福井県の越前和紙・岐阜県の美濃和紙と並んで日本三大和紙に数えられている高知県の「土佐和紙」。
手漉き和紙というとあまりなじみのないという方もいらっしゃるかもしれませんが、実は意外と身近なところや意外なところに使用されています。
外国人観光客にも人気の和紙アイテム。
日本人なら知っておきたい三大和紙のひとつ、土佐和紙とは。
土佐和紙の特徴と魅力
和紙といっても驚くほど産地によって特徴が異なります。
基本的な材料は同じなのですが、漉き方ひとつで驚くほど個性がでるようです。
土佐和紙は高知県南国市、土佐市、吾川郡いの町周辺で作られています。
土佐和紙の特徴は日本で一番薄い和紙と言われています。
県の無形文化財に指定されている、「土佐典具帖」という文化財の修復などに使用される土佐和紙においては0.03~0.05mmほどの厚さで、日本で一番薄い和紙とされています。
薄いながら丈夫さも折り紙つき。
国内外で高い評価を受けています。
土佐和紙の魅力
土佐和紙は品質の良さはもちろんのこと、種類が豊富です。
他産地は和紙の需要の減少からあまり多くの種類の和紙を作らなくなってきています。
そんな中、土佐和紙は現在でも300を超える種類の和紙が生産され続けています。
薄くて丈夫で種類も多い土佐和紙からは財布やふすま、インテリアアイテムまで幅広いアイテムが作られています。
ちょっとしたブームのちぎり絵などにも適しています。
和紙の特徴は土佐和紙にかぎらず、丈夫でしわになりにくく、水にも強いという特性があります。
何百年前の古書がまだのこっているのも、腐食しにくい特性をもつ和紙だからと言われています。
土佐和紙歴史
土佐和紙は平安時代930年ごろ、歌人であった紀貫之によって伝えられたとされています。
(諸説あり)歴史としては1000年以上となります。
江戸時代、「土佐七色紙(とさなないろがみ)」という草木染で作られた7色の色紙が、土佐の特産品として江戸幕府へ献上されたことにより、その技術が知られることになりました。
土佐藩は和紙の原料、楮(こうぞ)の生産を支援。
土佐和紙の生産は発展していきました。
江戸時代後期、吉井源太氏が大型簀桁(すげた)を考案。
「すげた」とは極細の竹ひごを絹糸で編んだござのようなもので、その上に絹をひいて紙を漉きます。これにより、それまで1度に半紙2枚くらいしか漉けなかったものが、8枚まで量産できるようにしました。
そのうえ、和紙をもっと身近に使えるよう、改良したりと、和紙の利用価値を大幅に広げる活動をしました。そのため、彼は「土佐紙業界の恩人」「紙聖」などと称されました。
彼の功績なしには土佐和紙はここまで発展しなかったと言われています。
こうした歴史を重ねながら今もその極上の和紙の生産技術は受け継がれ、1976年土佐和紙は国の経済産業大臣指定伝統工芸品に指定されました。
土佐和紙を使ったグッズ
土佐和紙はその薄さと丈夫さからさまざまなアイテムに展開されています。
ちなみに主な製品は書道用紙、手工芸用紙、表具用紙、障子紙、絵画版画用紙などです。
土佐和紙壁紙
和紙を壁紙として使うなんてなんとも贅沢な話。
それは風合いが良いというだけでなく、壁紙としてのメリットもあります。
主なメリットはこちら。
一部有害物質(ホルムアルデヒドなど)を分解
湿度を調整してくれる
環境に優しい
破れても上から補修できる
そのほか、室内の明るさが柔らかくなるなどもあります。
ただ、水回りには使えなかったり、普通のビニルの壁紙と比較すると少々割高などのデメリットも。
もしリフォーム予定があったら一部屋壁紙をこだわってみてはどうでしょうか?
> 土佐和紙壁紙
インテリアライト
和紙の照明器具はもう定番となりつつありますね。有名な彫刻家イサム・ノグチのakariシリーズは有名ですね。
あれは岐阜提灯から発想を得たとされています。
土佐和紙の照明も数多く出ています。
和紙の中にほわっと浮かぶ光をぜひ楽しんでください。
> とさぶし
スマホケース
和紙は丈夫なので、しっかり成形すればしっかりとしたプロダクトになります。
和紙なので滑りにくく手になじみます。
もちろん、防水加工しているので濡れても大丈夫。
他の人とかぶりたくないという方要チェック!
iPhoneの全機種対応しています。
> Creema
美容パック シートマスク
どんなに肌にいい美容液が染み込んでいても、シート自体が肌に負担のかかるもであっては論外!
このシートパックは純土佐和紙を使用しているので、肌には安心。
土佐和紙は薄くて丈夫なので、破れたりせず肌に優しくフィットします。
贈り物にもいいですね。
和紙は加工次第で様々なアイテムが作り出せます。
紙ならではの柔軟さとその温かみを感じる触感、楽しんでください。
2023年現在、 高知県製紙工業会に登録されている職人さんの数は20名弱。
ずっとこの技術が継承されていくことを願うばかりです。
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