最近、東京浅草や京都、神奈川の鎌倉、埼玉の川越など古くからの情緒が残る観光地ではレンタル着物ショップが増え、若い方中心に多くの方が利用しているようです。
街中を着物姿で散策するは観光気分を盛り上げるのでしょうか。
では、わざわざ観光するのに着物を借りるのになぜ自分で着物を着る人がすくないのでしょうか。
「着るのが難しい。」
「高い。」
「着る機会がそんなにない。」
など様々な声を耳にします。
それ、単なる先入観かもしれませんよ。
少しでも着物を始める後押しになればうれしいです。
着物を着たいけど着る機会がない
着物ってちょっとレンタルなどで楽しむにはいいけど、自分のものとなるとどこに着て行っていいのかわからない。
実際のところ普段着には難しいとこともあるので、宝の持ち腐れになりかねないって思うかもしれません。
そのお気持ち、分かります。
お茶やお花など、よほどな機会が与えられないかぎり一体どこに着て行けばいいのか、ということですよね。
着物を着る機会は自分で作る
個人的な見解ではありますが、着物を着る機会は「自分で作る」ことです。
これは私自身が着物を着るようになって感じたことですが、着物を着たいから「どこへ行こう」となりますし、よほどのことでないかぎり「着物で行ってはいけないところ」などないのです。
SNSなどでも着物イベントの参加を募るコミュニティなどもあるようですし、日本橋などでは定期的に若者向けの着物や浴衣イベントを開催しています。
最近はちょっとした伝統芸能を楽しむ機会も多くなったので、そういったところに着物で足を運ぶのもいいですね。
もちろん最初は着なれない着物を着て行くというというのは気おくれするかもしれません。
ですが、「慣れ」でしかないので、まずは着物を着て出かけると言う場数を踏めば自然に抵抗もなくなってきますし、慣れてくればおのずと着物を着たいからどこへ行こうかと思い始めます。
着物を着たいけど、着る機会がないと最初から決めつけてしまうのは本当にもったいないことです。
着物を着る代表的な機会
そうは言ってもやはりどんなところに着物を着て出かけるのか。
なかなかイメージできない方に着物で出かけたくなるスポットをご紹介します。
節々である「式」
子どもの入学式や卒業式。七五三や節句の祝いなど。
また友人などの結婚式でもいいですね。特別な時こそ着物で参加できると素敵です。
また最近はお正月に着物や振袖を着る方は少なくなりましたが、初詣に着物でというのも気が引き締まるのではないでしょうか。
歌舞伎・落語・能・相撲など
歌舞伎・落語・能・相撲などのニッポンカルチャーの場は一番着物の似合う場所です。
歌舞伎は着物でないとというイメージを持つ方もいらっしゃるようですが、実際のところ意外と着物の方は少ないです。
ですが歌舞伎座に着物で行くとなると気分もあがるのも事実。歌舞伎に興味ある方は是非!
落語は着物で行く方少ないですが、寄席では夏など「浴衣や着物などで来場の方に割引特典」実施します。
歌舞伎よりカジュアルな着物でも全然問題ないので、着物初心者の方には特におススメのスポットです。
能も和服の似合う場ですね。能楽堂などではちょっとかしこまったイメージもありますのでそれなりの着物が必要となります。
私は相撲を実際見に行ったことがないのですが、テレビなど見てもちらほら着物の方がいらっしゃいます。
着物で行く場所=敷居の高い場ということでなく、日本の伝統の場には着物がよく合うということです。
お茶会
お茶を実際やっている方はもちろんですが、やられていない方もたまに大寄席の茶会などのお誘いを受ける方もいらっしゃるかと思います。
お茶をやっていない方も参加できる茶会は割と気軽に参加できものも多いですが、服装だけはきちんとしましょう。
洋服で参加も問題ありませんが、着物率高い場でこそぜひ着て行きたいですね。
(お茶会は洋服の方がかえって気を使うという方もいらっしゃいます)
美術館・展示会
実際着物の方も結構見かけます。
ちょっとお出かけ気分も重なり、テンションがアップしますね。
美術品より陶磁器など工芸品の展示会には着物姿の来場者が比較的多いように感じます。
屋形船・食事会
屋形船の場合、夏なら浴衣でもいいですね。着物なら割とカジュアルなものが似合います。
江戸時代より親しまれている屋形船。和服での参加なら気分も一層盛り上がります。
また、料亭やホテルなどでの食事会ならちょっと服装にも気をつかいたいもの。
着物ならきちんと感もでて、かつ華やかさもプラスされるのでうってつけです。
着物イベントに参加
冒頭でも触れましたが、着物イベントというものは検索するとけっこうあるものです。
日本橋などで行われる「着物サローネ」などは代表的なもので気軽に参加できる呈茶や着物着用のお客さんには特別割引など周辺のショップもまきこむイベントも数多くあります。
街を散策
わざわざレンタルショップで借りるくらいなら、自分で着て出かけてみては、と個人的には思ってしまいます。
最近流行りの街中を歩くためのレンタル着物は一目で「レンタル」と分かるものです。
着物を知っている人からは「もう少し着物らしいものを貸出しできないものか。」という意見もでてくるほど。
ちょっとしたお楽しみで着るのだからそれでもいいと言われればそれまでですが、、、、。
それでもあえて申し上げるなら、自分の着物を着るだけでもぐっと周りと差がつきますよ。
おしゃれ着感覚で着物でお出かけできるようになると、それだけで楽しいです。
まだまだありそうですが、代表的なものはこんな感じです。
最近は花火大会やお祭りなどで浴衣を着る方が増えているので、もっと範囲を広げればもっともっと着物や浴衣を楽しめる場はあるんです。
反対に着物を避けたほうがいいシチュエーションはショッピングでしょうか。
着物だとまず服などの試着はできませんし、基本的に荷物を手に持たないとなりません。
洋服なら自分のカバンはショルダーバッグやデイパックなどであとはショッピングした際のものだけ持てばいいのですが、着物だと全部手持ちになるので大変です。
着物で荷物が多いのもサマになりませんしね。買い物は洋服をおススメします。
※こちらはあくまで個人の見解です。
では着物を始めるにあたって何から始めたらいいのでしょうか。
着物を着たいけど何から始めていいのか分からない
着付けを習う?着物を用意する?
