衣替えの季節。
着物も同じですが、洋服ほど出し入れの頻度が少ないため保管方法を誤ると次のシーズン着ようとしたときに後悔することに。。。
そんな失敗をしないための着物の保管法と湿気対策情報を集めました。
着物を長持ちさせる保管ポイント
着物を傷める要因は以下の5点。
- 湿気
- 汚れ
- 紫外線
- 虫
- 化学反応
つまり、これらに気をつけて保管すれば、着物はずっときれいなまま着ることができます。
防虫には気をつけている方は多いと思いますが、盲点なのは除湿剤と防虫剤を複数使用していること。
それぞれガスが発生するので化学反応が起こりやすくなり、結果着物を変色させてしまいます。
また、紫外線に関して気をつける点は直射日光だけではありません。
日当たりの良い部屋はたとえ着物に直接日光が当たらなくても反射で紫外線量は多くなります。
着物を干しているときは極力蛍光灯は消してください。
保管している箪笥やケースが窓を通して日光に当たるという場合も中で焼けることがあるそうです。
箪笥やたとう紙にしまっているからと安心せず、徹底した日光対策を。
蛍光灯の光も着物の染料は焼けます。
そのほか収納方法も気をつけてください。
収納場所
着物をしまうのは桐箪笥が最適と言われています。
それは桐の素材が適度に湿度を保ってくれ、抗菌作用があるため虫やカビが発生しにくいと言われているためです。
昔から桐の箪笥に着物を保管したのにはちゃんと理由があったんですね。
桐箪笥に入れておけば安心というわけではありませんが、比較的トラブルはおきにくいと思います。
桐箪笥というと、おばあちゃんの家にあった立派なものを想像するかもしれませんが、最近は住宅事情にあったコンパクトな桐の引き出しなどもあります。
桐箪笥は無理!と一蹴せずちょっと探してみてください。
意外とコンパクトで10枚前後の着物なら余裕で収納できる桐の引き出しがあります。
プラスチックの衣装ケースでも着物は保管できます。
ただし桐より通気性は悪いので、より湿度管理は注意が必要になってきます。
大きさはなるべく大きいものを選んでください。
二つ折り用たとう紙を収納する場合は幅85~90cm、 奥行き40~45cmほど必要です。
三つ折りたとう紙にしても幅70cm以上、奥行き40~45cmほどが必要です。
桐箪笥にしてもプラスチックケースにしても高温多湿の場所・直射日光の当たる場所には置かないというのは鉄則です。
また桐箪笥の場合、ある程度裏側両脇に空気の通り道ができるよう、壁や他の家具との間に少し隙間を作ってください。
着物のしまい方
どんなに質の良い桐箪笥に着物を収納しても、そのやり方が間違っていればやはりカビが発生したり虫の被害にあったりします。
後々後悔しないための着物の正しいしまい方のポイントをまとめました。
これらをいい加減にすると後で後悔することになりますよ。
畳み方としまい方
しまうとき、当たり前ですが汚れをすべてチェックし、気になったところはクリーニングに出してからしまいます。
クリーニングに出さない場合は、丁寧に着物を畳んでからたとう紙に入れてしまいます。
もしたとう紙が黄ばんでいたり、シミができていたりしたら新しいものに取り替えてください。
着物にそのシミの要因が移ります。
たとう紙に包んで引き出しやケースに収納するときも、着物がたとう紙の中でずれないよう下からしっかりと持ってなるべく平行を保つようにしてください。
たとう紙の中で着物が寄ってしまい、そのまましまうと畳みしわがよってしまい、場合によってそれをとるために専門店にプレスをお願いしなくてはならない場合もあります。(私は経験あり・・)
また、ウールは虫を寄せ付けやすいのでウールの着物と正絹・綿の着物は同じ引き出し、ケースにはしまわないようにしてください。
湿気は下にたまりやすいので一般的に引き出しの場合、着用頻度が低いものや帯など厚手のものを上段に、中段に袷など、下段には薄物や単などを収納するのが理想的とされています。
特に黒留袖など生涯で数回しか着ないようなものはカビ被害が最も多いと言われています。引き出しの上段にしまい、たとえ着なくても年に2回ほどは虫干ししたほうが安心です。
防虫・防湿対策
防虫剤と除湿剤は必須。
ですが様々なものの併用は避けてください。ガスが発生し着物を変色させます。
特に防虫剤はピレスロイド系以外を使用するときは注意してください。
また、防虫剤を変えるときも注意。
それまでの防虫剤の薬剤を着物が吸い込んでいるため、やはり変色の原因となります。
除湿剤はシリカゲルがおススメです。
金・銀糸使いの着物や帯は化学反応起こしやすいので防虫剤は離しておいてください。
また、たとう紙によく中身が分るように透明フィルムの窓がついているものがありますが、そのフィルムの近くに防虫剤を置くとガスが発生しやすくなります。
そこも離して置くようにしてください。
重ね方
引き出しや衣装ケースにしまうとき、たとう紙の中の着物が同じ向きでなく互い違いになるように重ねた方がしわになりにくいです。
また、引き出しいっぱいに詰め込まず、もう1枚入りそうなくらい余裕をつくってしまいます。
帯と着物は別々に収納するのが望ましいですが、もし重ねる場合は帯を一番上にします。
帯は芯があるので湿気をため込みやすいのであまり重ねすぎないほうがいいですね。
収納枚数と同じ引き出しにしまうもの
着物と一緒にゴムやプラスチックなどが使われている小物類をしまうのは着物を傷める原因となります。
帯締めなども含め、着物と小物はしっかり分けて収納するようにしましょう。
着物保管中の湿気対策
どんなに気を付けてしまっても、しまいっぱなしにすれば当然湿気はたまってきます。
着物保管中はシーズンオフのものも含め、たまにたとう紙から出し、1日程度虫干しし、湿気を取ります。
たとう紙にシミなどが発生していたらそれも交換してください。
それ以外でも引き出しを開け、できればサーキュレータなどで引き出しの中に風を送ります。
定期的に引き出しや衣装ケースの空気を循環させることが大切です。
こちらのカビ対策の記事も是非ご参考ください。
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