博多帯の格と合う着物

女性の着物用帯ではもちろんのこと、男性用の帯としても人気の博多帯。

博多織は、福岡博多が主な産地からその名がつきました。

丈夫で粋な博多帯は江戸時代から江戸でも大人気となりました。
その博多帯はどんな合わせ方がいいのでしょうか。

格と失敗しないコーディネートについてのご紹介です。

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博多帯とは

江戸時代、歌舞伎衣装に用いられたことにより大流行。今も男帯はもとより遊女・芸者の帯として歌舞伎衣装には欠かせない帯となっています。

相撲界では十両以上にあがるまで博多帯を締めることを許されません。
かつては教皇ヨハネ・パウロ2世の祭服にも博多織が用いられたこともあり、「HAKATA JAPAN」という商標で世界に広がっています。

歴史

博多織といえば博多帯。着物より帯のほうが人気が高く、多く出回っています。

その帯の中でも代表的なものは献上柄。
その柄をみれば「博多帯」と分るほど定番柄です。

博多織は福岡県博多ほか、福岡市内・福岡県内外各地で作られています。

鎌倉時代、博多商人・満田彌三右衛門氏が宗で取得した唐織の技術をもとに博多で織物を作成。
これが博多織の始まりとされています。

江戸時代、博多織の反物や帯が福岡藩より幕府に献上されるようになります。
やがて献上博多、博多献上などと呼ばれるようになり、これが今の博多帯の代表、献上柄となります。

献上の際は五色献上といって古代中国(隋)の思想、「木・火・土・金・水」の五つとする五行説に色を合わせ青(仁)、赤(礼)、黄(信)、紫(徳)、紺(知)が作られました。

明治以降、技術革新により機械化も進み、博多織はさらに幅広い商品開発をすすめ、世界にも流通の幅を広げます。

やがて1976年、国の伝統的工芸品に指定され、現在も人気の織物となっています。

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博多帯の特徴

博多帯の献上柄

博多帯の献上柄の縞の模様にも意味があります。

博多帯の献上柄は「中子持縞(なかこもちじま)」「両子持縞(りょうこもちじま)」「華皿(はなざら)」「独鈷(どっこ)」で成り立っています。

中子持縞は親子縞とも言い、「親」を意味する太い線の間に「子」の細い線で成り立っている縞です。
家内安全の意味が込められています。

両子持縞は孝行縞とも言い、中子縞の反対で子が親をはさみます。
子孫繁栄の意味が込められています。

独鈷は仏具で煩悩を破砕するとされています。
華皿は供養の際、散布する花を入れる器です。
このふたつは魔除け、厄除けの願いが込められています。

締めるときは上下があり、華皿が上になるように結びます。

博多帯の結びやすさ

博多帯の特徴として結びやすさがあげられます。
「一度結んだら緩みにくい」と言われる秘密は博多帯のその織り方にあります。

経糸(縦糸)の本数が多く、そこに太い緯糸を細かく打ち込む博多織特有の織り方が、丈夫で結んだときに「キュッ」と絹擦れの音がするほど。

初心者の方でも結びやすい帯として人気があるのはその博多織の特徴にあります。

博多帯に合う着物

シンプルで一見どの着物にも合わせやすそうな博多帯ですが注意すべきは「格」と「風合い」。

着物との合わせ方次第でちょっと不釣り合いに見えてしまうので要注意です。

博多帯の格

博多帯は礼装用の袋帯など幅広く出回っています。
ものによりますが、一般的な博多帯は八寸名古屋帯で決して格の高い帯ではありません。

セミフォーマル用の袋帯も展開されていますが、お茶会などに締めて行けるものかどうかは見極めが必要です。

おススメコーデ

博多織は夏着物によく合います。
それはそのキメの細かい織の独特のツヤと献上柄の幾何学的なスッキリとした風合いが涼し気に見えるため。

袷の季節では小紋や大島紬などによく合います。
単衣仕立ての博多帯なら、麻着物に合わせると涼感が出て、凛とした印象になります。
あまりふっくらした着物にはちょっと不釣り合いに見えるかもしれません。

江戸小紋や唐桟縞に合わせてもキリっと全体的に粋に見せてくれますね。

多色使いの着物より、シンプルなものに合わせたほうが博多帯本来の存在感がでます。

一本持っていると何かと重宝しますので、おススメですよ。

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