講談とは 歴史と代表演目

講談とは 歴史と代表演目

神田伯山さんの人気から空前の人気となっている講談。
落語と比べるとなかなか馴染のない方も多いかもしれません。

今伯山さんが人気絶頂の中、一度は講談聞いてみたいとい方。講談のことをもっと知りたいという方、講談についてチョット知れば、実際聞いたときにきっと楽しめるはずです。

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講談とは

釈台(しゃくだい)と呼ばれる机にいきなりハリセンでバチン!と台をたたきつけるところから始まる講談。

話の節々でそのハリセン(正確には張扇[はりおうぎ]といいます)でパパツパパン!と力強くリズミカルに台をたたきます。
これが講談。

講談師はよくもここまで噛まずに言葉をつなげるものだと感心するほど、手振りをつけながら早口で語り続けます。そしてたまに話の注釈が入り、これがちょっとした話のつなぎ目になります。

難しい歴史ものもいつの間にかその講談師の語りに引き込まれてしまうから不思議です。

落語と講談の違い

上方落語も台をおいて行います。
ハリセンはないですけどね。

では落語と講談ってどう違うの?

落語はネタの登場人物を演じ分けます。
つまり台詞を噺家がそれぞれの人物になりきって台詞を言うのに対し、講談は語り。講談師は第三者の立場で物が語りをリズミカルに語ります。

ただ、講談の語りは身振り手振りを加え、リズミカルなので退屈ということはありません。
歴史ものは確かにストーリーが難しいものもありますが、そこは講談師の腕の見せ所。

歴史に興味のない客も。講談は興味ないという客も一気に引き込みます。

日本一チケットの取れない講談師という神田伯山さんはこのあたりのつかみは抜群。
さすが300年に一人と言われる講談師です。

近年の講談ブームの背景

なんといっても神田伯山さんの襲名が火付けとなったことは間違いありません。
松之丞時代から人気だった伯山さん。襲名きっかけに300年に一人の天才講談師とも言われ、講談は一気に注目を浴びることとなりました。

今まで講談が寄席の主任(トリ)になることもなかなかなかったのですが、今や伯山さんが勤め、連日大入りになるほど。

講談の歴史

元は「講釈(こうしゃく)」と言われていました。
現在もこの言葉は残っていますので、聞いたことのある方も多いでしょう。

元々は戦国時代の御伽衆(おとぎしゅう)と言われています。

御伽衆とは戦国時代、戦いに疲れた大名を癒すための話し相手であり、相談相手であったと言います。
当時の時代劇になる物語を多少脚色しながら語っていました。

江戸時代、家康の側近赤松法印は南北朝時代の動乱を描いた「太平記(たいへいき)」を読むのに長け、「太平記読み」と呼ばれていました。歴史を語る独自のスタイルを確立し、講談師の祖と呼ばれています。

芸として確立し、講釈師たちはやがて町の角(辻)で芸を披露していたことから「辻講釈」という言葉もできました。

町の大道芸の一つだった講釈はやがて庶民の人気芸となり、常設小屋で演じられるようになります。

明治時代に入ると、軍記だけでなく狂言などの題目も語られるようになり、これを機に「講談」と呼ばれるようになりました。

講釈とは注釈をつけながら物語を語ること、講談とは多種多様な物語を語ることを指すそうです。

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講談の代表的演目

講談には「連続物」と一席で話が完結する「一席物」があります。
大きく分けると3ジャンルに分れます。
「御記録物」「世話物」「軍談」という感じです。

特に人気の講談の演目をいくつかご紹介しておきます。

軍記:源平盛衰記「扇の的」

講談でもよく語られる演目のひとつ。
源平の合戦の一連の物語で「保元の乱」から始まり「五條の橋」、「青葉の笛」、「扇の的」など人気が高いと言われています。

特に扇の的は歴史ものにうとい観客も思わず聞き入ってしまうほど臨場感たっぷりの演目です。

源平合戦でも最も有名なシーン、平家の舟で掲げられた扇。日の丸が描かれています。
「これを射よ」と源氏を煽ります。

矢が外れればあざ笑い、もし日の丸を射ることがあれば源氏は朝敵となることになります。
扇を狙うポイントはひとつ、扇の要部。
揺れる舟から狙うのは至難の業。

さて、その結果は?

この緊張感張り詰めた場面を情感たっぷりに講談師が語ります。

寛永宮本武蔵伝(かんえいみやもとむさしでん)

おなじみ宮本武蔵の話。
二刀流の伝説の剣豪武蔵が、し西へ旅する 17席の物語。

神田伯山さんが全17席を4~5日間の連続公演で一気に演じたことでも話題に。
神田のお家芸とも言われています。

宮本武蔵は武者修行の旅に出て、各地で勇士豪傑と対決したり、武蔵の人生を描いた話。
「狼退治」が良くかかります。オオカミの吠える声は講談師の腕の見せ所。

梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)

歌舞伎や文楽でも人気の演目です。「髪結い新三」で知られています。

実話を元に作られたというこの演目。
歌舞伎でも大人気の演目です。

そのほか、怪談など馴染の話も大人気。
講談って堅苦しい歴史の話ばかりではないんです。

講談はどこで見れる?

講談師の独演会のほか、寄席でも聞けます。
ただ、毎席講談師が出演するわけではないので、事前に各寄席のWEBサイトでチェックしてくださいね。

神田伯山さんの出演のときはかなり混みます。

ただ、講談師は他女性も多く、色々な方の講談を聞くとちょっと面白いですよ。

語り手によってこんなに違って聞こえるんだ、と不思議です。

ぜひ寄席で落語同様楽しんでください。

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