久しぶりに着物を着ようとしまいっぱなしにていた着物を引っ張り出したらなんか匂う。
その匂い、もしかするとカビかもしれません。
広げてみると白いものや黄色っぽく変色したとこなど。。。
特に滅多に着ない喪服や留袖などはカビトラブルが多いと聞きます。
カビの応急処理と対処法のご紹介です。
着物のカビ匂いが気になったら
匂いが気になったら必ずカビがどこかで発生しています。
着物を広げてどこかに白っぽい斑点や変色したものがないかをチェックします。
表面に付着したような白っぽいカビなら拭き取り、匂い取りします。
拭き取り方法についてはこの後にご説明しますね。
目に見えない場合は繊維奥に発生している可能性ありです。
まずは和服用ハンガーやバスタオル用ハンガーなどに着物をかけ、陰干しします。
なるべく袖を広げて干してください。
干す場所は直射日光の当たらない風通しの良いところ。
湿度の低い日を選んでください。
屋外で干す場合
直射日光の当たらない風通しの良いところに3~4時間干します。
時間帯は午前中から日中まで。
日が暮れるまでにはでは取り込んでください。
布団を干して取り込むタイミングと同じです。
できれば数日同じ要領で干します。
屋内で干す場合
室内でも日の当たらない場所を選んでください。
カビの菌が舞う可能性もあるため、窓は開け、換気は十分行ってください。
扇風機やサーキュレーターを使って空気の流れを作るのも手です。
できれば数日干しっぱなしにします。
茶葉を使う
緑茶の茶葉には消臭効果があります。
出がらしの茶葉でよいので、それをフライパンで水分が完全になくなるまで炒ります。
弱火でゆっくり炒ってください。
カラカラになったら冷まし、お茶パックに入れるか和紙や半紙に包みます。
干した着物をたとう紙にいれるときに一緒に入れ、数日おきます。
着物のカビ発見!応急処置法
着物のカビ取りは専門店に出し、カビ除去の処理をしてもらわないと完全除去はできません。
ただ、一回専門店に出すと1カ月くらいは戻ってきません。
時間がある場合はいいですが、そこまで待てないという場合は応急処置で適応します。
ただ、目立つ場所にかなりすすんだカビはやはり自己処理は難しいということだけ覚えておいてください。
カビは発生して時間経過とともに色が変わってきます。
「白」→「黄」→「黒(こげ茶)」と色が変化し、着物生地そのものの色が変わってきます。
専門店でなんとか対応できるのは、「黄」カビまで。
黒っぽくなったカビは発生から10年以上経過している可能性があるため、もう生地も変色し弱っています。
こうなると無理に仕立て直しなどしても、生地が避けるなどの事態が発生します。
白のカビならまだとりあえずの自己処理ができます。
着物の白カビ応急処置
むやみにこするのはNG!
着物の取り扱いには十分注意してください。
布できればベルベットなど少し毛足の長い布で「軽く払うように」拭き取ります。
できれば窓を開け、換気を十分にし、マスクをしたほうがカビ菌が舞い上がったときも安心です。
使う布は柔らかいものを使用してください。
洋服用の柔らかい毛のブラシでもOKです。
繰り返しになりますが、強くこすると生地にカビが入り込んでしまうため、軽くこする程度にしてください。
目立たなくなったら匂い取りの項目でご紹介した通りに陰干しします。
陰干しは匂いが気にならなくてもやります。
絶対やってはいけないこと
応急処置でやりがちな対処で絶対NGのことをあげておきます。
「やらないように」注意してください。
・水で濡らすまたは濡れ布で拭き取る
・消臭スプレーなどをかける
・アイロンをかける
・直射日光を当てる
一見、カビを死滅できそうな対応ですが、着物には絶対NGです。
アルコールも着物の変色の原因になる可能性があるので避けたほうがいいでしょう。
乾いた柔らかい布で軽く拭くのが鉄則です。
着物のカビ取り方法
自己処理はあくまで応急処置。
カビ菌を完全に除去しないと、箪笥にしまったらまた増殖します。
1.専門店に持っていく
まずは悉皆屋さんや相談できる呉服店などに持っていき、カビの状態を見てもらってください。
何も言わずに「洗ってください。」というと、丸洗いされるだけです。
丸洗いではカビ菌は消滅しません。
また再発する可能性があります。
2.対処法を決める
カビ取りのためにシミ抜きが一般的な処理法ですが、場合によっては洗い張りや色補正などしないとならないこともあります。
一般的に黄色っぽいカビまで進むと洗い張り(一旦全部ほどいて反物にしてから洗うやり方)が必要になってくるようです。
値段も当然大きく異なるのでよくお店の方と相談して決めてください。
カビ取りクリーニングの料金はお店や着物の種類によって異なりますが目安は8,000~15,000円くらい。
3.きちんとしまう
クリーニングから戻ってきたら新しいたとう紙に包んでしまいます。
もし厚紙などを敷いて返ってきたら厚紙は取ります。
箪笥の中もきれいにしておくことも忘れずに。
除湿剤はしっかりいれ、年に最低1~2度は虫干ししてください。
こちらの記事もぜひご参考ください。
一度しっかりカビ取りしたら、もうカビを発生させないようにメンテナンスしっかりしてくださいね。
定期的な虫干しや除湿が結果的に余計なお金をかけないくて済みます。
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