夏にたっぷり楽しんだ浴衣。
当然暑い日に着たので汗もたっぷり。
シーズン終わってさっとクリーニングに出さず、自分でしっかり汗抜きしましょう。
来年も気持ち良く着るためのメンテナンス方法です。
浴衣は自分で洗う?クリーニングに出す?
浴衣を自宅で洗うメリットはなんといってもコスト。
安ければ1,000円くらい。高いと数千円になります。
シーズン終わりならいいですが、うっかり雨などで汚してしまったらクリーニングに出すと1ヶ月近く、戻らないことも。
シーズンも終わってしまいますよね。
その点、自宅での洗い方をマスターすれば気になった時に洗えます。
自宅洗いか迷ったときのチェックポイント
自宅で洗うかクリーニングに出すか迷ったら以下をチェック!
★浴衣を陰干しするスペースがない
★洗った後にきちんとたためない
★アイロンがかけられる自信がない
浴衣を自宅で洗うのが大変なのは干すときと最後の仕上げ。
その仕上げがよれよれになると来シーズンの着姿に影響がでます。
やっぱり自信がない。と思ったら諦めてクリーニングに出した方がいいでしょう。
ちなみにたたみ方はこのあと説明しますが、動画などでもたくさんあがっていますので今できなくても大丈夫です。
私も以前、家で洗ったものの、アイロンがけとたたみはとても苦労しました。
今はたたみ方もマスターしたので、アイロンがけさえなんとか頑張ればそれなりに仕上がります。
浴衣をクリーニングに出すときの注意点
それでもやっぱり自信がない、という方はクリーニングに出してください。
その際、「汗抜き」をしっかりしてもらうこと。
ドライクリーニングでは汗は落とせません。
もしちょっと良い浴衣なら普段利用しているクリーニング店でなく、専門店にお願いしたほうが安心です。
少し料金は高くなりますが、色落ちなど最低限におさえるよう配慮してくれますし、何より染めに関してはプロです。
プリント生地の浴衣であればさほど気にする必要はありません。
浴衣のクリーニングは街中のクリーニング店で取扱いがあります。
安価ですが、正直洗い方は不明。ドライクリーニングの場合もあるので「汗抜き」はお願いしましょう。
その場合、別途料金がかかる場合がありますが、そこはちゃんと処理していただいたほうがいいでしょう。
専門店はネットで探すとけっこうあります。
浴衣を送付すれば洗って返送してくれるシステムが一般的。
呉服屋さんでもちょっと良い浴衣のクリーニングなら受付けてくれます。
また、チェーン店のリサイクル着物ショップなどでもクリーニングの取扱いがある場合があります。
来年もパリッと着るための浴衣の洗い方
汗をかいたあとの皮脂が残ると変色の原因になります。
また、汗の皮脂はドライクリーニングでは落ちないので、水洗いが必須です。
「浴衣って家で洗えるの?」
という声を良く聞きますが、浴衣は基本的に綿なので洗えます。
ですが念のため洗濯表示で確認してくださいね。
水洗い禁止の表示がついていたらクリーニングに出してください。
ただし型崩れや色落ちには要注意です。
洗う前にチェック
まずは浴衣の目立たないところ(右前身頃の端など)で色落ちをチェック。
白い布に使用する洗剤(中性洗剤)をつけて浴衣の目立たない部分をこすってみます。
色が移るようなら、浴衣の白い部分に色が流れてしまうので、クリーニング屋さんに相談してください。
シミ・汚れをチェック
食べこぼしなどのシミはシミの部分に直接、洗剤をつけ、優しくもみ洗いします。
ファンデーションや日焼け止めなどによる襟元の汚れは、クレンジングオイルを直接汚れたところにつけて歯ブラシで軽く一定方向にこすります。
出先で雨などに降られると裾に跳ねあげの泥が付いている場合も。
泥汚れは十分乾燥させ、乾いた歯ブラシで軽く一定方向にこすります。
そのあと、普通の洗濯をします。
浴衣の洗い方
洗濯機でも手洗いでもOKですが、乾燥機は型崩れの原因になるので、避けてください。
