着物を着るとき悩みのひとつとなるのが草履。
歩いているときに痛くなって草履を引きずるようになり歩き方も悪くなってきたり。
せっかくの着物姿が台無しです。
草履で痛くなる要因と対処法についてご紹介です。
草履で痛くなる要因とは
草履を履いていて痛くなる主な要因は「鼻緒ずれ」。
鼻緒と指や足の甲が擦れて痛くなるのです。
主な原因は
- 素材
- サイズが合わない
- 形状が合わない
- 履きなれていない
それ以外の箇所、たとえば親指と人指し指の股の部分が痛いなどといった場合、履き方に問題があると考えられます。
まずは順を追ってチェックしてみてください。
草履の履き方
草履の履き方は鼻緒の中心部(「前坪(まえつぼ)」)までしっかり足を入れずに、前坪を指で挟むような形で歩きます。
そのため、指の間が痛くなる場合は、草履のサイズが大きすぎるか鼻緒が緩すぎる可能性があります。
ちゃんと草履を履いている場合は前坪を挟んでいる指が擦れて痛むか、鼻緒が足の甲に擦れて痛むか、概ねそのどちらかです。
鼻緒の素材
鼻緒の素材や太さによっても鼻緒ずれがしやすい、しにくいがあります。
あまりに履いて出かけるたびに傷むようなら鼻緒自体に問題があるのかもしれません。
鼻緒が細く、固いもの(エナメルなど)はどうしても擦れやすくなります。
痛くなりにくい素材については後ほどご説明します。
草履のサイズと形状
そもそもサイズが合っていない場合もあります。
草履は靴と異なり、S・M・Lなどといったざっくりとしたサイズ展開となっています。
足の幅が広い幅広の方の場合は、E・EEなどを選びます。
また、足の甲が高い甲高の方は鼻緒のすげ方で調整してもらいます。
鼻緒の付け根などが足に当たって痛いという場合は足の幅に対し草履の台が狭いことが考えられます。
また、鼻緒があたるところすべて痛いという場合も草履のサイズが小さい可能性があります。
履きなれていない
そもそも履きなれていないことも、痛くなるひとつの要因となります。
草履や下駄を履きなれていない場合、足の甲や指に履き物の一部がピンポイントに当たるということが普段ないため、擦れやすくなってしまいます。
履くうちに鼻緒も馴染んできますので、少しずつ慣れるようにしてください。
痛くなった時・痛くなる前の対処法
考えられる要因が分かったところで、予防法と対処法のご紹介です。
履く前の対処法
草履を買ったら、鼻緒をしごいて軟らかくします。
鼻緒の素材によりあまりやわらかくならないものもありますが、まずは足の甲のカーブに合わせるようにしごいてください。
また足を入れてみます。(必ず足袋を履いてくださいね)
草履の履き方は親指と人差し指の間は前坪から少し間を開けます。
指の股で鼻緒をつっかけるのでなく、指と指で前坪を挟んで歩きます。
指と指の間奥まで足が入るようであれば鼻緒が緩すぎます。
正しい履き方をして鼻緒の形状を調整してみてください。
どうしても足の甲に鼻緒がきつく当たるという場合は以下の画像のようにすこしゆるめます。
ただ、一旦緩めてしまうと、自分ではきつくすることはできないため、一気にやらず少しずつ加減を確かめながら行ってください。
履いてから痛くなった時の対処法
事前に少し調整したうえで、実際何度か履いてみて痛くなる場合はどこが痛くなるのかチェックします。
指と指の間、股の部分なら足を入れ過ぎ、または草履のかかとが高すぎることが考えられます。
指と指の間、指が鼻緒に擦れて痛い場合は、前坪を少しひっぱり、緩めてみてください。
緩めすぎに注意してくださいね。
・何度か履く
・鼻緒が当たる箇所を少し緩める
何度か履いていると鼻緒が足の形に沿ってきますし、軟らかくなってきて足に馴染んできます。(素材によりますが)
自分で調整してみて、何度か履いても駄目なら、購入店に持って行って鼻緒を変えてもらうことをおススメします。
鼻緒を変える場合は、もちろんお金はかかりますが痛い草履をずっと履き続けていくのもつらいです。
思い切って事情をお店の人に伝え、足に当たりにくい鼻緒を選んでもらってください。
ただ、ネットで購入したものや草履の種類によっては鼻緒をすげ替えることができません。
そのときは予め靴ずれ防止のテープや絆創膏などを貼っておくのも手です。
痛くなりにくい草履の選び方
草履は自分に合ったものを選ぶとあとは慣れです。
草履の選び方は、当然フォーマルかカジュアルかなどでも選ぶポイントが異なってきますが、ここではまず「痛くなりにくい」草履選びのポイントをみていきます。
素材
鼻緒の素材によってかなり変わります。
一番痛くなりにくいのは布素材の太めの鼻緒。
ふっくらとしているのであたっていても摩擦が少なく、鼻緒ずれしにくくなります。
布地の鼻緒も仕立て方に数種あり、裏地が表にまで回り込んだ福林仕立てという仕立て方が一番当たりが優しいと言われています。
ポイントは表地と裏地の縫い目が足に当たらないかどうか。
革やエナメルの細い鼻緒はカッコイイですが、どうしても食い込んだり、擦れて痛くなりがちです。
前坪部分も革より布の方が痛くなりにくいです。
実際お店で試し履きさせてもらい、比較してみてください。
サイズ
サイズは靴とことなり、S・M・L・LL、さらに幅広の方のためにE・EEなどがあります。
ですが、靴のサイズにこだわらず、まずは履いて確かめてください。
草履はネットでの購入はおススメしませんが、どうしてもの場合は細かくショップ側に相談してから購入するようにしてください。
お店選び
草履専門店がおすすめです。
なぜかというと大抵は草履の台と鼻緒が別々に販売されていて、好みの組み合わせができるようになっています。
台と鼻緒を選べばその場で職人さんがすげてくれます。
もちろん、実際足を入れて鼻緒の緩みの調整もしてくれます。
その後のアフターフォローしてくれるかどうかも確認してください。
草履は底にラバーが貼ってあり、だんだんすり減ってくるので定期的に取り替える必要があります。
意外と多いのが「他店で購入した草履はお断り」というお店。
買った後は近くの履きもの屋さんにお願いすればいいかと思っていると、受付けてくれないなんてこともあるので、そのあたりも考慮にいれてお店選びをしてください。
おススメのお店はこちら。
来店の際は必ず足袋を持参してくださいね。
着物は歩き方ひとつで着姿がぜんぜん違ってきます。
たかが草履と安易に選ばず、きちんと自分にあったものを履いて、鼻緒ずれで泣かないようしっかり履きならしていってくださいね。
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