着物をいざ着ようと引っ張り出したらぷ~んと鼻をつく何かの臭い。
そんな経験ありませんか?
中にはネットなどでリサイクル着物を買ったら臭いがきつかったという場合も。
着物の臭いの原因の多くは「カビ」と「防虫剤」。
防虫剤の臭いなら、いかにも昨日箪笥から引っ張り出しましたと言っているようなもの。
ちょっとカッコ悪いですよね。
着物の着始めの一番の悩みは臭い。
臭いの原因と臭いの取り方のご紹介です。
着物カビの原因と臭いの取り方
汗や湿気、ファンデーションのシミなどを除去しないまま箪笥にしまうと、そこからカビが発生します。
そのカビが臭いの原因となっているのです。
生地に生えたカビは洗濯やアルコール、熱処理によってある程度対応できますが、着物の場合これらの対応ができません。
自宅でできるカビ臭の取り方をご紹介しますがカビ臭は湿気を含むとにおいます。
消えたと思って着てみるとだんだん汗と共にカビ臭が再度におってくることも。
根が深そうとおもったら専門店に持って行きましょう。
着物の表面に白カビを取る
できれば外で、部屋なら窓を全開にし、手袋、眼鏡、マスクをして行います。
布地でカビ部分を軽く叩いて落とします。強くこすると生地に入り込んでしまいます。
使用した布地や手袋は作業後ビニール袋にいれしっかり口をしばり、捨てます。
陰干しする
陰干しは臭いを取るときだけでなく、一年を通してたまにやっておくと虫食いや臭い防止になります。
直射日光が当たらないところになるべく袖も広げるように干します。
3時間くらい干したら日を暮れるころに取り込みます。
できれば3日~1週間やります。
カビの発生状況によっては臭いが取れるまで1ヶ月くらいかかる場合があります。
風をあてる
室内に袖が広がるかたちに吊るし、着物の正面に風があたるよう扇風機をおきます。
ある程度風を当てたら、今度は背中側から当てます。
部屋の窓は開けてください。
ドライヤーの冷風を使ってもOKです。隅々まで風を当てられますが、ちょっと大変かと思います。
温風は使わないでください。
台所用置型消臭剤
え?と思うかもしれませんが、意外と着物好きの方の間では人気だそうです。
ただし、数日かかります。
置き型の無香料消臭剤とごみ袋、布テープを用意します。
着物をたたんでごみ袋に平らの状態で入れます。
消臭剤を端の方に置きます。着物の上に乗らないようにしてください。
ごみ袋の口をテープで封じ、数日おきます。
数日してから袋の口を開け、臭いをチェック。
まだ残っていると思ったらまた口を閉じて2~3日おきます。
着物と消臭剤が直接触れると、変色する可能性があるので注意してください。
洋服で使うような消臭スプレーは着物にはNGです。
また、スチームアイロンは縮みが発生する可能性があるので、要注意です。
炒った茶葉をお茶パックにいれ、たとう紙に着物と一緒に包んで数日置くという方法もあるようですが、お茶がらを使う場合は水分を十分に取らないとシミになります。
どれでもやりやすい方法でいいと思いますが、スプレーに慣れた私たちにとっては時間がかかって大変と思ってしまいますね。
防虫剤の臭いの取り方
室内で吊るしておけばある程度臭いはとびますが、時間はかなりかかります。
カビ取りと同じく、1日外に干して日が暮れる頃に取り込み、これを繰り返します。
室内でもいいですが、蛍光灯でも焼けるので注意してください。
臭いをつけないための手入法
まずは臭いをつけないのが第一です。
- 脱いだら1~2日干す
- 食べこぼし・メイクが付着したらクリーニングに出す
- たまに箪笥から出し陰干しする
- 防虫剤は無臭タイプを選ぶ
- 除湿剤をマメに取りかえる
- たまに箪笥をカラにして箪笥にこもった臭いを消す
特に着てからしまうまでの手入れは重要。
十分湿気をとり、水を含ませたコットンをよく絞り衿や脇、袖口や裾周りなどをしっかり拭きます。
箪笥の消臭は重曹などが使えます。
ヒバなどの消臭効果のある自然素材のものが安心です。
防虫剤などがたまに着物に触れると化学反応を起こし変色の原因になります。
着物と長く付き合うために
着物は手入れが大変!と思いがちですが気負わず、気づいた時に虫干しするだけで面倒なことは一切ありません。
もし、シミや変色に気づいたり、どうしても臭いが取れない場合は近くの呉服屋さんか、悉皆屋(しっかいや)さんに相談してください。
長く着れば着るほど愛着もわくし、身体に馴染んできますよ。
楽しんでくださいね。
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