砥部焼の魅力と特徴 | 暮らしの器

砥部焼(とべやき)は四国、愛媛伊予郡砥部町周辺で作られている陶磁器です。
染付の器が特に人気で、有田焼などと比較しても価格も手ごろなうえ、日常使いに適した器です。

最近は東京でも専門店ができるほど人気の砥部焼。
そんな砥部焼の特徴と魅力をご紹介。

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砥部焼(とべやき)とは

愛媛県の伊予郡砥部町で作られる陶磁器です。
白磁、染付、青磁、天目 (鉄釉) の4種類あり、1976年経済産業省により伝統的工芸品に指定されました。

砥部焼の歴史

砥部焼の歴史は浅く、磁器で一番歴史の長い有田焼が400年に対し、250年弱です。

ただ、焼物は窯跡などが残っており6世紀くらいから作られていたと考えられています。
当時は今の磁器ではなく、陶器でした。
このころのものは砥部焼の歴史には入っていません。

磁器は陶石という石を細かく砕いて土にし、それを焼成しますが愛媛の砥部町もその陶石に恵まれた土地です。しかしながら、もともとは磁器の産地でなく砥石の生産が盛んでした。

奈良・平安時代には「伊予砥(いよと)」と呼ばれ朝廷にも知られていたといいます。

江戸時代、財政難におちいった大洲(おおず)藩の藩主加藤泰候が、財政のたてなおしのため、砥石の切り出しの際に出るくずを使って磁器の開発を始めました。

この砥石のくずはその量も多く、処理にはとても苦労していました。

そのやっかいなくずが磁器の原料になると知った大洲藩は直ちに磁器開発に乗り出したというわけです。

苦労の末、1777年杉野丈助が磁器の焼成に成功。
これが今の砥部焼の始まりです。

砥部焼はみるみる発展し、明治に入ると「伊予ボール」と銘した茶碗が海外にも多く輸出されるようになりました。
1893年には「淡黄磁(たんおうじ)」という淡い黄色の器がシカゴ世界博覧会で一等賞を獲得。
砥部焼の名は一気に知名度があがりました。

砥部焼と民藝

昭和に入ると戦争などの影響で砥部焼は衰退しはじめます。
窯元も減り、粛々と花器などを作っている状況でした。

しかし1953年、民藝運動の先駆者柳宗悦、濱田庄司、バーナードリーチらがこの地を訪れ、砥部焼を高く評価しました。

彼らはろくろや絵付けの手ほどきをし、これを機に砥部焼は復活のきざしをみせました。
今の砥部焼の原型はこのとき形成されと言われています。

その後窯元の数も増え、現在では100近くの窯が日々作陶に励んでいます。

> 民藝って何?民藝の特徴と見極め方

砥部焼の特徴

砥部焼の特徴は形や染付のデザイン・色において圧倒的に他の磁器の産地とは異なります。

まずその器は誰もが砥部焼を語る上で「ぽってり」と表現します。
その理由は全体的な丸みや器に厚さがあるのです。

特に「丸ぶち」と呼ばれる丸みのある器の縁は砥部焼特有の形です。

光を通すような白い磁器に呉須の染付。

青以外も使われますが、有田焼や九谷焼に見られるような派手な色彩や細やかな絵柄はほとんど見られません。

素朴かつ大胆な「唐草文」「太陽文」「なずな文」が代表的な文様となっています。

砥部焼 唐草文

出典:梅山窯

最近はそういった伝統的な砥部の文様とは異なったデザインの器を作成する窯元も増えてきましたが、やはり砥部焼といえばこういった文様。

厚みがあり、高台も高いなんとも愛らしいまるっこい器が砥部焼の最大の特徴であり、魅力でもあります。

夫婦喧嘩で投げても壊れないということから「けんか器」という呼び名もあるほど、砥部焼は日常使いにうってつけの丈夫な磁器です。

染付以外でも青磁の器など、シンプルながらどこか個性的な形に魅力を感じます。

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砥部焼どこで買える?

砥部焼は東京などでも専門店があります。
砥部焼最大で一番人気の窯元、梅山窯をはじめとする砥部焼が実際手に取って選べます。

ぜひその丸みを帯びた愛らしい器のぬくもりを肌で感じてください。

【浜陶】

首都圏には数少ない砥部焼専門店。
愛媛公認の店舗です。オンラインショップもありますが砥部焼に触れたことないという方はぜひお店に出向いて一度手に取ってみてください。

砥部焼の浜陶(東京自由が丘店)
住所:東京都目黒区自由が丘1-14-1-102
電話:03-3724-3525
時間:11:00-18:00 水曜定休
公式サイト:https://www.tobeyaki.info/

【砥部焼TOBEYA】
こちらも東京にある砥部焼専門店。
オンラインショップもあります。

砥部焼TOBEYA
住所:東京都武蔵野市緑町2-4-38 グリーンビレッジ101
電話:080-9688-6656
時間:12:00-16:00 月・水・土曜日のみ
公式サイト:https://tobeyaki.shop//

※2021年2月2日まで実店舗は休業

砥部焼最大の窯、梅山窯とは

明治15年開窯、老舗窯にて砥部焼最大の窯。
砥部焼の伝統を継承しつつどこか現在のライフスタイルにあう器を作り続けています。
ファンも多く、砥部焼の窯元では別格の生産量を誇ります。

長年砥部焼の歴史と発展を支えてきた窯元といっても過言ではありません。
ぜひ一度梅山窯の器をお試しください。
公式サイトはこちら。

梅山窯 公式サイト

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