GW期間、例年なら日本全国のやきものの産地で陶器市が開催されるのですが、2020年はイベントの自粛の影響で中止・延期が相次いでいます。
しかしながらオンラインで開催を決めた陶器市もあります。
今年行きたかった方、毎年遠いこともありなかなか行けなかった方、チャンスです!
本来、陶磁器は手にとって選ぶのが醍醐味と思っている私ですが、今年は別。
作家・窯元がこの陶器市にむけて作った器をぜひオンラインで堪能したいと思います。
オンライン陶器市2020
日本全国の陶器市が延期・中止を決めているなか、「家にいながら陶器市を楽しめる」オンライン陶器市をアタラシイものや体験の応援購入サービス「「Makuake」が企画しています。
参加予定はは
有田焼、唐津焼、波佐見焼、清水焼、美濃焼、萬古焼、萩焼、笠間焼など。
ここにアクセスすれば、GW中に家にいながらすべての産地の陶器市が楽しめちゃうのです。
実際に期間中全部の陶器市を周るのは難しいです。
陶器市は窯元や作家と直に話ができ、手に取り、ひとつひとつ見極めながら器を選ぶのが醍醐味。
ところせましと並べされた作品をぶらぶらと歩きながら見るのは本当に楽しいものです。
ですがザンネンなことに、今年は現地でその楽しみは味わえません。
いつもの楽しみとは違いますが、じっくりゆっくり、しかもこれだけの産地のものが選べるというのは嬉しいことかもしれません。
これは「一度陶器市に行ってみたい。」と思っていた人にもチャンスだと思います。
「○○焼」と言われてもイマイチその特徴が分からないと言う方もいらっしゃるかと思います。
それぞれの産地の陶磁器の特徴をご紹介しておきますので、ぜひ期間中サイトを訪問してみてください。
CRAFT STOREでは一足先に独自サイトでオンライン陶器市を開催。
4月は有田焼です。
陶器市に行ったことないし、何焼きって言われても、、、という方はぜひこちらを参考にしてみてください。
有田焼
佐賀県が産地とする磁器。
器に詳しくない方も一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
日本で一番古い磁器の産地でもあります。
古いといっても陶器の歴史より1,000年以上浅く、2016年400年を迎えました。
有田焼は江戸時代より現在までも日本の磁器産地としてトップの生産量を誇ります。
よく骨董品で「古伊万里」と呼ばれている磁器がありますが、これも有田焼です。
伊万里の港から出荷されていたことから「伊万里」と呼ばれていました。
明治に入ってからは有田市で制作されたものを「有田焼」、伊万里市で制作されたものを「伊万里焼」と呼ばれるようになったそうですが、現在伊万里焼きは有田焼だけでなく鍋島焼、波佐見焼など含む総称のような位置づけになっています。
「雪のように白い地」と称された地に美しい染付の有田焼は古典技法から現代のライフスタイルにあったデザインまで幅広いのも魅力のひとつです。
唐津焼
佐賀県が産地の陶器。日本でも特に古い陶器の歴史があります。
「一楽二萩三唐津」と茶の湯では言われがあるように、昔から茶人に愛された陶器です。
「砂目」と呼ばれる粗い土が唐津焼特有の存在感をかもしだし、さらに素朴な釉薬によりさまざまな器の表情が楽しめます。
古い感じもありながら、意外と今の普段の食生活にも馴染めるのが魅力。
料理を盛るのが楽しくなる「これぞニッポンの器」と言える、趣深い器です。
波佐見焼
長崎県が産地の磁器。
近年は若い人中心に人気があり、陶器市の一部窯元では整理券がないと入店てきないほど。
もともとは有田焼の下請けも行っていたほど独自ブランドというよりは量産に重きをおいていました。
江戸時代後期には日本一の染付の生産を誇る産地となったほどです。
唐草模様を筆で簡単に描いた「くらわんか碗」と呼ばれた丈夫で壊れにくい、厚手で素朴な製品は波佐見焼の代表。
近年は各窯元もブランディングに力を入れ、高価な器というよりかわいい・スタイリッシュなデザインの器も多くなってきて人気もどんどん高まってきています。
清水焼
京都を産地とする陶器。清水寺付近で作成されていたことからこの名がついたとされていますが、京都では陶土はとれないながら八坂焼、音羽焼、御室焼など様々な焼物が点在しています。
