたらします。
割り箸などでかき回し、30分ほど放置。
その後流水で2~3分ほど洗い流し、こちらも十分乾燥させてから食器棚にしまってくださいね。
黒カビを落とすには重層をふりかけて軽くこする方法もありますが、菌糸を死滅させる効果はありません。
また、金属製の食器や木製の食器には不向きです。
カビさせにくい食器の収納法
カビの除去法はありますが、そもそも発生させないことが重要です。
それは特別なことでなく、ちょっとした収納のコツで食器のカビが防げます。
もちろん、ちゃんと食後すぐにキレイに洗ってあることが前提ですよ。
いくつも重ねない
当然湿気は下にたまります。
何層にも重ねると、一番下の食器がなかなかつかわれなく、湿気がたまることに。
空気の通り道をつくる
お皿なら大体下から大・中・小の大きさの順に重ねるのが普通かと思います。
空気の通り道を作るのには下から大・小・中の順に重ねるほうが若干空気の通りができます。
実はこの重ね方、地震のときの食器の飛び出し防止にもなります。
食器棚の扉を定期的に開ける
ホコリが入るからとしめっぱなしにせず、たまに開けて空気を入れ替えましょう。
年に1~2回は食器を全部出して食器棚を掃除し、できれば防カビシートなどを敷くのも効果的です。
緩衝材を挟まない
重ねる際、緩衝材(スチロールの薄いものやプチプチのようなもの)を傷防止に挟んでいる家庭もあるそうですが、これは湿気をためる原因となります。
どうしても何か挟みたい場合は薄紙か、新聞紙を小さくカットしたものを。
新聞紙は湿気吸収し、インク効果で防カビ効果も高いです。
その他、重層を入れたコップや備長炭などを食器棚の奥に置くのも防カビ対策のひとつです。
食器のカビ対応まとめ
最近は100円均一でも手軽に買える食器ですが、できればお気に入りのものを長く使いたいもの。
食器(とくに陶磁器)は使っているうちに風合いがでてきます。
器によっては金継ぎなどの方法でカビた部分を埋める手段もあります。
まずはカビさせないことが一番です。
私も器がかなりギュウギュウに詰まっているので、そろそろ全部出して食器棚の整理を始めようかと、この記事を書きながら思った次第です。
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