神社で扱われているお守りや縁起物。
どんな意味があり、どんな効果があるのでしょうか。
数打てば当たるなんてあれもこれもと買ってしまっていませんか?
ちゃんと意味を知ってこその縁起物。
ご加護を賜るための前知識です。
縁起とは
縁起物の「縁起」とは仏教の因縁生起(いんねんしょうき)の考えから来ていると言われています。
因縁生起とはすべてのものがつながり、その関係性(縁)からすべて結果が出るということ。
今では善し悪しの前兆のような意味で使われますね。
特に何か事を成し遂げようとするとき、人は「縁起を担ぐ」意味で社寺のお守りなどを求める傾向にあります。
新年は特に一年無事に過ごせるよう縁起物は神社に多く扱われます。
でもそれって何の意味があるってご存知ですか?
ただやみくもに買えばいいわけではありません。
社寺で受けるお守りや縁起物はそれぞれの由来によって異なります。
また、同じように各社寺で扱われているものすべて同じ意味ではありません。
ちゃんと意味を知って、しかるべきご利益を賜るようにしたいですね。
効果別縁起物5選
どれもよく見かける縁起物ですが、それぞれにはちゃんとした意味があります。
知っておきたい縁起物とその役割です。
お守り・お札
各神社のご祭神の名前や霊威が記されていて、神前でお祓いをしたもの。
神様のご分身とも言われています。
常に身につけたり、家に祀ることで、災いから防ぎます。
縄文時代の勾玉(まがたま)が起源ともいわれるほど歴史が古く、平安時代には懸守(かけまもり)という如来像が彫られた木がおさめられていました。
貴族の間で流行った懸守は江戸時代になると庶民が肌身離さずに持ち歩くようになりました。
余談ですが、お守りは「一体」「二体」と数え、神様は「一柱」「二柱」と数えます。
埼玉県三峰神社「気守り」は元フィギュアスケーターの浅田真央さんが持っていたということから人気がで、今では授かるのは期間限定。
また、大阪にあるサムハラ神社の厄除け御神環(御守り指輪)は3カ月待ちという人気ぶり。
人気のあるお守りがご利益あるとは言い切れませんが、ちょっと気になるのも確か。
一方お札は人というよりは家・会社など大事な場所の厄除けとして祀るお守りです。
絵馬・破魔矢
絵馬はよく受験を控えた方が志望校の合格祈願を書いて神社に託すものでお馴染み。
もともとは社寺に馬を奉納されていましたが、その代用として馬の絵を書いた板を奉納するようになったことから「絵馬」と呼ばれるようになりました。
その絵馬とセットとされるのが「破魔矢」。
破魔矢は正月に弓を射るときに使われていたもので、邪気を払うとされています。
大抵正月しか授かりません。
招き猫
右手をあげているのは「お金を招き」、左手をあげている招き猫は「人を呼ぶ」とされています。
そもそもなぜ猫なのでしょうか。
江戸時代、彦根藩主の井伊直孝が江戸の豪徳寺で鷹狩りの帰り一休みしようとしたところ、白い猫が手招きするようなそぶりをします。
何気にその猫に近づいていくと、その瞬間背後の寺門に落雷。白い猫によって難を逃れたということが招き猫の始まりとされています。
当時の住職はこの猫が死ぬと弔いのためのお墓を作ったそうです。
その弔いのために造られたのが招き猫。これがお金を呼ぶ縁起物になった経緯は諸説あるようです。
熊手
酉の市でお馴染みの熊手。酉の市ほど豪華絢爛な熊手を取り扱っている社寺はありませんが、小ぶりの熊手は見かけます。
酉の市の熊手と意味は同じく、運や福をかきこむという願いからきた縁起物です。
なかなか酉の市に行けないと言う方はお参りの際、授与品所で探してみては。
御朱印
お参りした印でもありますが、神社の御朱印は御祭神の名前や霊威が記された御印とも言われています。
最近はちょっとしたブームでスタンプラリー化していますが、本来はお参りし、神々のご加護が宿るものとされています。
安易なコレクションとしてでなく、ちゃんとご加護をいただく気持ちが大切なようです。
変わり種 縁起物
社寺によって独自の縁起物を扱っている場合もあります。
北海道滝川市江部乙神社「狛犬お守り」
日本全国でも珍しい笑う狛犬がこの神社には鎮座しています。この狛犬、実は福を呼ぶパワースポットとしても人気があります。
その狛犬をデザインした「狛犬お守り」。
ここの狛犬は阿吽と雄雌一体になっているので、二つ賜るのもいいですね。
山形県南陽市「熊野大社
満月の夜、ひとつの恋の成就を願い月の光と三羽のうさぎがその思いを神様に届けてくださいます。
月に一度のえんむすび祈願祭「月結び」参列者限定のお守り。
月ごとに新色のお守りがいただけます。
縁起物の求め方
社寺で授与されるものは初詣やお参りの際いただけばいいでしょう。
ただ、中には1日にしかいただけないお守りや、正月の期間のみの縁起物などもあります。
最近ではネットなどで購入できることもあるそうですが、お参りをしてそのご加護を受けるものとしてお守りはあります。
どうしても、と言う場合をのぞきちゃんと足を運び、神様にご挨拶してからお守りはいただくようにしましょう。
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