着物や帯のカビ対策と収納法

着物や帯のカビ対策と収納法

袷から単衣、単衣から袷へ着物の衣替えのタイミング。
しっかりカビ対策しないと、次に着るときには黄ばみや点々としたシミが、、、

そんなことにならないよう、しっかりとしたカビ対策を。
カビが発生してからでは後悔します。

まずは予防が第一。

着物のカビ対策のご紹介です。

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着物のカビの原因

着物だからカビが生えやすいということはありません。
ただ、着物は洋服に比べると一般的に着る頻度が少なく、都度洗濯しません。

着た後に湿気を取ったとしても結局は収納時に湿気がこもることになります。

結果、洋服よりカビが生えやすくなります。
箪笥などに重ねて収納する着物はカビの温床と言ってもいいかもしれませんね。

いくつかのカビの原因をあげておきます。
覚えておくと今後のカビ予防となります。

汗・食べこぼし

食べこぼしはカビの好物です。
栄養満載なので、ここに湿度と温度など環境が整えばとたんに発生します。

また、意外と放置しがちなのが汗ですが、汗は水洗いしないと落ちません。
基本的にはしまう前に専門店で汗抜きをしてもらうことが望ましいですね。

収納法

引き出しなどに着物や帯をぎゅうぎゅうにつめていませんか?

着物は重ねて収納するしかないのですが、引き出しに余裕ないほど入れると当然引き出しの中の空気の流れが悪くなります。

カビは空気の流れがあるところには発生しません。

ひとつの引き出しに最低あと1枚入るかなくらいの枚数に抑えておいたほうがいいですね。
空気の流れがなくなるという理由からプラスチックケースも注意が必要です。

着物の包み方

たとう紙、取り替えていますか?
目安は2~3年と言われています。

クリーニングから返ってきたときによく厚紙がたとう紙に敷いてある場合がありますが、そのまま箪笥にしまうっていませんか?

厚紙や薄紙などははずしてからたとう紙に包みなおし、箪笥にしまわないと余計な湿気を吸うだけでなく空気の流れが悪くなり、カビが発生します。

カビの原因は温度、湿度、栄養分です。
25℃以上の温度で、70%以上の湿度で一気にカビの発生率が高まります。

カビの原因は間違いなく収納の環境にあります。
今一度見直してみてください。

着物のカビ対策

では実際どのようなカビ対策が必要なのでしょうか。
私自身も実践しているやり方で、けっして風通しのよい部屋ではありませんが、カビは発生させていません。

衣替えのタイミングに洗いに出す

シミや汚れはカビの栄養素。
袷から単衣、単衣から袷へ衣替えのタイミングで一度洗いに出します。
すべての着物を出す必要はありませんが、チェックして少し汚れが気になるもの、着た時に汗をかいたもの、シミがついたものはためらわずに洗いにだします。

シミがついていても汗もかいていないし、汚れも気にならない場合はシミ抜きだけだと少し安くすみます。

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虫干しする

最低年2回は虫干しします。

7月下旬~8月頃、10月下旬~11月、1月下旬~2月の期間が虫干しに適していると言われていますが、雨上がりなど湿度の高い日は避けてください。

和装ハンガーやバスタオル用ハンガーなどに着物をかけて直射日光に当たらない風通しの良いところにつるしておきます。

サーキュレーターなどで意図的に風を当ててもいいですね。

朝10:00~15:00くらいが最適。
干しっぱなしにしないでください。

目安は2時間程度でOKです。

空気中の湿度が高くなると、その湿気を着物が吸ってしまいますので注意してくださいね。

なかなか虫干しできないというときは引き出しを開けてサーキュレーターなどで風を送ります。
これだけでも引き出しの中の湿気が飛ぶので効果的です。

ですが、畳んだ着物の内側まではなかなか湿気はとれないので、少なくても年に1度は虫干ししてください。

収納方法を見直す

着物は1枚ずつたとう紙に包み、しまいます。
たとう紙が湿気を吸っている可能性があるので、たとう紙も干すか新しいものに取り替えてください。

古いたとう紙がシミやカビを誘発させるという話も聞きます。

また、しまう場所はできれば湿度を適宜調整してくれる桐ダンスがおススメ。
最近は着物用桐の引き出し収納家具も販売されています。

一段にぎゅうぎゅうに入れず、もう一枚入るくらいのゆとりをもって収納してください。
着物が互い違いになるよう重ねたほうが安定します。

防虫剤・乾燥剤は、きものや帯に直接ふれないように引き出しに入れます。
化学反応をおこすため、除湿剤・防虫剤は1種のみにしてください。

100%シリカゲルのものが着物に適していると言われています。

着物にカビが生えたときの対処法

気を付けていても着る機会が少ない着物はどうしてもカビや変色などが発生しがち。
実際そのような事態になっても、自己処理は危険。
迷わず専門店に出しましょう。

その際、クリーニングに出すだけでなく、必ずカビがここに発生したということを伝えてください。

ただし、もしすぐに着る必要がある場合、応急措置をします。

濡れ布などでこするのはNG!
絶対やっていはいけません。

部屋にカビ菌が舞わないよう、できればベランダなどに着物を干します。
柔らかい布でカビを「軽く」払います。

強くたたいたり、こすったりするとカビがどんどん生地の奥に入り込むので注意してください。

布はベルベット(ビロード)やベロアなど毛羽立ったものがあると尚いいですね。

ある程度目立たなくなったらその程度でとどめておき、一度着たら専門店に出します。
カビは根が深いので必ず一度洗いましょう。

ちなみに白いカビでなく、黄色いシミのようなものが出てきていたらもう繊維奥までカビが繁殖しています。こうなると着物を全部解いて洗ってから仕立て直す「洗い張り」しないときれいになりません。
(袷の場合は裏は総取り替えとなります)

また、目には見えなくてもなんとなくかび臭いという場合も必ず専門店に出します。
この場合も洗い張りになる可能性大です。

以上、クリーニングが高くついてあまり頻繁に出せない着物はまずカビを発生させないことが重要。
これは帯も同じです。

帯は芯もあるため、もっと湿気を含みやすいので要注意です。

カビはやっかいなので、発生させないことが重要。

私は引き出しに新聞紙でくるんだヒバチップを入れています。
ヒバは自然由来のものなので化学反応を起こすこともないですし、カビや虫予防効果が期待できるのでお勧めです。

香りが弱くなったらヒバ油などで香りを足します。
着物にも多少移りますが、防虫剤の匂いよりは全然いいと思います。

新聞紙や備長炭のシートなどは、適度な湿度を保ってくれるのでおススメです。

あとで後悔しないよう、たまの虫干しは怠らないようにしてくださいね。

> 着物のカビ取りと臭い取り

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