何をどうしていいのかわからないためにまず順をおって見て行きます。
知っておきたい着物のお約束事
着物って難しそうというイメージを持つ方もいるかもしれません。
確かにちょっと決まりごとみたいのがあるんですよね。
最近では大分ゆるくなってきましたが、最低限知っておきたいお約束事をあげておきます。
着物には格があることを知っておく
「格」というと難しいですね。
格の高い着物は「礼装用」低いものは「カジュアル」とされます。
考え方は洋服と同じですね。
これは帯や帯締めなどにもあり、ここで詳しく書くとちょっと混乱されるかと思いますので割愛します。
まずは和服にも「礼装」から「カジュアル」まであるということを覚えておいてください。
当然、着物を着る目的で着物の格が決まってきます。
いつ着る?季節によって異なる仕様
着物にも洋服同様シーズンによって変わります。
大分その境が近年の温暖化によりあいまいになってきましたが、一般的に6月~9月は一枚仕立ての単(ひとえ)を着ます。
(正確には盛夏には薄物と呼ばれるもっと薄いものになりますが)10月~5月は裏地(着物の場合裏地とは言いませんが)つきの袷(あわせ)の着物となります。
最近は月で決めず、その月の最高気温などで単になるか袷になるか決まるようです。
最近では5月くらいから10月中旬まで単を着る方も多くなってきました。
ただよほどの理由がないかぎり最初の着物は袷にするパターンの方が多いですね。
季節を守る
着物ではシーズンが終わるともう次のシーズンまで着ません。
花とか歳時的なもの、果物などですね。
桜などの小紋も着物の柄でよくありますが、桜が散ったらまだ春の陽気が続いていてももう次のシーズンまで着ないことが基本ルールです。
着付けを習おう
最近は出張着付けサービスもあるので、まずはそういったものを利用するのも手です。
好きな日時に予約して家まで来てもらう仕組みです。
割合安価で着付けしてくれます。
まずは着物を楽しみたいという場合はおススメです。
ただ、今後着物を楽しみたいという場合はこの際着付けを習った方がいいと思います。
着付け学校に通わなくても回数少なく個人で教えている方もたくさんいます。
個人で教えている方に教わると割と早く分からないことにポイントをおいて教えてもらえます。
着付けのために必要なものをそろえる
たまに浴衣の着付けをお店に予約して、当日浴衣と帯だけ持ってくるお客さんがいらっしゃると着付けを受け付けているお店の方に聞いたことがあります。
女性の場合、おはしょりもするのでいろいろ必要になってくるんですね。
着付けサービスを依頼する場合はその方に、着付けを習う場合は教えてもらう方、または着付け教室に指示をもらってください。
最近は着付けセットとして楽天やAmazonなどでも購入できますし、百貨店の呉服売り場、またはリサイクル着物ショップの店員さんにそうだんすると揃えてくれます。
店舗の呉服屋さんは仲良くしておくと、後々相談にのってもらえるのでいいですが、最初はちょっと敷居が高いかと思います。
着物を着たいけど着物を持っていない
着付けを頼むにしても自分で習うにしても着物や帯にくわえ、着付けに必要なものを諸々揃える必要があります。
着物を安く入手するには
着物と帯っていきなりそんな高いもの買えない!と思うかもしれませんが、リサイクル着物などを上手く使えば割と安価に購入できます。
(少なくても街中のレンタル着物よりいいものが手に入ります)
着物は箪笥に眠っているものが全国で何兆円とも言われているほど。
そう、あなたの身近な方。親や親戚、祖父母などきっと眠っている着物があるはずです。
まずはそういったところから聞いてみるのもいいかもしれません。
サイズが合わなくても買うより安い値段で直せます。
練習用としてまずは一枚を決めてもいいですし、気に入った一枚を見つけて「これを着てお出かけする」と決めれば着付けをマスターするモチベーションにもつながるかと思います。
サイズが合わないとき
着物にもサイズがあるんですよね。
特に昔の着物と現代では仕立ての仕方や体格が異なるので大抵は袖(着物では裄(ゆき)といいます)が短かったりします。
どこに持って行ったら直してもらえるのか、ネットでも受付しているとこもありますが、まずは自分のサイズを知らないとはじまりません。
呉服屋さんやリサイクルショップなどでもリサイズの受付をしてくれるので、相談してみましょう。
そこでまずは自分のサイズを測ってもらってください。
さいごに着物の楽しみとは
ここまで読むと「やはり着物って大変そう。」と感じるかもしれませんね。
でも最初だけです。
用意するものなどをそろえないといけなかったり、教室を選んだり。
ですがまったくわからないところから自分で着られるようになると、どんどん着物で出かけたくなって行きます。
普段洋服のときとは違ったおしゃれを楽しみ、さらに着物を通し行動範囲も広がるかもしれません。
レンタル着物をわざわざ利用するくらいなら着物を楽しむ一歩踏み出してみませんか。
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