50g205円の塩。
高いと思いますか?
私は正直思いました。
でも、その味にびっくり。
使い始めるとその旨みと甘み(?)がやめられなくなります。
塩なのに「甘い」?
岩手県の野田村で昔ながらの製法で作られている「のだ塩」のご紹介です。
直煮製法で手塩にかけたのだ塩とは
岩手県三陸に位置する野田村。
のだ塩はこの村の海に程近い小さな工房で「薪窯直煮製法」によって作られています。
薪窯直煮製法とは、その名の通り、薪で火を焚き、その火で海水を煮詰めるという昔ならではの製法です。
「今どき薪?」と思うかもしれませんが、この薪の火力が良質の塩を作るために必要だそうです。
重油を使ったこともあるそうですが、薪に変えたことでさらに旨みが増したそう。
もちろんそのために薪づくりから始めなければならないので、さらに労働は多くなります。
でもこの旨みたっぷりの塩を作るために、そこは譲れなかったんでしょうね。
震災からの復興した貴重な塩
生産の始まりは江戸時代。
そのほかの農作物が採れない地域だったため、作った塩を雫石や盛岡近在に運び、米、そば、豆などに交換していたそうです。
そこまで牛の背中に塩を乗せて運んだことから、この牛は「野田ベコ」と呼ばれました。
今でものだ塩のパッケージにも牛をひくイラストが描かれています。
明治38年からは塩の専売制となり、明治43年にはすべての製塩は廃止されました。
のだ塩もこのとき一旦生産を停止しましたが、平成に入ってから村の青年部がイベントで昔ながらの製法で塩を作ったことに始まり、正式な製品となったそうです。
そんな矢先、あの震災が起きました。
海に近い工房は津波の被害をうけ、すべて押し流されてしまいます。
在庫だけがしばらく流通していましたが、本格的に復興し再生産されたのは震災の1年後。
待ったファンも多かったらしく、しばらくは品薄状態が続いたと言います。
私が初めてこの塩に出会ったのもちょうどこのころ。
復興支援と思って「ちょっと高いな」と思いつつ買って試したところ、このまろやかな少し甘味すら感じる塩にはまってしまいました。
製造方法
復興後、工房は「のだ塩工房」として再建されました。
この建物の中に数台の「塩窯」があります。
窯といっても、大きな平たい金属の浅いプレートに下は薪を燃やす窯になっています。
三陸の海水を入れ、薪の火を絶やさないよう職人さんが常に状態を見ています。
海水を継ぎ足し継ぎ足し、4日ほどかけてのだ塩はできます。
1.3トンの海水からわずか20kg~25kgくらいしか作れないそうです。(少ない。。)
窯焚き中、今はこんな状態ですと、この工房にお邪魔したときに職人さんがすくって見せてくださいました。
ミネラルが豊富なこののだ塩のまろやかさは薪でじっくりと作り上げたからこその味だそうです。
本当になめて「しょっぱい!」といった、とがった辛さがないんです。
嘘と思った方。ぜひ一度試してみてください。この塩で握った塩むすびは絶品ですよ!
道の駅などで取り扱っている「のだ塩ソフトクリーム」は人気だそうです。
(私は食べたことがないのですが・・)
そのほかのだ塩を使った加工食品も豊富。
のだ塩はココで買える
岩手県のアンテナショップ「いわて銀座プラザ」では常に販売しています。
歌舞伎座のはす向いにあります。
住所:中央区銀座5丁目15-1 南海東京ビル1
営業時間:10:30-19:00(毎月末日17:00)
アクセス:地下鉄日比谷線「東銀座駅」6番出口前
都営浅草線「東銀座駅」A1出口徒歩1分
ネット販売ではこちら
いわて三陸のだむら「ぱあぷる」
オンライン>
見学できますが、仕事場です。
事前予約して、職人さんのお仕事を邪魔しないようマナーを守って訪問してくださいね。
料金:見学無料(要予約)
営業時間・見学可能時間:10:00~16:00
定休日:土・日(要問合せ)
駐車場: あり(国民宿舎えぼし荘駐車場に大型バス駐車可)
住所:岩手県九戸郡野田村玉川2-62-1 (国民宿舎えぼし荘 敷地内)
交通:
〔最寄駅〕三陸鉄道北リアス線野田玉川駅から車で5分
〔最寄バス停〕根井-下安家間(途中下車可能)
問合せ先:
塩工房学予約・問合せ TEL:0194-78-2225(国民宿舎えぼし荘)
のだ塩製品についての問合せ TEL:0194-78-4171(株式会社のだむら)
◆見学はご予約制です。見学前に「国民宿舎えぼし荘」フロントにて受付を済ませてからおいでください。
◆団体の場合お時間により内容を調整いたします。ご相談ください。
こちらも合わせてどうぞ。
> 岩手の魅力 観光スポットや名産
コメント