備前焼で飲むビールが美味しい理由 | 暮らしの器

備前焼でビール

「器で飲み物や料理の味が変わる?」

よく耳にする言葉ですが、まんざら気のせいでもありません。

特に飲み物の場合、直に器に口をつけ、その香りを間近で感じるので器の影響力は大きいようです。

ぐい飲みなどは、日本酒の香りはその形状によって変わるとも言います。

そして今回は備前焼でビールを飲むと美味しく感じる理由について。

私は備前焼のビアマグでビールを飲み始めてからやめられなくなりました。
その魅力についてのご紹介です!

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備前焼でビールが美味しくなる理由

「ビールは喉ごしと切れ味」とはテレビCMなどでのキャッチ。

否定はしませんが、ビール好きにとっては「泡のバランス」とか、「冷え加減」など重視しませんか?

ガラスを冷やしたところで、冷蔵庫から出した瞬間、常温に戻り始めます。

「冷えたビールの温度をなるべく長く保ちたい!」

そんな希望をかなえてくれるのが、備前焼のカップです。
ビールはグラスで飲むものと決め付けているあなた、もったいない!

まずは備前焼のマグでビールを飲むと美味しく感じる理由から説明しますね。

1.きめ細やかでクリーミーな泡

備前焼のカップにビールを注ぐと、その泡立ちに驚くはず。
ガラスに注ぐようなテクニックは一切不要

どう注いでもキレイなきめ細かい泡が立ちます。

また、この泡、ガラスと違ってすぐに消えません
ぜひその泡の感触も一緒に味わっていただきたいです。

備前焼のカップに泡がたちやすいのは、表面の細かい凹凸。
釉薬を使わない備前焼の表面は土がそのまま焼き締められた細かいデコボコがあります。

それが摩擦となり、ビールのクリーミーな泡を作り出します。

2.遠赤外線効果

ある研究で備前焼からは遠赤外線が認められたそうです。
この効果により、水やお酒の口当たりがまろやかになると言われています

3.保温効果

「備前水瓶の水が腐らない」と言われるほど、一定温度をキープできます。
備前焼のマグに注いだ冷たいビールも当然ぬるくなりにくいのです。

ガラスのビアカップで比較すると、断然備前のほうが温度を保っていることに気づくはずです。

そもそも備前焼とは?その魅力について

備前焼というと、ちょっと懐石や茶道などで使われる渋い器といった印象ではないでしょうか。
そもそも備前焼と聞いて、ピンとこない方もいるかもしれませんね。

ちょっとその歴史と特徴をお話しておきましょう。

備前焼の特徴

岡山県の備前市伊部(いんべ)地区を中心に作られています。
「六古窯(ろっこよう)」と呼ばれる、中世から現在まで続く窯(焼き物)の産地のひとつです。

歴史としては1000年を超えますね。

「ひよせ」と呼ばれる粘土質の土が特徴。
伊部では3mくらいの深さを掘ると、この土がでてくるそうです。
その土を窯元・作家さんたちが共同購入する前提で掘り出します。

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備前焼は登り窯で約2週間、1200~1300℃の高温で焼きます。

釉薬を使わないため、温度・火・薪の灰のかかりかたなどでその表情は大きく変わり、1点として同じものはないと言われています。
釉薬をかけていないにもかかわらず、その種類は意外とあります。

遠赤外線効果や通気性などから飲み物がマイルドになる、ビールがぬるくなりにくい、切り花が長持ちするなどのメリットがあります。

備前焼の魅力

釉薬を使わない備前焼ですが、薪として使う赤松が燃えて灰が窯の中で舞い、器の上にかぶってそれが釉薬の役割を果たします。
また、火の当たり具合などでも色などが大きく異なってきます。これを「窯変(ようへん)」と言います。
備前焼はまさにこの偶然できる美が魅力。器の表情は豊かで、手に馴染みやすいのもいいですね。

備前焼の手入れ法

備前焼含め、陶器は洋食器の磁器と比べると少しだけ手入れに注意が必要です。

釉薬がかかっていない備前焼のような焼き締めの器は、土の細かい気泡が多く、そこに水分や洗い残しなどがあると途端にカビが発生します。
(何を隠そう私も経験があるのですが、、)

ちょっとしたひと手間で器の表情も変わってきて、重宝します。
(よく器を育てると言います)

購入したら

購入したら、使う前に十分流水で洗ってください。
そしたら一度煮沸します。

大き目のお鍋に水をはり、その中に器を入れてゆっくりと温度を上げていきます。
いきなり沸騰したお湯に入れると割れる可能性も。

沸騰したらいつまでも入れておく必要はありません。

使う前

軽く水に浸すと臭いや油、色移りなどが防げます。
浸す時間がない場合は、流水でいいので軽く水分を含ませてください。

特にコーヒーなどは色素が器に移りやすいので、毎日使うなら直前に水分を浸透させてください。

てんぷらや焼き魚を盛るときは、なるべく長めに水につけます。
また、懐紙やキッチンペーパーを畳んだものを敷くとさらに油分と臭いの浸透を防げます。

使った後

食洗機はなるべく避けてください。
備前焼はけっこう固く、強いので大丈夫という話もありますが、けっして安い器ではないので避けた方が無難です。

普通の洗剤でいいですが、気になる場合は重層などのほうがいいかもしれません。

備前焼は焼き締めのため、表面に気泡がいっぱいあります。
そのため、器そのものに水分を多く吸収します。

洗ったあとはすぐにしまわず、丸1日くらい自然乾燥させてからしまうことをおススメします。
私は水切りかごで水を十分切り、翌日別のかごに移して乾燥させてから食器棚にしまいます。

備前は気泡が多いので、そこに汚れや水が残っているとカビが発生します。

備前焼のアリがちなトラブル

備前焼はそのものは固いのですが、釉薬がかかっていない分、淵などが欠けやすいです。

そんな時は金継ぎをおススメします。
備前焼に金のワンポイントが入るとまた違った魅力がでます。

また、カビが生えた場合は購入時と同様に煮沸してください
備前焼はキッチンハイターなどは使えません。

備前焼は使えば使うほどなめらかになり、色も深くなってきます。
特別の日だけでなく、毎日の晩酌やお茶を飲むときにぜひ使ってください。

ビールを備前焼で飲み始めると本当にやめられなくなりますョ♪
清々しく見えない!と言ってた人もすっかりとりこになっています。

若干値段が高い印象があるかもしれません、専門店や個人の作家から購入すればさほど高くはありません。

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