「水うちわ」をご存知でしょうか。
透き通った見た目にも美しい水うちわです。
透き通っていますが、素材は樹脂ではなく和紙です。
使って涼しく、眺めて涼しい水うちわ。
一度手に取っていただきたい逸品です。
水うちわとは
岐阜県の伝統工芸です。(国の経済産業大臣指定伝統工芸ではありません)
透き通った扇面に美しい手描き画が施された水うちわ。
一見樹脂製にも見えますが、岐阜県代表の工芸品、美濃和紙で作られています。
歴史は古く、室町時代には作られていたそうで、長良川で行われる鵜飼を見に来た観光客への土産品だったのが始まりです。
見た目の美しさからだんだんと国内外で人気となり、岐阜県の伝統工芸となりましたが時代とともに生産量は減少していきました。
昭和後期に一度途絶えますが近年また復活し、岐阜の伝統工芸として受け継がれています。
「水うちわ」という名称は昔、水に強い水うちわを水につけてあおいで気化熱を利用した説、水のように透き通っていることからそう呼ばれるようになったという説などがあります。
価格は本物の美濃和紙(手漉き和紙)を使っていることと、絵付けも職人さんの手描きのため、10,000円前後と少々高め。
ですが、ニスでコーティングされているため丈夫で長持ちします。
使う用途でなく、飾って楽しむ方も多いそうです。
水につけて使う?使い方の注意事項
水うちわというと、よく水に浸して使うということを耳にしますが、正式な使い方かどうかの是非は定かではないようです。
確かに耐水性に優れているので水に濡らしてあおぐことは可能。
一点注意は軽く濡らす程度に。
水に浸しっぱなしすると、変色の原因となります。透き通った美しいうちわが白く濁ってしまいます、
また、ニスは天然のものを使用しているのでアルコールに弱い特性があるそうです。
お酒なども大敵。
飲酒の際は近くに置かないようにしてください。
直射日光も黄ばみの原因になります。
さまざまな水うちわ
水うちわは形・大きさも様々あります。
あくまで観賞用として使用する場合は台座も販売されています。
暑中お見舞いとして使えるコンパクトサイズなど、ちょっと楽しめる水うちわも多々あります。
うちわというと日常使いのものという印象ですが、水うちわは贈呈品しても適した高級なものです。
ぜひ夏の贈り物に選んでみてください。
また、水につけてあおぐと涼しい水うちわはキャンプなど屋外でも適しています。
(直射日光とアルコールにはご注意ください)
水うちわの制作工程
水うちわに使用されているのは美濃和紙のうち雁皮紙と呼ばれる薄い和紙を使います。
制作工程は20以上あります。
竹の骨に美濃和紙を貼る作業を「貼立(はりたて)」と言いますが、薄いため神経を使う作業だそうです。
絵柄はあらかじめ職人さんの手で描かれ、それを貼り付けていきます。
うちわの絵付けは「すり込み」という技法で描かれます。
これを骨組みを貼り付け、天然ニスをぬると薄い和紙が透け、絵柄が美しく浮き出ます。
ニスは塗っては乾かすといった工程を最低3回繰り返し、丈夫なうちわが出来上がります。
手間と時間をかけて出来上がった水うちわ。
かつて番組でマツコ・デラックスさんも絶賛したと言います。
ぜひ一度試してください。
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