最近は噺家さん(落語家)もテレビやドラマに出ることも多く、落語を聴きに行ったことは一度もないと言う方も2~3人は知っているのではないでしょうか。
テレビ出演されている噺家さんふくめ、一度は落語というものを聴きに行ってみたいという方のための基礎知識をご紹介。
もっとも基礎知識なんて知らなくても、十分落語は楽しめるのですがw
一番気軽な伝統芸能ともいわれる落語のお話です。
はじめての落語そもそも何が面白い?
お笑いの芸人ネタは旬をすぎると笑えなくなってくるのに、なぜ古典落語など江戸時代に作られたネタが笑えるのか。
理由は
「噺の内容が笑えるのでなく、噺家の技によって笑えるネタになるため。」
落語の噺を字面で読んでもまったく笑えません。
「滑稽な話だな。」と思うくらいです。
それが噺家さんが高座でその噺をやることによって、生きたネタになるんです。
お笑い芸人のネタに慣れた方にとってはいまいちピンとこないかもしれませんが、事実です。
また、落語には「落とし噺」「人情噺」「怪談噺」「艶噺」「芝居噺」など滑稽ネタばかりではありません。
だからこそ何度聞いても飽きることなく落語の噺が聴けるのです。
さらに同じ噺を聴いても噺家さんによってまったく違う噺に聞こえます。
当然笑いポイントも違ったり。
だからこそ古典落語は今も寄席で爆笑できるのです。
人間心理として「こういう人身近にいる」という共感や人間模様をありありと描くので「人って面白い」と感じる点など、ついつい噺の中の世界に入り込んでしまう、そんな感覚に陥ります。
落語の面白さはこういったところにあります。
落語の噺の種類
落語の噺には主に以下4種類があります。
噺の最後にいわゆる「オチ」があるもの。
笑いが主体の一般的な「落語」のイメージされる噺です。
寄席でもほとんどがこの落とし噺です。
笑いや落ちのない、まさに芝居の語りのような噺。
歌舞伎の演目と共通するものもあります。
「牡丹灯篭」などが有名ですが、いわゆる幽霊噺。
これも歌舞伎演目と共通の噺があります。
恋愛モノや遊郭の噺。
歌舞伎のように太鼓など音曲をつかって芝居仕立てに一席設ける。
古典落語の演目数は500くらいとも言われています。
その中で真打の噺家さんが覚えるのは平均で一人200~300くらい。
噺家さんによって得意ネタがあるようなので、そんなものを少しずつ知っていくのも楽しみの一つですね。
知っておきたい落語の基礎知識
落語を楽しみ始めると度々こんな言葉が聞こえてきます。
私が「それって何?」と思ったこといくつかあげていきます。
江戸落語と上方(かみかた)落語
落語は大きくわけて二種。
「江戸落語」と「上方落語」。
江戸落語は江戸(東京)で生まれ、上方落語は京都・大阪発祥の落語です。
現在では上方落語は大阪の落語を指しています。
違いは細かいところをあげるとけっこうありますが、一見してわかるのは上方は
見台・ひざ隠しを使うところ(江戸落語は座布団のみ)。講談のように噺の合間に台をたたきながら話します。
また、上方落語には「ハメモノ入り」という三味線や鳴りものが入るものが多くあります。
江戸落語にはあまり見られません。
噺家さんのランク
「見習い」→「前座」→「二つ目」→「真打ち」とあがっていきます。
一般的に「師匠」と呼ばれるのは「真打ち」にあがってから。
この制度は江戸落語だけで、上方にはありません。(廃止されたそうです)
落語のルーツ
実は落語のルーツははっきりと分かっていません。
お坊さんが修行僧に説教する際、途中飽きて聞かなくなるので面白おかしく話したことがルーツとも、殿様に聞かせていた小噺が落語に発展したとか、短い小噺がまとまって落語の演目になったなどなど、
様々な説がありますが、一番よく耳にするのはお坊さんの説教説です。
そのため、今でもお寺で一席という落語イベントも随所で行われていますね。
寄席文字
寄席で使用される文字の字体です。
寄席などに行くと出演者をこの字体で書かれているのですが、なにせ読みにくいです。
江戸文字のひとつで、歌舞伎文字や相撲文字とも似ています。
大入りを願い隙間なく、丸っとおさまるような願いからあの書体が生まれたと言われています。
せっかくなので、寄席に行ったらそんなことも注意してみてくださいね。
どこで誰の噺を聞く?情報入手方法
東京なら本屋さんで「東京かわら版」という小冊子が売っています。
小さい落語イベントから寄席の予定出演者まで細かく掲載。
どの噺家さんがいつどこで高座に出るかがすぐチェックできます。
また、かわら版の指定ページを東京の寄席4会場の木戸銭払うときに見せれば割引も。
(ただし1会場1回のみ)
ご贔屓さんがいるなら、その噺家さんの公式サイトをチェックしてみてください。
今後の予定が分かるはずです。
東京の寄席に行きたいと言う場合は、以下の公式サイトで出演者をチェックしてください。
ちなみにですが、イベントや仲間同士の集まりなどの場に噺家さんを招待し、一席お願いすることも可能です。
意外と噺家さんはその辺の融通はきかせてくれます。
もちろんスケジュールと予算が合えばの話ですが。。。
まとめ
気軽に、寄席なら365日いつでも楽しめる落語。
「昔の噺なんて笑えない」と言わず、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
今大人気の講談師、神田松之丞さん(現:伯山さん)も初めて寄席で聞いたときは「講談ってこんなに面白かったっけ?」と感動しました。
それと同じく、きっとあなたの「ツボ」にはまるお笑いがありますよ。
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