また、お湯は絶対使わず必ず水で洗ってください。
【洗濯機で洗う場合】
1.浴衣をたたみ、洗濯ネットに入れます。
洗濯ネットは中で浴衣が動かないよう、ぴったりサイズを選びます。
2.洗濯機に入れ、中性洗剤で「ドライコース」で洗う。
3.脱水は軽く。30秒くらいかけたら取り出します。あまり強く脱水するとシワになります。
【手洗いの場合】
たらいなどがあればいいですが、最近の家庭にはなかなかないと思うので、浴槽を活用してください。
1.水をはって中性洗剤を溶かします。
2.浴衣をたたんだまま、水につけ、押し洗いします。
3.洗濯ネットに入れ、1分くらい脱水します。
4.新しい水をはり、ネットに入れたまま浴衣を入れ、押しながらすすぎます。
5.最後に洗濯機で30秒程度脱水します。
色落ちが気になると言う方は塩かお酢を洗剤と一緒に入れてください。
水1リットルにつき大さじ1杯くらいが目安です。
最後に洗濯のりをつかうとほどよいハリがでます。
【干し方】
なるべく袖を広げた状態で、直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干しします。
日光に当てると色あせの原因にもなります。
和装用ハンガーがない場合は、物干し竿にS字フックをかけ、袖に突っ張り棒を通した浴衣をS字フックにかけます。
S字フックが動かないよう、洗濯ばさみなので固定してください。
袖に普通のハンガーを入れて干すと、重みでしわがつきにくくなります。
【アイロン】
少しずつずらしながらかけていき、かけたところから軽くたたんでいきます。
面積が大きいので、注意しないとかけた後にしわができてしまいます。
綿なので、スチームを使用しても大丈夫です。
ただし、本たたみは十分湿気を乾かしてからに。
しわにならない浴衣のしまい方
着物・浴衣の本たたみできちんとたたみます。
本たたみのやり方は以下を参考に。
和服は洋服と違って平面的に仕立てられているので、面白いほどペタッとたためます。
和服のたたみ方
1. 衿を左になるように平らにおき、下前の脇線にそって折り返します。右の袖は身頃の下に折り返します。
2. 下前のおくみの縫い目を折り返します。後ろ襟を衿方明の縫い目で内側に折り返します。
3. 下前の衿とおくみの上に上前の衿とおくみを重ね合わせます。
(この時点では背縫い部分で合わせないので気持ち悪いですが気にしない)
4. 下前の脇線に、上前の脇線を重ね合わせ背縫い部分を整えます。全体に平たくのばします。
(ここで背縫い部分がぴったり折り目になります)
5. 左袖を袖付から身頃の上に折り返します。
6. 身頃をしまう場所の寸法に合わせ折り返します。
通常は二つ折りですが、しまうスペースにより三つ折りにする場合も。
衿先は中へ折り込みます。
しわにならないよう、ちゃんとしまいます。
浴衣保管の注意
一年しまいっぱなしではカビや虫食いなどの被害にある場合があります。
定期的に虫干しするのが理想ですが、なかなかできないと思います。
浴衣をしまうときはできれば着物用保存袋に入れて臭いや湿気、カビや虫から防ぎます。
保存袋まで用意できない場合は、たとう紙に包みます。
その場合は着物用防虫シートなどをはさんでおくと安心です。
プラスチックの衣装ケースなどに入れる場合は除湿剤と防虫剤を入れてください。
浴衣には直接触れないようにしてください。化学反応おこして変色する可能性があります。
一見、チェックポイントが多そうですが、一度やってみると案外できると分かるはずです。
一番面倒なのはアイロンかもしれません。
でも大切な浴衣。
翌年も楽しめるようにしわのできないよう、しっかり畳んで大事に収納してくださいね。
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