100年持つと言われ、親子三代で受け継がれることもあるという山葡萄のバッグ。
百貨店のポップアップストアなどで度々見かけるようになりました。
甲信越・東北地方中心に作られている山葡萄のバッグ。
その値段を見て驚く方も多いでしょう。
そもそもなぜそんなに高いのか?
選び方ってある?手入れは面倒?
いつかほしいと思っている方必見の山葡萄のバッグ情報です。
山葡萄かごバッグの魅力
着物に合わせる方が多いため、特別な時に使うバッグと思っているかもしれませんが、むしろかしこまった場には持っていけません。
着物の場合もあくまでカジュアルな場の時。
そのため、洋服で普段使いが最適です。
山葡萄のバッグは購入時、まだ表面が粗く、艶もあまりません。
使っているうちに表面が滑らかになり、独特のツヤがでてきます。
色味も革と同じように深みがでてきます。
それは使い手により個性が出てくるもの不思議で、最初は自然の個体差くらいのものでも、だんだんと個性が現れてきます。
そうして使うほどに味わいが出てくるのが最大の魅力。
しかも丈夫で100年もつとも言われているほど。
親子三代で使えるというのはそういった意味があります。
しっかりとした作り手のものを購入すれば、修理にも応じていただけるので安心です。
山葡萄かごバッグはなぜ高い?
山葡萄のバッグ、国産のものは安いものでも10万前後、高いものになると数十万円にもなります。
ちょっとしたブランド並の価格に驚く方も多いはず。
その理由は山葡萄の蔓の採取が困難。
実際バッグに使える蔓は意外と少なく、材料の確保だけでも大変なんだそうです。
蔓を採取し、実際バッグにまで仕上げるのはひとつ半年以上かかることもその理由のひとつ。
手間と職人の技術の集大成なのです。
ただ、前に述べた通り100年持つと言われるほど丈夫。
当然一生モノといえるので、流行りのあるバッグと比較するとコスパはかえっていいと言えそうです。
一方、中国産のものは比較的安い傾向にあります。
ただし、中には中国産の素材を使って日本で作られている場合もあります。
その場合も純国産よりは少し安く販売されているようです。
山葡萄の蔓の採取がだんだんと難しくなってきている以上、日本の山で取れた蔓を使用したバッグは大変貴重なものになっていると言えますね。
一般的に編み方やヒゴ(籠を編むために蔓を均等の幅にそろえ、なめしたもの)が5mm以下のものは比較的高いようです。
失敗しない山葡萄かごバッグ選び
一言で山葡萄のバッグといっても、素材や産地、さらに国産か外国産かで大きく値段も変わってきます。
まず国産の場合。
山葡萄の蔓は太いものだと径10センチ近いものもあるそうです。
これを山の中で採取したら、その場で表面のごつごつとした鬼皮と言われる部分のみを取り除いた一番皮を丁寧に剥ぎます。
これが山葡萄かごバッグでも高価なものに使われる素材となります。
その次のが二番皮。渋皮などとも呼ばれます。
こちらは同じ職人さんが作っても、一番皮のものより少し値が下がります。
二番皮は一番皮より品質が劣るというわけではありませんが、一番皮のほうが蔓の風合いそのままを活かすことができるので、色味や表情が豊かになるようです。
また、さらに中国の素材を国内で作成したもの、中国産の素材を使って中国で作られたものなど、様々。
それぞれ個性があるので好みで選んでいいかと思いますが、せっかく買うのなら作り手の情報をしっかり確認してください。
国産と中国産の見分け方
正直、国産のものか中国産のものか一見では分らないと言います。
国産のものは先に述べた通り、経年変化で色やツヤが変化していきますが、中国産のものはさほど年数が経っても変わらないという記述も。
ただしこれは使ってみないとわかりません。
見極めの基準は
の二点。
中国産は4~5万円くらいと比較的求めやすい価格帯になっています。
国産となると小ぶりの安いもので7~8万円はするのでこれは判断基準になりそうです。
また、製造元がはっきり明記されていない場合は輸入の可能性大です。
産地と職人(工房)の名がしっかり明記され、その作り手の顔がわかるところなら間違いなく国産と言えます。
大手ショッピングサイトで、そのあたり不明な場合はまず中国産とみていいかもしれません。
一点お断りしておくと、必ずしも中国産が悪いというわけではありません。
それは個人の判断で、どの産地にモノを購入するか選択すればいいかと思います。
ただし中国産のものは表面のささくれが多少多いようなので、使用時服などを引っ掛けないようご注意ください。
選ぶポイント
国産か中国産かと同様、選ぶポイントも個人の好みでいいかと思います。
ただ、高価なものだけに失敗したくないという方は以下のチェックポイントをご参考ください。
- 編み方は均等でゆるみなどがないか
- 取っ手部分はしっかりしているか
- 壊れたときの修復は依頼できるか
- 表面の仕上げがきれいか
自然素材で作られている以上、ある程度の個体差はありますが、熟練の職人さんが手がけた仕事なら編み方もしっかりし、どこにもゆるみないのは当然です。
取っ手部分は一番負荷がかかるので、しっかり編みこまれているか確認してください。
使い始め、どうしても表面にささくれがありますが、ある程度は表面を磨いて仕上げているものです。
妙にささくれが多いものは仕上げが雑か、素材そのものに問題ある可能性も。
どうしても革や布のバッグと異なり、破損すると専門の職人さんに依頼するしかありません。
販売店が修復に対応してくれるなら安心です。
(ただし、工房の都合上修復はできないというところもあります)
あとは値段など、色々見て選んでください。
山葡萄かごバッグはネットより実物を実際手に取って選ぶことをおススメします。
山葡萄かごバッグ手入れ方
面倒な手入れは不要です。
蜜蝋を定期的に塗りこむと艶がでてくるそうですが、手でなでなでするだけでOK。
手油で自然なツヤがでてきます。
また、棕櫚たわしで定期的に磨くのも効果的とか。
近年、バームヤシのたわしが一般的になりつつありますがバームヤシだと固く、かえって傷をつけることがありますのでご注意ください。
比較的水には強いようですが、あまりずぶぬれにはしないほうがいいでしょう。
しばらく使わないからと、しまいっぱなしにするとカビの原因になります。
通気性のよいところに保管するのがポイント。
インテリア感覚で出しっぱなしにしておいてもいいかもしれませんね。
ただし埃かぶらないようにご注意ください。
まとめると以下のとおり。
- 持ち手部分がどんどんツヤが出てくるので、定期的にバッグ全体を手で撫でる
- 棕櫚たわしなどで軽くブラッシングする
- 通気性の良いところで保管する
山葡萄かごバッグ使い始めの注意
天然素材のためささくれがあります。特に使い始めは樹皮が馴染んでいなく、引っかかりやすいとか。
洋服や着物などにひっかけないよう、注意してください。
使っているうちに遷移も馴染み、ささくれも取れてくるので引っかかることも少なくなってきます。
以上、山葡萄かごバッグ、地味なわりに高い~と思っていた方もちょっと見方変わったなら嬉しいです。
良いものを長く使う、今の時代ならではのモノの使い方かと思います。
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