そのため、それらを総称して「京焼」と呼ばれるようになりましたが清水焼だけは知名度の高さからその名が残り、近年「京焼・清水焼」と併記するようになっています。
装飾美に富んだ華やかなものから日常に使いたくなるようなシンプルなものまで、幅広く使い手を選びません。
美濃焼
岐阜県を産地とした陶磁器。
陶器・磁器含め、日本一の生産地。
美濃焼は国産の陶磁器の50%以上シェアとも言われています。
歴史は古く、織部と呼ばれる深い緑の釉薬や砂糖菓子のような風合いの志野など、美濃焼の代表的な特徴のものはありますが、統一した様式はなく、陶器も磁器も生産されています。
おそらく日本の居酒屋やチェーン店の飲食店などの過半数はこの美濃焼かもしれません。
(最近は中国製なども多いので一概には言えませんが)
機械による量産体制をとる窯元も多く、産地の広さとその生産方法から安価な日常使いの食器から高価な茶陶まで幅広く作られています。
ただ、間違いなく日常的に使える器であり、手に届きやすい価格も魅力です。
萬古焼(万古焼)
三重県を産地とした陶器。四日市近辺で生産されています。
長い歴史の中デザインは幾度に渡り大きく変わっていますが、近年は耐熱性の特徴を活かした紫泥の急須や土鍋が全国に出回っているため、その印象が強いですね。
蚊取り線香をセットする蚊遣器も万古焼の代表アイテムのひとつ。
万古焼の土鍋は定評があるので特におススメです。
萩焼
山口県を産地とした陶器。
「一楽二萩三唐津」と言われたほど茶陶のイメージが強いですが、登窯でゆっくりと低温で焼かれることでやさしい風合いを持つ萩焼は現在では日用品として人気のある器です。
装飾が少なく、高台(器の底部)の形も独特の切り方があるのも面白いですね。
萩焼の高台の切り方は主に3種類あると言われています。
最近ではポップな色合いのアイテムも増え、若い年齢層にも手軽に使ってもらえるようなデザインのものが増えています。
茶人に愛された陶器ですが、やわらかさとほっこりする風合いの萩焼は万人受けすると言ってもいい安心の器です。
笠間焼
茨城県を産地とした陶器。
昔ながらの梅を浸ける茶褐色の壺などがもともとの笠間焼でしたが、今では昔ならではの笠間焼を制作している窯元は一件もないと言います。
陶器市は現代作家の集大成とも言える作品がずらりと揃います。
笠間焼としてのスタイルがない分、そのバリエーションは豊富で見るだけでも楽しいです。
器に限らず、作家独自の雑貨などアイテムも幅広く、若い方には特に人気があります。
産地独自でオンライン陶器市を開催する予定しているところもあります。
Web有田陶器市
毎年100万人の超えの来場者数という大陶器市、佐賀の有田陶器市。
2020年も第117回の有田陶器市が4月29日~5月5日に開催される予定でしたが、新型コロナ感染拡大予防のため、延期になってしまいました。
開催時期は2020年4月25日段階で未定。
ただ、延期しただけれはありません。
この陶器市期間、ネット上の陶器市開催が決まりました。
120以上の窯元が参加。
現地ではなかなか回りきれない陶器市ですが、ネットならおうちに居ながらゆっくり回れますね。
そのほか、有田焼専門店が軒を連ねるエリアの「アリタセラ」でも独自のオンライン陶器市を開催。
購入は各店舗サイトですが、こちらから購入した方抽せんで30名にオリジナル手ぬぐいが当たるなどのキャンペーンも実施中。
こちらも要チェックです。
期間:2020年4月24日~5日29日
※参加窯元によって開催期間が異なります。
陶器市は作家、窯元にとっては書き入れ時。
大抵の産地では春と秋の年二回陶器市を開催していますが、特にGWが重なることから春の陶器市の売上げは収入に大きく影響されます。
窯元がやっていけなくなることは、日本の伝統工芸がすたれることにつながります。
誰もが大変なときですが、ちょっと支援のつもりでみなさんにオンライン陶器市をご利用いただければと思います。
私ももちろん利用予定です!
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